成長とともに知的障害児のIQがどんどん下がっていく理由とは?

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ここ最近、何故かランキング上位に知的障害児のIQや学力系の記事が上がってきています。

うちの太郎がIQ30にも関わらず、IQよりもはるかに高い学力(といってもIQよりは、という程度ですが😅)がある、そのアンバランスさから興味をもたれている方が多いのかと推測しました。

そこで上位にあったこちらの記事☟を見てみると、最後に書いてあったIQの数値に間違いがあったのでついでに訂正を入れておきました😅

サヴァン症候群とは違うけど勉強のできる重度知的障害児

うちの太郎は発達の凹凸が激しく、ケースとしてはレアなのかもしれませんが、学力とIQは必ずしも比例するものではないということ。そして、年齢とともIQが下がってきているのは本人の能力が他の子に比べて劣ってきていることが原因ではないということ。

この2つについて書いてみようと思います。

 

重度知的障害児でも小学校でこのくらいはできていた!

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以前、こちら☟のブログで太郎の現在習得している学力について書いたことがあります。

重度知的障害の息子の学習レベルはどのくらい?

今見てみると若干学力が伸びていたので😂少し修正は加えておきました。

ただ、こちらはあくまでも現在の学力であり、現在幼少期の知的障害児を育てている方にとっては、小学校時代にはどの程度できていたのか?ということも気になるのでは…と思います。

普通ならば小学校時代はこのくらいできていて、中学でさらにこのくらい伸びて、高校でも…というふうに考えるでしょうから、小学校卒業時点ではどのくらいできていたのか?と。

ところが

中~重度・最重度の知的障害児の場合、軽度や定型発達の子とは学力の伸び方に違いがあると私は思っています。

というのも、定型発達の子やそれに準ずる学力のある軽度知的障害の子であれば、基本的には普通級に在籍していますよね。となると、学習指導要領に沿い、学年が上がるごとにより高度な内容を授業で教わるわけです。

ところが支援学級や支援学校に在籍している中~最重度の生徒で、将来は福祉的就労もしくは企業の障害者枠での就労をすることを目指している場合、学校側は学習=将来自立して生活することに困らない学力を上限としてしか教えてくれないな、と。

というか、教えても意味がないな、と判断しているような気がします。

よって、太郎くらいの重度知的障害児の場合、小学校在学中は習得できる限りは上へ、上へ…とレベルアップしていたのが、中学入学あたりから徐々に減速し、学習においては「この子はこの程度できればOK」という判断のもとに、中学ではほぼ小学校時代の反復学習(漢字だけは覚えられるのであればよりレベルアップを目指してはいましたが)だったような気がします。

それはそうですよね。

太郎は三角形の角度を求める問題や立方体の体積を求める問題は、習得しても将来必要になる場面などないからです。

それよりは数字の暗算ができる能力を高め、スーパーでさっと紙幣を取り出せる方が何倍も生活のクオリティが上がるんですもの。

つまり現在の太郎の学力はほぼ小学校を卒業する時点には習得していたものです。

習得状況の詳細は昔の日記を読み返してまとめてみましたがこんな感じです☟

 

中学生以降もより高いレベルの勉強を続けていれば、もっと高度な問題が解けるようになっていたと思います。

パターンで覚えることが得意な太郎は、小学校高学年の時点では分数の通分もできていましたから。

でもこんなことを覚えて何になるというのだろう?と私自身、疑問に思っていました。

それよりもお金の計算ができた方がいい。

10時の15分前は何時何分?という計算ができた方がいい。

そう思ったんですよね。

なので、家庭学習でもある程度のレベルまでやった後は、習得したことを忘れないように繰り返しこれまでやってきたプリントの復習をすることに徹しました。

あ、ちなみに学校の授業では太郎より知能の高い子に合わせた応用的な授業が行われていましたよ。

ただ太郎は本当に能力が偏っていて、文章題などが著しく苦手で、模倣することでなんとか乗り切ってはいましたが、身についていたとは思い難く😂

計算や漢字ができる能力は幼い頃はIQとしても評価されがちだけども、年齢を重ねるにつれて高度な言葉を用いた応用問題が理解できるようにならなければ、IQはどんどん落ちていっていくのだろうな、と思いました。

つまり言語発達遅滞の子は学力がある程度高かったとしても、必ずしもIQと比例するわけではないんだな、と。

 

軽度→中度→重度とIQが下がってきた原因はコレだ!

