公園は戦場だ。多動&他害児の幼児期を振り返る

ブログの更新が滞っていて申し訳ありません💦

X(旧Twitter)で息子の未就園児時代の思い出について書きましたが、多動児・他害児だった息子の幼児期はそれはもう、なかなか類を見ないほど大変な子供だったので、私は息子に手をあげることもあったんですね。

もちろん許されることでもないし、開き直るつもりもないのですが、Xのような短い文章の中で当時の状況を説明することも難しく、私のことを毒母だと思った方もたくさんいたでしょうし、逆に、息子の他害について責められたことについて「被害者ぶっている」と書いていた方もいました。

毒母なのはある意味間違いない😂

でも被害者ぶっているつもりは全然なかったんですけどね💦

ただ、他害について書くと必ず母親としての責任を追及してくる人も一定数いて。

私としては好きで他害をやらせているわけじゃなく、むしろやめさせたくてできる限りの努力をしてきたつもりで、それが行き過ぎて(目には目を方式で)息子に手をあげてしまったわけですが。

…ということで、今回は幼児期の息子の様子や、当時の思い出について書いてみようかなと思い立ちました。

 

多動・他害が始まったのは1歳過ぎてすぐの頃

うちの息子が「多動かも?」と思ったのは1歳の誕生日を過ぎてまもなくの事でした。

つまり一人歩きをするようになり、足取りがしっかりし始めた頃から、親の制止を振り切って、あちこち歩き回る(走り回る)ようになったんですよね。

この頃、壁紙を破く、床に敷いていたマット(パズルマット)を噛みちぎる、物を投げ部屋中にぶちまける、絵本を噛んで破く、玩具を分解する等々、破壊工作員としての活動も始まっていました🤣

考えてみれば、0歳児時代から兆候はあったんですよね。

ハイハイが高速すぎるし、よく動く子だよな。よく物を口に入れて舐めて溶かしているよな。よく物を投げているよな。と。

でもそれは0歳児時代なら多かれ少なかれ誰でもやっていることかと思い、気にしていなかったんですよね。

この子はおかしいんじゃないかと思ったのは、1歳を過ぎて、周りの子はそういう行動をしなくなっていたことに気づいたときのことでした。

そして他害が始まったのは1歳3か月の頃。

児童館に遊びに行った時に、玩具の取りあいこがきっかけで、相手の子に噛みついてしまいました。

そこからは、もう地獄のような日々でしたね。

以下の記事☟はもう何度も引用していますが、多動・他害が酷かった息子の幼児期について書いたものです。

私の心に棲みつく悪魔

多動・他害が酷かったため、本心では家の中に閉じこもっていたかったんです。外に出ると必ず問題を起こすので。

でも家の中に閉じ込めておけなかったんですよね。家の中のものを片っ端から破壊してまわるほどの体力が有り余っていて、とにかくあの衝動性をどこかで発揮させるしかなくて。

なるべく広い公園に連れて行って、体力を消耗させようと思ったんですよね。

けれども、公園に連れて行くと必ず他の子とトラブルを起こすため、朝いちばんに誰もいない公園を目指し、毎日毎日、いろんな公園をジプシーのようにさまよっていました。

車で1時間以上かけて遠くまで行くこともありました。

とにかく家でじっとしていられない子なので、どんなに暑い日も、雪が降りそうなほど寒い日でも、ダウンコートやフリースを着込んで、子供を連れて公園に通っていましたね…。雨以外の日は、それこそ毎日。

なるべく人気のない公園を目指して行きますが、遊んでいるうちに人が集まってくることもあります。そんな時によく見る公園での風景が、子供は子供だけで遊び、ママたちはお喋りに興じる。

うちは子供が幼稚園に入園してからは、ごくたまに友達親子と公園に行くことがありましたが、ママ同士の輪に入ることはありませんでした。自閉症の息子が他の子に危害を加えないよう、常に影のように付き添っていなければならないからです。

来る日も来る日も、息子の背中だけを追いかけて走り回る毎日。

だからいつも、 公園でおしゃべりしているママたちが眩しかった。

自分がとても孤独に思えて、そして、すっごく羨ましかったことを覚えています。

一度でいいから、私も、子供同士で遊んでいる様子を遠くから眺める…っていうのをやってみたかったな。

公園遊び。私が最も嫌いなもののひとつでした😂

 

