療育手帳(愛の手帳)の度数が人生を左右する
出典:いらすとや
今回のこちらの記事では療育手帳の度数を気にするようになったきっかけについて少し深掘りして書いてみようかと思います🖐️
2歳の時の判定は軽度知的障害だった息子
まず、療育手帳とは何か?というとですね。
療育手帳とは
療育手帳は、主に知的障害のある人が取得できる障害者手帳です。知的障害のある人が支援や相談などのサービスを受けやすくすることを目的としています。療育手帳制度は法律で定められた制度ではありません。都道府県・政令指定都市がそれぞれ要綱などを制定して行っています。そのため、自治体によって制度名や支援内容、取得の基準などが異なる場合があります。療育手帳の制度は自治体によって異なるので、取得できる基準はまちまちですが、判定の目安としては以下が挙げられます。
おおむね18歳以前に知的機能障害が認められ、それが持続している 標準化された知的検査によって測定された知能指数(IQ)が75以下(70以下に規定している自治体もある) 日常生活に支障が生じているため、医療、福祉、教育、職業面で特別の援助を必要とする療育手帳とは?大人でも取得できる?メリット・デメリットはあるの?制度の内容から申請方法までわかりやすく解説します! | LITALICO仕事ナビ (snabi.jp)より引用
知的障害のある人の障害者手帳を療育手帳と言うんですよね。
ちなみに東京都では「愛の手帳」と呼ばれています。
手帳の度数はIQによって1度(最重度)2度(重度)3度(中度)4度(軽度)に区分されています。
1度(最重度)というのは、どのような状態ですか
以下の説明は18歳以上の場合です。児童については年齢に応じて異なった基準で度数を決定しますので、同じ度数でも年齢により異なった状態になります。
最重度とは、知能指数(IQ)がおおむね19以下で、生活全般にわたり常時個別的な援助が必要となります。
例えば、言葉でのやり取りやごく身近なことについての理解も難しく、意思表示はごく簡単なものに限られます。
上は判定基準の一部分について例示したものであり、最終的には総合判定により障害の程度が決められます。2度(重度)というのは、どのような状態ですか
以下の説明は18歳以上の場合です。児童については年齢に応じて異なった基準で度数を決定しますので、同じ度数でも年齢により異なった状態になります。
重度とは、知能指数(IQ)がおおむね20から34で、社会生活をするには、個別的な援助が必要となります。
例えば、読み書きや計算は不得手ですが、単純な会話はできます。生活習慣になっていることであれば、言葉での指示を理解し、ごく身近なことについては、身振りや2語文程度の短い言葉で自ら表現することができます。日常生活では、個別的援助を必要とすることが多くなります。
上は判定基準の一部分について例示したものであり、最終的には総合判定により障害の程度が決められます。3度(中度)というのは、どのような状態ですか
以下の説明は18歳以上の場合です。児童については年齢に応じて異なった基準で度数を決定しますので、同じ度数でも年齢により異なった状態になります。
中度とは、知能指数(IQ)がおおむね35から49で、何らかの援助のもとに社会生活が可能です。
例えば、ごく簡単な読み書き計算ができますが、それを生活場面で実際に使うのは困難です。具体的な事柄についての理解や簡単な日常会話はできますが、日常生活では声かけなどの配慮が必要です。
上は判定基準の一部分について例示したものであり、最終的には総合判定により障害の程度が決められます。4度(軽度)というのは、どのような状態ですか
以下の説明は18歳以上の場合です。児童については年齢に応じて異なった基準で度数を決定しますので、同じ度数でも年齢により異なった状態になります。
軽度とは、知能指数(IQ)がおおむね50から75で、簡単な社会生活の決まりに従って行動することが可能です。
例えば、日常生活に差し支えない程度に身辺の事柄を理解できますが、新しい事態や時や場所に応じた対応は不十分です。
また、日常会話はできますが、抽象的な思考が不得手で、こみいった話は難しいです。
上は判定基準の一部分について例示したものであり、最終的には総合判定により障害の程度が決められます。
知的障害あり自閉症の長男・太郎は、2歳4か月のときに公立の療育センターで療育手帳4度の診断を受けました。
それがどういうこととか、あまり深く考えませんでしたが、あとから思うと実際よりも軽度に判定されていたなぁ、という感じです。
療育手帳の度数で受けられる恩恵については、また別のブログで詳しくご説明しますが。
まあ、その時は4度と判定されても息子の障害はそんなに重くないってこと?くらいに思っていました。
療育手帳4度。
幼稚園に入園する約1年前の判定です。
その頃居住していた自治体では療育手帳に有効期限というものがあり、2年後にまた発達検査を受け、手帳を更新することになりました。
2年後に受けた判定は3度。
息子が幼稚園年中さんのときのことでした。
幼稚園の年中さんくらいになると、そろそろ小学校はどうするか、という進路について真剣に考えることになります。
うちの息子はその頃、まだ言葉もほとんど発する事もなく、言語コミュニケーションレベルでいくと、0歳児並み、身の回りのことなどなにもできず、ただただ動物のような状態だったため、何の迷いもなく特別支援学校に入れたい。
そう思っていました。
ところが、その話を療育センターのママ友に話したところ、「それは無理だと思うよ」と忠告されたのです( ゚д゚)
特別支援学校は重度・最重度しか入れない!