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太郎はここ数年受けている知能検査ではIQ28~32あたりを彷徨っています😂

ですが、最初から重度だったわけではないんです。

2歳の頃、初めて受けた知能検査では太郎は軽度知的障害の判定でした。

愛の手帳 最初軽度で 今重度

IQの変遷は以下のとおりなのですが、年齢を重ねるに連れてジワジワとIQの数値が下がってきた感じです。

2歳4か月 ➡ IQ不明/4度(軽度)

幼稚園年少 ➡  IQ44/3度(中度)

小学校入学時 ➡ IQ不明/3度(中度)

中学校入学時 ➡ IQ35/2度(重度)

高校入学時 ➡ IQ30/2度(重度)

現在(高校2年生)➡ IQ28/2度(重度)

基本的にIQというのは変化しないものらしいですよね。

だから下がってくるのはよほど劣悪な環境で育てていたのでは?なんて思われそうでガクブルしてしまいます😂

けど、現実の太郎は幼児期に比べてIQが下がってきた感は微塵もないんです。

むしろ能力は向上してきている感すらある😆

じゃあ何でIQが重度判定まで下がってしまったのか?

それは太郎が言語発達遅滞であるからに他ならないと思っています。

例えばですが、未就園児に対する知能検査は、未就園児でも理解できるような言葉で行われますよね?

その当時、太郎とその他の定型発達の子との言語能力に現在ほどの差があったとは思えません。

でも、17歳の太郎に対して行われる、IQ100の知能検査というのは、高校2年生レベルの言語での問題がされるわけですよ。

17歳の子が普通に理解できる日本語で。

未就園児時代は言語能力に関してはそれほど差がなかったと思いますが、年齢を重ねるにつれて、言葉を操る能力はどんどん差が開いていく一方です。

現在の太郎の言語能力と、定型発達の高校生の言語能力は、幼児期とは比べ物にならないほど大きく開いてきています。

それゆえ、毎年受けていた知能検査では、問題そのものを答えられないというよりは、問題の意味がわからずに答えられないものが増えてきていました。

おそらく太郎の言語レベルにあわせてかみ砕いて説明してくれれば答えられた問題もあったかと思います。

けれど、それ以前に相手が何を話しているのかわからない。込み入った内容の話はわからない。

これこそが太郎のIQが年齢を重ねるたびに下がってきている原因だと思っています。

実際、言葉が流暢に話せないことこそが、生きづらさに直結しています。

だからこそ、IQが低く判定されることは実生活の生きづらさを正統に評価されているとも感じます。

学力よりも大切なものは言語、コミュニケーション能力なんだと私は思っています。

もしも10歳までに何でも望むことを叶えてもらえるのであれば、それは言語能力を伸ばすための療育を施してもらうことかな、と。

太郎が当時、その手の療育を受けることができていれば、今これほど苦労してはいなかったのではと思っています。

ただ…。

今は、IQが低く判定されていること自体は感謝しかないですけどね。

私が死んだ後も、この低いIQによって国から守ってもらえるんだろうな、と思うので。

 

 

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成長とともに知的障害児のIQがどんどん下がっていく理由とは?” に対して10件のコメントがあります。

  1. エリカ より:

    わたしはこちらのブログを読むまで、知的障害の方でも学習における「得意不得意な分野がある」というのを知りませんでした。
    通級の人に対してはある概念が欠けていたのです。
    今振り返ればあたりまえの事がなかったのが恥ずかしいです。

