大人になっても手放せない!自閉症のこだわりとライナスの毛布

以前、ライナスの毛布について記事を書いたことがありました。

こちら↓

やめさせるべき?発達障害とライナスの毛布

ライナスの毛布というのは、スヌーピーでおなじみの漫画『ピーナッツ』に登場するキャラクターの一人であるライナスが、いつも肌身離さず毛布を持っていることが語源のようです。安心毛布というのが正式名称なんでしょうか。このような、子供がお気に入りのタオルケットやぬいぐるみなどをどこにでも持ち歩き、ボロボロになっても手放さない状況を、心理学では「ブランケット症候群」というらしいです。

前回記事を書いたのはもう3年も前になるんですが、当時、自閉症の息子はお気に入りの帽子を「ライナスの毛布」のように身に着けていましたが、実はこのライナスの帽子。

あの記事を書いた直後に紛失してしまったんです😂

ライナスの帽子、もとい、安心毛布が無くなったらどうなるのか?

大人になった(成人した)現在の、自閉症の息子にとっての安心毛布とは。

今回はその辺りについて記事にしてみようと思います。

 

思春期の反抗心により完成した「ライナスの帽子」

自閉症の子(大人も多分)って、同じ洋服を着たがったり、同じ物を使うことにこだわる人が多くないですか?

洋服の場合は感覚過敏から、決まった素材のもの=着なれたいつもの洋服を着る必要性がある場合もあるかもしれません。

ただ、そうした感覚過敏がなくても、自閉症の人は「変化」に対して苦手意識や不安をもつことから、同じ物を用いたり同じ洋服を着たりすることで、心の安定を図っているのかとも思います。

でもこれ、親としては悩ましいですよね。

心の安定につながるのなら、本人が安心できるのなら…と、同じ物ばかりを買い与えたり、本人が望むままに毎日同じ洋服を着させたりといったことも、親心の一環としてやってしまいがちかと思います。

ただこうした行為が極端な偏食につながったり、また、常に身に着けておかなければ気が済まなくなったり、こだわりがエスカレートしていく原因の一つにもなりかねません。

たとえば、うちの息子の場合ですが、中学生の頃にある特定の帽子に執着するようになってしまい、休日出かける時は常にその帽子を被るか持ち歩くか…という「こだわり」と化してしまいました。

もちろん、最初の頃は、こだわり化させないようにと、違う帽子を被るように進言したり、持ち歩こうとした際に「今日は帽子はいらないよね」と言って、置いてこさせようとしたこともありました。

しかし、この頃、思春期のイライラやモヤモヤが高まってきていた時期でもあったからかもしれません。

親の言う事をきいてくれないんです😂

小学生の頃までは、曲がりなりにも親の意見に従うように、頑張って躾(訓練)してきていたのにな。

思春期のバカバカバカ😂

…とにかくそういうわけで、息子の帽子への執着は次第に高まっていきました。

雨の日でも帽子を被ったり、ついには平日、学校に帽子を被っていくようにもなりました。

これはまずい。

このままでは、もしも、あの帽子が紛失するようなことにでもなったらどうなるか。

発狂するんじゃね?

落ち武者

怖い。

考えるだけで怖い。

これは、そんなことになる前に、なんとか対策しなくては。

…そう考えている矢先に事件は起きたのです。

それは、息子がある行事で遠方に出かけたときのことでした。

その行事にも息子は当然のごとくライナスの帽子を持参していたんですよね。

ところが、帰宅した途端、息子は慌てふためいて荷物をあさり始めたんです。

「ない、ない」と。

 

( ゚д゚)・・・。

 

息子氏、遠方の土地で

ライナスの帽子を紛失😂

もうね、そう簡単には探しに行けない場所に、ですよ。

それ見たことか!

…と思いましたよね。

そして、その時はもう、あのライナスの帽子の代わりになるものなど存在しないことにも気づいていました、私は。

 

「ライナスの帽子」を失くした息子は・・・

ライナスの帽子を失くした息子は、毎日のように「帽子」「帽子」とつぶやいてはガックリ肩を落としていました。

そこで、失くした帽子とほぼ同じ素材・見た目・メーカーの帽子を探して買い与えたのですが、息子の琴線には触れなかったようで、興味を示すことなく「帽子」「帽子」と悲嘆にくれる日々でした。

ところがある日、それまでは見向きもしなかった別の帽子を手に取り、持ち歩くようになったんです。

以降、その帽子がシン・ライナスの帽子となりました😂

シン・ライナスの帽子は新しく購入した帽子ではなく、数年前に「こっちの方がかっこいいよ~」と言って買い与えたもののの、見向きもされずに箪笥の肥やしと化していた帽子でした。

旧ライナスの帽子とは似ても似つかぬ素材・色・デザインだったのもあるんでしょうかね。

持ち歩いてはいたけど、どこかこう、仕方なく、妥協して持ち歩いているようなところはありました。持ち歩いてはいるけど、納得してはいなかったんでしょう。

それでも、彼の中では必ず身に着けておく「ライナスの毛布」の存在が必要だったんでしょうね。

ライナスの帽子を失くした後の息子は、それが原因というよりは思春期の影響もあるんでしょうが、どんどん情緒不安定で荒れ気味になっていました。

 

諸刃の剣でもやっぱり安心「安心毛布」

こんなことになるくらいだったら、やっぱり安心毛布(ライナスの毛布)的なものなど、持たせない方がいいのでは。

最初から持たせなければ、こんなことにならなかったのではないか、とも思いました。

でもやっぱり、そこは、いわゆるブランケット症候群とは違って、ルーツは「自閉症のこだわり」

阻止しようとしても、どうにもこだわってしまうんです😂

こだわらせないようにあれこれ工夫しても、なかなか難しいものがあるんですよね💦💦💦

実際、あの後息子はシン・ライナスの帽子には納得がいってなかったのか、今度は帽子のかわりに本物の毛布(ひざ掛けサイズ)を持ち歩くようになったんです😂

しかしこれは流石に阻止😂

大きすぎて、流石にこれは持ち歩くことを許せないサイズでしたから😂

そこでまず、同じような大きさのタオル生地のものにすり替えて、徐々に大きさを小さくしていって、今はフェイスタオルまでサイズダウンすることが成功🤣

さらに、洗い替えができるように色違い(これ重要!全く同じ色・柄ものにするとこだわりが増すため)を用意。

洗い替えをするために別のタオルを許容させることは大事です。

だってタオルはずっと持ち歩いていると臭くなるんですよ😂

そして、失くした時にも対応できるように、色違い・柄違い・素材違いのものでも許せるように、時々差し替えてみたりしています。

差し替えても、タオルだと自分の匂いが移るからか(頻繁に顔をこすりつけて和んでいるため😂)、あまり抵抗感なく、こちらが用意したタオルをその時点での「ライナスの毛布」として認識し、愛用しています。

これ、毎日洗濯すると多分ダメなのかなと勝手に思ってます(自分の匂いがすることがポイントかと😂)。

これが定着してからは、気のせいか落ち着いてきている気はします。

やはり、ライナスのタオルを持っていると安心感があるようです。

自閉症の人の「こだわり」は、本当に千差万別というか、こだわりがより強い人には、タオルの差し替えなんて断じて許されない…みたいなこともあるかと思います。

また、安心毛布が心の安定にどの程度つながっているのかもよくわかりません。

今回のケースはあくまでもうちの息子の場合、ということで読み流していただけると幸いです😊

 

 

コメントを残す