息子が幼稚園児の頃は言語発達遅滞もあり、対人コミュニケーションスキルが著しく欠如していたため、同年齢の子供たちとは会話はもちろん、一緒に遊ぶ、一緒になにかをするといったことは皆無でした。
そこで私は卒園後に息子を特別支援学校に入れたいと考えていました。
ところが未就園児時代に同じ療育センターに通っていたママ友にその話をしたところ、「それは無理だと思うよ」と言われたのです。
なんですと😱
そのママ友にはお子さんが2人いて、下のお子さんがうちの息子と同い年です。
下のお子さんが軽度知的障害ありの自閉症、上のお子さんが重度知的障害ありの自閉症で、その時上のお子さんは特別支援学校に通っていました。
そのため、特別支援学校についていろいろと詳しかったのです。
その彼女がこう言いました。
手帳3度だと特別支援学校に入るのは難しいと思うよ。
1度・2度の子だけで定員が埋まってしまうから。
( ゚д゚)…。
ええええええ?
定員が埋まる、って、じゃあうちの子はどうすればいいの?
と聞くと、彼女は「特別支援学級だよね」とバッサリ😂
特別支援学校とは
障がい者等が「幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を受けること」と「学習上または生活上の困難を克服し自立が図られること」を目的とした日本の学校である。個別の学校名の末尾が盲学校(もうがっこう)・聾学校(ろうがっこう)・養護学校(ようごがっこう)であるものもあるが、これらも学校教育法における特別支援学校である。
特別支援学級とは
小学校(軽度·中度別のみ)、中学校、義務教育学校、高等学校および中等教育学校に、教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置くことができる学級である。
まあ簡単に言いますと、特別支援学校は知的障害が重く、健常の子供との交わりが厳しい子供が通う感じです。
学校に在籍する子供は全員が障害児です。
一方、特別支援学級はどちらかというと知的障害が軽めの子供が通うイメージ。
普通の小学校・中学校のなかに、障害児(グレーの子も含む)の子だけが在籍するクラスがあります。
知的障害がほぼないが、自閉傾向がある子供はさらに通級といって、普通級に在籍しながら個別的な特別支援教育を受けることもできます。
就学先に手帳の度数が左右する
私のブログを読んでいただいている方ならおわかりだと思いますが、太郎くんなら特別支援学校だよね?と誰もが思うでしょう。
なのにどうして太郎が特別支援学級に行かなければならないかというと。
その時に住んでいた自治体には特別支援学校が少ない。
定員が少ないため、より重度の子供から優先して入学させている。
となると、3度・4度の子は実質的に入学は難しい。
一方で、その自治体では全ての小・中学校に特別支援学級がある。
定員が増えれば学級を増やし、先生も増やせる、と手厚い。
とまあ、こういう事情があったわけです。
全ての小・中学校に特別支援学級がある。
定員が増えれば学級を増やし、先生も増やせる、と手厚い。
だったら、特別支援学級でもいいんじゃない?
と思う方もいるかもしれません。
でも公立小学校の特別支援級って、学校によってクオリティにものすごい差があるんですよね😩
クオリティってなにかというと、
結局は人なんです。人。
校長先生だったり、支援学級の先生だったり。
地域の療育センターに通っていてよかったな、と思うのは、近隣の小学校の情報を事前に知ることができたことです。
まあつまりママ友ネットワークで、知りたい学校の情報が手に入るんですよね。
で、その時住んでいた学区の特別支援学級。
いたって普通。
可もなく不可もなく。
ところが隣の学区の特別支援学級。
校長先生が障害児教育に関して意欲のある方らしく、超やり手で、支援学級にいい先生が揃っている。
よって、この学校の支援級はものすごい人気で、
別の学区から越境して入って来る子供もいたのだとか。
その後越境はNGになったらしいですが(;’∀’)
じゃあその学校行けばいんじゃね?
って思われるかもしれませんが、そう簡単なことじゃないんですよね…。
自閉症児を描いた漫画「光とともに…」はとても有名なので、読んだことがあったり、ドラマで見た、という方もいるのではないでしょうか?
この漫画のなかでも出てきたエピソードなんですが、障害児に理解のあるいい学校だったのに、
校長先生が他校に異動になったら全然変わってしまった、というやつ。
光とともに…。昔はバイブルにしていました。その後メルカリで売っちゃったけど’`,、(‘∀`) ‘`,、
現実世界もまったく同じで、超人気だった隣の学区の小学校も、なんと翌年に校長先生が異動になってしまいました(゚з゚)
そうなるとやはり、障害児教育ではある程度安定したクオリティを提供していただける特別支援学校へなんとしてでも入学したい。
そう思うものの、うちの息子は手帳が3度。
手帳の度数、すごく重要じゃね?
でも手帳は更新したばかり。
もうあと数年したら息子の度数も3度→2度くらいにはなりそうな気もするけど、1年ちょっとでもう小学校入学です。待てない😩
そのこともあって、特別支援学校が充実している都市への引っ越しを考えたんですよね。
結局幼稚園年長のときに引っ越しました。
これが療育手帳の度数を気にするようになったきっかけです。
手帳の度数に関してはまた別途、ブログ記事として書いてみたいと思います(‘ω’)ノ
長文にお付き合いいただきありがとうございました。