公園は戦場。私は戦場に赴く兵士

公園は私にとって戦場でした。そして私は戦場に赴く戦士。

朝いちばん、まだ誰もいない戦場(公園)をめがけて乗り込むのですが、車を降りるやいなや、我が家の特攻隊長(自閉息子)は一目散に敵陣(ジャングルジム)へ突撃していきます。

私は隊長の後姿を遠く眺めながら、ほふく前進で追いかけました。←さすがにウソ🤣猛ダッシュで追いかけました。

早朝の公園はまだ誰もいないので私もジャングルジムのたもとでのんびり子供たちを眺めていられるのですが、しばらくすると子供たちが1人、また1人とジャングルジムをめがけて走ってくるのです。

そうなると私はすぐさま、息子の後ろにぴったりついて、トラブルを起こさないように見張ります。

ところが我が家の特攻隊長、足が速くて本当に身軽(゚з゚)

ちょっとでもモタモタしようものなら、すぐに巻かれてどこかへ行ってしまいます。

公園内にジャングルジムが2~3か所に点在していたり、ターザンロープのように順番待ちをする遊具がある公園が一番危険です。

パーッと走って消えた息子、振り返ると長蛇の列だったターザンロープの先頭にちゃっかり立っているのです😱

大胆なほどの順番抜かしに、後ろの子供たちは( ゚д゚)ポカーンとしています。

私は慌てて息子の手をひっぱり、ターザンロープの順番待ちの列から息子を引き下ろします。

すると息子、ぎゃああああああああああああ‼と大号泣。

息子は基本的に順番待ちが一切できません😂

他の子は並んでいるよね、という言い聞かせも意味が分からず、ひたすら号泣しながら一番前に並ぼうとします。

そうなるともう、公園を撤退するしか道は残されていません。

「帰るよっ!!」 と、号泣する自閉息子を抱えながら車へと走っていく、 これは毎回のことでした。

時には、目を離したすきに、後方にあるジャングルジムで子供たちがざわついていて、見るとうちの息子をたくさんの子供たちが囲んでいて、いっせいに指をさし、

「この子がやったー」と。

どうやら滑り台の順番待ちができない息子が、他の子の背中を押したらしく。

(怪我をさせたとかそういうことではないんですが) 押された子供は泣いている。

子供たちは口々に「この子が押したー」「あやまれー」と非難轟々。

子供たちに囲まれ崖っぷち状態の息子は大号泣。

そのうちもらい泣きする子供まででてきて、阿鼻叫喚、地獄絵図。

私は頭が真っ白になって、ごめんなさいごめんなさい怪我なかった?ほんとにごめんなさい… もうその後のことは記憶にありません。

 

息子を犯罪者のような目で見る親子に遭遇

でも私にとって公園での一番悲しい思い出は 「公園の中心でうんこにまみれる」と同じ日、同じ公園でのできごとでした。 つまり、うんこにまみれる前に起きたことです。

公園の中心でうんこにまみれる

そこは敷地面積のかなり大きな公園でした。

息子は幼稚園の年中さんになる直前の春休みのことでした。

広場の中央部にはちょっとしたアスレチック風のジャングルジムがあり、その時その場にいたのは、私と息子・定型次男、それと友達親子の5人だけでした。

しばらくジャングルジムで遊んだところで、友達親子が離れた場所にあるトイレに行ってしまい、入れ替わりに小さな女の子を連れた女性がやってきました。 息子とトラブルが起きたら嫌だな。 向こうは息子より小さいし女の子だし。…と思いましたが、女の子は年少さんくらいかと思われる小さな子で、ジムで遊ぶにはお母さんの手助けが必要。

ママがそばに付き添った状態で遊び始めました。

お母さんが付いているなら大丈夫か。と少しだけホッとして、私もジャングルジムのすぐそばで息子の様子を監視していました。

すると息子が輪くぐりをしていたところに、反対側から女の子がよじ登ってきているのが見えました。

↑輪くぐりってこんなやつ

こうした輪くぐりは公園によって進行方向が決まっている場合が多く、というのもすれ違うのが大変だったりするからなのですが、一応断っておきますと、息子は進行方向どおりに進んでいました。