    書籍やテレビなどの各メディアで紹介される、などの知る機会が無いというのも、要因な気もし、知ろうという気はおろか”そのような事があると知らない”人が大半である気がしています。

    母校が知的障害の方のための学校経営から始まった学校である私ですらこの有様ですから…。

    もう少し啓蒙活動があっても良いのにとは思いますが、障害を持っているお子さんのいる保護者自身が活動に傾倒するのは、それはそれで「もっとお子さんの事を見てあげてよ」と気になる難しいところです。

    1. 稲倉サナ より:

      コメントありがとうございます(^^)
      知的障害は本当に奥深いなぁと母親の私でも思います(;’∀’)
      中学のときでしたが、IQが太郎の倍以上もある軽度の子が、同じ算数(数学レベルではないので算数と言わせていただきます。汗)のプリントをやった際に、太郎が100点近くとれたのに、その子は60点くらいしかできていなかったのはすごく驚きました。
      その子は国語は得意で算数は苦手だったこともあるようですが、小学校時代に普通級に在籍していて、勉強面でほとんどフォローしてもらえず、まともに勉強をしてこなかったらしいんですよね。
      このように発達障害児の学力は環境によっても左右されると思うので、適切な環境で学ばせることの重要さは実感しています。
      これは定型発達の子でも言えることかもしれません。うちの次男が実力以上の学校に入り、苦労していますから(;’∀’)
      啓蒙活動はなかなか難しいですよね。
      表舞台で啓蒙的な活動をしている方の意見が全て正しいとは言えず(むしろ眉をひそめるような言動が多い方も多数)、とにかく今は情報が溢れている時代なので、受け取る側も上手に取捨選択しなくてはならず…でもそれって難しいですよね。
      私も情報を発信する際に偏った記事を書かないように気を付けないと、と思います。

  2. 匿名 より:

    先日コメントした18歳の娘の親です。少し考えていたのですが、太郎君がいじめにあったとしても訴える事が出来ないと書いてありましたが、今からでも少しづつ1日の事を話す練習をして見てはどうでしょうか?例えば数学で今日何をした?とか答えれたらちょっとご褒美。おやつとか。少しづつ質問を増やしていって。質問されたら答える習慣をつけて。娘の事になりますが、家もお話しが苦手なタイプです。しかしこの間学校の連絡帳に前は質問しても適当に答えていましたが最近前よりじっくり考えて答える様になりました。と書いてありました。家で良く質問して答える習慣が少しついたのかもしれません。太郎君も家の娘も施設でいじめにあって訴える事は出来なくても、聞かれたら答えれる様にはなるかもしれません。お節介をしてすみません。娘も太郎君もまだ少しは変われるかもしれません。

    1. 稲倉サナ より:

      コメントありがとうございます(^^)
      確かに…以前は私も答えがわかりきっている内容(今日給食何食べた?など)は質問することはありましたが、それすらも最近あまり聞いてなかったですね。
      最初からできないと決めつけていてはそこで成長は止まってしまいますよね。
      意外にも少しずつですが言語面でも成長し続けているので、早速明日から学校で何をやっていたか、質問してみようと思います!
      何ごとも遅すぎることはないですよね。この私でも未だに成長できていることはありますから(笑)
      アドバイスありがとうございます。

      1. こー より:

        こんにちは
        横から
        うんうん言葉は、喋らないと出ずらくなるよね。
        引き出す努力は大事ですね、嫌がられても毎日コツコツと。

        1. 稲倉サナ より:

          そうなんですよね。
          太郎が単語で要求してきた際(例えば「お茶!」のように)、そのまま言い直しをさせないでお茶を出してしまうことも増えてきました。
          余裕があるときは「お茶?」と「お茶が何?」と私から質問して、「お茶をください」と本人から言い直しさせるようにしているのですが。
          引き出す努力、本当に大事だと思います。

