1歳半検診からの療育ジプシー《中編》

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こちらのブログは

1歳半検診からの療育ジプシー《前編》

の続きとなります。

息子が2歳になった後の4月から、自治体が運営する療育センターに通うことになったのですが、

その前段階にあった

心理相談→発達検査→医師の診察

の3点セットについて少し触れておきたいと思います。

というのも、ここ、

すごく大事なポイントだからです!

療育までの流れや、発達障害の診断、

療育を受けられる資格、療育手帳の取得などは、お住まいの自治体により仕組が異なる点もあるかと思います。

うちは違うからという点もあるかもしれませんが、療育を受けたり療育手帳を取得する際は、自治体の発達センターなり児童相談所なりで、必ず心理士の面談というのがあると思います。

これは肝になるので、

全力投球で臨んだ方がいい

ということを今回お伝えしたい。

ちなみに、当時私が住んでいた自治体では、療育と療育手帳の取得が一体化していました。

1歳半検診・3歳児検診は市役所の福祉関連の部署で行っていて、

そこでチェックが入ったら、市役所管轄で心理士さんとの面談を行います。

その面談で療育を望んだ場合は、市が運営している療育センターの管轄に移ります。

(親子グループは市役所の管轄。ややこしいです)

療育を希望する親子は次に、療育センターで心理士さんと親子面談を行います。

その後発達検査、検査結果をもとに医師の診察、診断、療育開始の決定…という流れになります。

ここで副産物が出ます。

療育手帳を取得するための書類です。

療育を受けるために受けた発達検査・医師の診察結果が記された書類を受け取り、

それを児童相談所に提出するだけで療育手帳が取得できました。

なので、療育手帳を取得するためだけに児童相談所に発達検査を受けにいく必要がないんですよね。

※これは私が住んでいた自治体での話です。他の都道府県では該当しないこともあります

ということは。

この療育センターでの心理相談・発達検査・医師の診断って、

とても重要な役割になってくるわけです。

療育手帳の取得の可否、手帳の度数に影響するわけですから。

ここでいったん整理します。

療育センターでやることは「心理相談・発達検査・医師の診察」の3点セットです。

この3つのいずれにも共通することですが、

発達障害疑いで面談に連れて行くお子さん。

話ができますか?できませんか?

例えばですが、うちの息子のようにまったく言葉が出ていなくて、コミュニケーションとれない子は、

心理相談や医師の診察の際は親からの聞き取り情報が判断材料の頼りとなります。

発達検査がそれなりに受けられる子であればある程度のIQを弾き出すこともできますが、

発達検査がまともに受けられず、「IQは判定不能」となり、面談での子供の様子(といっても読み取れるのはわずかなものです)と、親からの聞き取り情報だけをもとに判断し、療育手帳は4度という判定になったお子さんも知っています。

この親からの聞き取り情報ですが、

これも自治体によるとは思いますが、うちの息子のときは、医師の診察時間がものすごく短かったことから、

ほぼ最初に受けた心理士さんとの「心理相談」で話した内容をもとに判断されていたということがわかりました。

もちろんこれに発達検査の結果も加味されますが。

心理相談では問診票への記入があり、できることの有無をチェックしていく項目のほか、普段の生活での困りごとをフリーハンドで記入できる部分もあったと思います。

私は特に準備などはせず、当日の「困ったことはないですか?」などの質問には、その場で思いつく限りの困りごとを答えた覚えがあります。

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ここで、ちょっと療育手帳について説明したいと思います。

自治体によって呼び名などが異なりますが、

ここでは東京都の「愛の手帳」について紹介します。

愛の手帳とは

知的障害者(児)が各種のサービス(手当、制度等)を受けるために、東京都が交付している手帳です。障害の程度は知能測定値、社会性、日常の基本生活などを、年齢に応じて総合的に判定し、1度(最重度)、2度(重度)、3度(中度)、4度(軽度)に区分されます。なお、国の制度として療育手帳があり「愛の手帳」はこの制度の適用を受けています。

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これは、息子が中学生になってからとある場所で知り合った方のお子さんの話になります。

仮にA君とします。

A君は自閉症で、うちの息子と同じ年齢(中学生)なのですが、

現在知的の遅れがほとんどなく、おそらく障害者手帳の取得は難しいと思われるお子さんです。

その子が保持している手帳の度数、何度だと思いますか?

正解は

3度です。

A君は3歳の頃に手帳を取得するために児童相談所に行ったらしいのですが、

その際、普段はペラペラおしゃべりするその子が、面談の際はまったく話をしなかった。

発達検査も気が乗らなかったのか、いつもできることができなかったようで結果はボロボロ。

親への聞き取りや問診票で、自閉症ならではの困りごとを訴えたことも評価され、

結果は3度となったようです。

その後、A君は一度も愛の手帳の更新をしていません。

そのため今でも3度の手帳を持っています。

愛の手帳の交付を受けた方は、3歳、6歳、12歳、18歳に達した時、又はこの間において、知的障害の程度に著しい変化の生じたときには、更新の申請をしていただくことになります。


愛の手帳の更新は義務ではありません。

なので、更新しなければA君は18歳まではずっと「3度」の手帳をキープできるわけです。

一方、うちの息子がの手帳は何度だったと思いますか?

正解は

4度です。

ある意味、判定不能という結果だったのかもしれませんが、

軽度に出てしまった原因として、発達検査の数値がよかったこと。

自宅で右脳を鍛えると称して、知育玩具で遊ばせていたため、発達検査で出てくる問題の類は得意なものが多かったのです。

知的障害がほぼない自閉症のA君が3度で、

中学生なのに1~2歳児程度の会話しかできないうちの息子が4度(その後度数は下がりましたが)。

おかしくないですか?

愛の手帳3度というと、IQ35~49です。

IQは訓練で多少は伸びますが、40~50の単位で伸びることはありません。

で、何がいいたいかと言うと、

2~3歳の頃の発達検査や心理の面談では、子供の状態を正確に判断することなど不可能に近いんですよね、所詮。

当日、わずか数時間様子を見ただけでは

「本当に話せない子供」なのか「話せるのに話さないだけの子供」なのか。

心理士さんにも医師にも見分けはつかないんでしょう。

幼児期の子供の判定は、

結局は当日の子供の様子に加え、発達検査の結果、親からの聞き取り調査を総合して判断するしかないわけで。

だからこそ、親ができるだけ詳細に子供の日常を伝える必要があると思うんです。

療育を受けたいとか、納得のいく手帳の判定がほしいとかであれば。

私は当時、発達検査も障害者手帳の取得も、全てが初めてだったので、子供の日頃の様子を100%伝え切れたかと言うと、ちょっと自信がありません。

この時のことを教訓に、その後手帳の更新の際には、万全の準備をして臨んでいます。

愛の手帳については闇が深く(;’∀’)

もっと伝えたいことがあるので、別途ブログのネタとして取り上げたいと思います。

~後編に続く~

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