そういったことも普段は守らない息子ですが、その日はたまたま守っていた。

まあ、そういうローカルルールは置いといても、うちの息子が先に輪くぐりをしているのを見ていたのだから、彼女たちは逆から入らず、息子の後ろから入ればよかったのだと、後から考えると思うのです。

でもその子は対向から輪の中に入ってきた。

小さいけど、活発な子のようだから、すいすいとすれ違えるんだろうな。

そう理解して、私は遠目にその様子を見ていました。

するといよいよ2人が輪くぐりの途中で対面したのですが…。

女の子はどちらか端っこによけるでもなく、真ん中で座りこんだままでいるのです。すれ違うときはお互い左右に避けあうものなんですが。

よく見ると、とても狭い輪なので、すれ違うのはかなりお互いが努力しないとできない状況であることが見てとれました。

女の子はまだ輪くぐりに入ってから1~2mの場所にいるので、通れないのだとしたら、そばに控えているママが降ろしてあげればいいし…と思って見ていたのですが、そこで女の子がこう、言ったのです。

「ねえ、そこどいて?」

悲しいかな、うちの息子はその言葉の意味がわかりません。

加えて、息子は後退するとしたら、輪の中を10mくらい下がらなければ降りられません。

すると女の子が苛立ったように「ねえ、どいてよ?」とふたたび息子に声をかけてきました。

困惑する息子、何か怒られているのかと思い、完全に固まって動けなくなってしまいました。

「ねえ?なんでどいてくれないの??どいてよ!どいてよ💢」

女の子がヒステリックに叫びだしたところで、とうとう息子は怖くなって泣きだしました。

私は初めて、これはただ事ではないと思い、息子の方へ駆け寄っていきました。

すると女の子のママも駆け寄り、女の子を急いでジムから降ろしているところでした。

女の子は激しく泣きじゃくっていました。

そして、女の子を抱きしめながら、

「怖かったね、怖かったね」 …と。

私は女の子のママに頭を下げながら「すみません、どうかされましたか?」とたずねました。

一部始終見ていましたが、「どいて」と言われてどかなかった息子にも落ち度があるわけですから。

すると女の子のママは言いました。

「その子に娘がどいてって言ったんですけど!どいてくれなかったんですよ??…怖かったよね」

と最後は娘に問いかけながら、私たち親子をまるで犯罪者でも見るような怯えた目で見ているのです。

息子は輪くぐりの中で泣き崩れて動けなくなっていました。

「すみません、うちの息子は知的障害があって、『どいて』という言葉が理解できないんです。何を言われているのかわからなくて、どけなかったんだと思います。ごめんなさい」

本音を言うと、どうしてうちだけがこうして頭を下げなきゃいけないんだ、息子だって泣いているのに。何か悪いことをしたわけでもないのに。

そう思ってはいましたが、とにかく怖がらせたことは事実。

謝っておこうと、頭を下げました。

でも、女の子のママは一瞬無言になったかと思うと、より一層女の子を抱きしめながら、

「怖かったよね。ちゃんと言ったのにね、『どいて』ってちゃんと言ったのにね。怖かったよね」

私たち親子を睨みつけながら、その親子はその場から離れていきました。

輪くぐりで泣き崩れる息子を降ろし、泣いている息子を抱きしめながら私も一緒に泣きました。

子供のように、ボロボロと、泣きました。

周りの人みんなが優しい幼稚園に通っていたからか、こんなふうにはっきり悪意をぶつけられたのは初めてだったかもしれません。

こんなことで傷ついていたら、障害児の母親なんてやってられないけど。

私はしばし子供一緒に涙を流し続けていたのでした。       

 

あー、思い出すだけで泣けてくる😭

これは他害のエピソードとも違いますが、とにかくトラブルを起こさないために、車で片道1時間くらいの範囲で行ける大きな公園を十か所以上ピックアップしておき、巡回していましたよ😂

徒歩で近所の公園に行くことなんてほとんどなかったな。

(当時は多動すぎて徒歩で移動させられなかった。小さい頃はベビーカーかバギーで括り付けること必須、その後は車での移動が主体。公共交通機関は危なくて乗せられなかった)