  3. 匿名 より:

    家の娘も太郎君と似たタイプで、お話しより勉強のが得意なタイプです。サナさん頑張って良く勉強を教えてこられましたね。今娘は18歳になりましたが、相変わらず自閉症が強いタイプですが、人が大好きな子には育ちました。ただずーと悩みは常にあります。少し喜んで、沢山がっかりしての繰り返しです。最近思うのですが、自閉症の子はあんまり叱ったり怒ったりしない方がいいですね。思春期から始まった強いこだわりついつい叱ってしまう。叱ると余計にこだわりが強くなったり。親も我慢や忍耐ゆったりした気持ちで構えてあげないといけませんね。

    1. 稲倉サナ より:

      娘さんも同じタイプなんですね!
      学校の授業では難しい計算式ではなく、簡単な式を文章題で出すというパターンが多く、計算プリントが解けても授業の内容は本当の意味では理解できないものが多かったように思います。
      太郎ほど言葉が喋れない子は意外にも少ないように思います。
      沢山がっかりしての繰り返し、本当にそのとおりです。私もそうでした。
      そしてあまり叱ったり怒ったりしない方がいいというのも最近ようやく学びました。
      ここ2年ほどはなるべく叱らないように気を付けていますが、どうしても叱ってしまうことがあって自己嫌悪に陥ったりして。
      それにしてもやはり同じような結論にたどり着くものなんですね。
      自分の考えを肯定してもらえたような気がしてとても嬉しいです(^^)
      ありがとうございます。

  4. cosflo より:

    私の妹が知能検査を受けたのは、親戚の遺産相続の件に関して行われたものでした。主治医に(その年の春くらいから通院していました。)、相続に必要な手続きが妹は出来ないことを示すためには、知能検査が必要であると言われました。妹はそれまで病気も投薬もなかったから、主治医がいませんでした。こだわりの行動が増えてきたので、それに関して治療(投薬)をしましょうと施設の人に言われて今の病院の門を叩きました。そんな訳で知能検査を受けに病院に行き、私も付き添いましたが、妹はあまりうまく答えられませんでした。指さして、と言われても指をさせず、どれ?と聞かれても、直近の絵を指さすだけでした。その後に言葉で答える問題が始まりそうになったので、私が妹は話せませんと言ったら、知能検査は終了しました。後日、結果を聞きに行ったら、幼稚園児くらい、IQ40以下ですね、と言われました。妹は歳を重ねることによって、普段の生活に関わることの習得や、落ち着きを持って生活をすることは、出来るようになりましたが、言葉が話せるようになったり、理解力が上がったりすることはありませんでした。それが知能なのですね。生活は上手くできるようになったけど、話せるようにはならない、が妹の知能なのだと思います。仕事で子どもたちに出会って、自閉症が重くても、知的に障害があっても、言葉が話せることがあるので、とても羨ましく思います。変な話、妹と同じくらいの年の人と話す時に、この人は(健常で)話せていいな、こんなこと思うんだ、と思って勝手に親近感を覚えたりします。迷惑な話ですが。ま、3つしか歳が離れていないんですがね。

    1. 稲倉サナ より:

      うちの太郎も知能検査は途中で終了します。問いの意味がわからない、どう答えていいかわからない、ということで。
      とても短い時間で終了するので、そりゃIQ30だよなあって。
      言葉が話せないということは本当に辛いし大変ですよね。
      同じ学校に通う子たちで太郎より勉強ができない子でもペラペラお喋りできる子は本人も周りもコミュニケーションが取れる分暮らしやすそうにしています。
      やっぱり羨ましいですよ。
      うちの太郎は何があっても口で説明することができず、例えばいじめのようなものにあったとしても、太郎が自分で訴えることはできないんです。
      もしもそういうことがあったとしたら…と考えるだけでも怖いです。

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