それだけでも、多動・他害の子がいる家庭がどれだけ大変だったか、少しはご理解いただけたかと思います。

 

  • X

公園は戦場だ。多動&他害児の幼児期を振り返る” に対して4件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    お久しぶりです。アメブロではゆるりんです。Xはやっていないのですが、googleからXを見ることが出来るのでサナさんのXを見ています。サナさんは毒母ではないですよ。アメブロでサナさんのブログを見て熱心なお母さんだなと感心したことを忘れていません。うちの子はパニックになると走り回るので小さい時からどこに行っても迷惑がられて支援する人は敵というイメージになってしまっていたけど、サナさんのブログで支援する人に感謝する気持ちが大切なことに気付きました。実はうちの子は9月から入所施設に入りました。人口は多めで福祉が遅れている県なので入所なんて無理と思っていました。唯一ショートを受け入れてくれたのが入所した施設と同じ福祉会の2ヶ所だけでした。他はショートも待機登録も満員。入所した施設が男性だけの施設にする方針になって10人空きが出来たので入所できました。自閉症で強度行動障害のある人中心の施設です。入所施設でも手がかかる人を嫌がる施設もあるけど諦めずに探せばあると思います。相談支援専門員さんに探してもらうのがいいけど問い合わせだけ自分でしてショート受け入れ可能がわかってから専門員さんに相談してもいいと思います。今は個人だけで申し込みはできないから不便だけど。今すぐ入所は無理でも事業所が休みの時にショートスティで預けてサナさん休憩してください。待機登録しておくとうちみたいにチャンスが巡ってくる可能性もあります。とにかく諦めないで。成人してからの方が手がかかるようになるのも自閉症の一つの症状です。サナさんのせいでも息子さんのせいでもないですよ。入所する前の8月は作業所にほとんど行けないほど機嫌悪かったけど入所したら機嫌よく過ごしているみたいです。家にいるより落ち着く時もあります。

    1. 稲倉サナ より:

      お返事遅くなって申し訳ありません。
      コメントいただいて、嬉しくて涙が出ました。
      私にも親身になってくださる方がいること。本当に嬉しかったです。
      今、息子が18歳になり、学校を卒業して、想像以上に世間は厳しいものだと途方に暮れているところです。
      世間は厳しいけど、一人一人は、個人は厳しくないんですよね。
      皆、悪い人じゃない。ただ、需要に対して供給の数が少なすぎるだけなんだ。
      だから、障害者の中でも問題のない子から選ばれていくだけなんだ。
      それがわかっていても、問題のあるうちの子は選ばれずに、残されていくんだと、愕然としているところです。
      すみません、曖昧なことしか書けませんが。
      諦めずに探すことは大事だと思います。私が諦めてしまったら、終わりだと思うので。
      悲しいですけど、わざわざ踏み込んでまで助けてくれようとしてくれる人はいないんですよね。
      だから、「数打てば当たる」の精神で、今は可能性があることは何でも、どこにでも、体当たりで向かっていっています。
      ゆるりんさんのお子さんが入所施設に入れたとのこと、とても勇気がわきました。
      諦めずに頑張っていけば、いつかは報われる日がくるかもしれないと。
      本当にありがとうございます。私も頑張ろうと思えました。
      本当はドラマの話なんかもしたいんですけどね(笑)

  2. z1974 より:

    お久しぶりです。
    暑い夏休みに子どもたちを遊びに連れて行っていた10数年前を思い出しました。体力あったなあ。 
    サナさんの苦労には及びませんが、とにかく夢中な日々でした。
    お忙しいとは思いますが、また日々のこと綴られるの楽しみにしています。

    1. 稲倉サナ より:

      お返事遅くなってしまってごめんなさい!
      なかなかブログも更新できず、すみません。
      学校を卒業してからもいろいろと大変で、何をする気力もなくなりがちてですが、こうして子供が小さい頃のことを思い出してみると、その頃より今は全然マシだなって思えて勇気が出ます(笑)
      更新頻度がぼちぼちにはなりますが、細々やっていこうと思います。
      今後ともどうぞよろしくお願いします(^^)

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