住宅ローン完済後の抵当権抹消手続きを自分でやってみた
出典:pixabay
こちら☟の記事の最後の方で書きましたが、抵当権抹消手続きを自分でやってみました☆
司法書士に頼むと費用が1~2万円ほどかかるところが、自分で手続きをすると、収入印紙代・交通費・レターパック代のみで、私の場合ですが約3000円で抵当権抹消手続きが完了しました✨
実際にやってみて思うのは、抵当権抹消手続きは拍子抜けするほど簡単でした😝
それなのに、なんとなく「大変そう」というイメージだけで司法書士にお願いするところでした。
FP3級を勉強して、なんでもまずは「自分でやれないか?」と考える癖が付いたことは、本当に良かったと思っています😊
ただし、抵当権抹消手続きの事務作業そのものは簡単ではあるけど、何をどうやればいいのかわからず、インターネットで調べたり、法務局へ問い合わせをしたりして思ったことは、「もっとわかりやすいサイトがあればいいのに」ということ。
そこで、今回私が「自分で抵当権抹消手続きをやろう!」と思い立ってから実際に手続きが完了するまでを、素人目線で記事にしようと思います。
ある日突然銀行から書類一式が送られてきた!
出典:pixabay
我が家の住宅ローンは繰上げ返済をガンガン行っていたことから、ここ1~2年は残債がわずか数万円というところまで減っていたのですが、ローンを組んでいた方が何かとお得ということもあり、あえて完済せずにそのままにしていました。
がっ!
1か月くらい前のことですが、ローンを組んでいる銀行からいきなり書留が届いたんですよ。
何ごと?と思って封を切ってみると、中から出てきたのは「抵当権抹消関係書類送付のご案内」などと書いてある書類一式。
その中には当時住宅ローンを組んだときの契約書が入っていて、この債務は消滅しました☆なんていうハンコが押されているし。
よもやよもやだ( ゚д゚)
知らぬ間に住宅ローンを1円残らず払いきっていました😂
そしてその案内にはこう書かれてありました。
「ご案内到着後1か月程度で、抵当権抹消手続きを実施していただきますようお願い申し上げます」と。
抹消手続きを自分でやる?司法書士に依頼する?
出典:pixabay
案内書には「お客様ご自身で手続きを行う場合」「司法書士に申請を委任する場合」という2つの選択肢が記されていました。
それを読んで私、
え?手続きって自分でできるものなの?
と、新鮮な驚きを感じましたね。
司法書士に依頼すれば簡単だろうけどお金がかかる。
自分でやれば安く済ませられるけどなんだか難しそう。
そこで私はGoogleで「抵当権抹消手続き やってみた」と検索😂
すると、出るわ出るわ。
意外にも抵当権抹消手続きを自分でやってみた方が多くて驚きました。
住宅ローンを完済した際の抵当権抹消手続きは手続きが単純なことから、素人の私でも簡単にできそうだということがわかり、自分でやってみることに決めました🖐️
抵当権抹消手続きを自分でやる際の手順
出典:pixabay
抵当権抹消手続きは確定申告のe-TAXのようにオンラインでもできるようですが、素人にはハードルが高そうなので、私はアナログで書類を揃えて法務局へ持参する方法を選びました😅
自分でやる場合のざっくりとした手順ですが、
法務局のWEBサイトから申請書類をダウンロードして申請書を作成、
収入印紙を台紙に貼付け、
その他の必要書類を揃えて申請書に添付して法務局に提出。
と、いたってシンプルなものでした。
申請書もA4用紙1枚だけ、しかもWordで作成できるので手書きは不要、必要書類は全て銀行から届いている、とまあ、至れり尽くせり。
時間的にもサクッとできそうな感じはします😊
その一方で、何度も法務局に足を運びたくないため、申請する際は書類を完璧にそろえておきたいという気持ちがあり、提出時には疑問点をすべて解消するためにはどんな手順で行えばいいか?ということを第一に考えました。
申請する手順について
①金融機関から書類を受け取る
②最新の登記事項証明書を取得
③提出書類を揃える
④申請書の作成について法務局に相談
⑤申請書を作成する
⑥申請書および書類一式を提出(相談)
⑦登記完了証の受取(郵送可)
⑧抵当権抹消を登記簿で確認
①金融機関から書類を受け取る
申請する際の添付書類である「登記識別情報」「登記原因証明情報」「代理権限証明情報」の3つは銀行から送られてきます。私の場合は、「登記原因証明情報」は「(根)抵当権解除証書」、「代理権限証明情報」は「委任状」という名前の書類が入っていました。届いた書類の名称が違う場合、申請の際に使える書類なのか悩みますが、こうした疑問点は事前に法務局に確認しておきましょう。
②最新の登記事項証明書を取得
登記事項証明書は「所有者の住所」を確認するために使います。(申請書の「権利者」の住所氏名は登記事項証明書と内容が一致している必要があるため、申請書作成の際に登記事項証明書を使います)
マンションや一戸建てを購入する際、契約の段階では所有者の住所が以前住んでいた住居である場合が多いと思います。もし登記事項証明書の所有者の住所が現住所と異なる場合、抵当権抹消手続きの前に住所変更を行う必要があります。(住所変更と抵当権抹消手続きは同時にできるそうです。詳しくは法務局へご確認ください)また、稀かもしれませんが、所有者の氏名が変更になっている場合もあるかもしれません。(結婚の際に籍を入れる前に夫婦共有名義で家を買った場合など)この場合も抹消手続きの前に氏名の変更が必要となります。(氏名変更についても法務局へご相談ください)
また、申請書を作成する際、「不動産の表示」の部分も登記事項証明書のとおりに記載する必要があります。
ちなみに私の場合ですが、銀行から届いた書類の中に契約当時の登記事項証明書が入っていて、所有者の欄の住所氏名が確認できたため、新たに登記事項証明書を取得することはしていません。
③提出書類を揃える
法務局のWEBサイトから申請書と記載例(書き方見本)をダウンロードし、収入印紙貼付け用の台紙(自作します)、収入印紙、銀行から送られてきた書類一式、認印用の印鑑を揃えます。
④申請書の作成について法務局に相談
「さっぱりわからない!自信がない!」という方は、管轄の法務局で対面の登記手続き相談を予約されることをおすすめします。管轄の法務局というのは、住所(抹消手続きをする不動産の住所)の管轄の法務局です。管轄の法務局に「住宅ローンが完済したので抵当権抹消手続きを自分でやろうと思う。登記手続き相談の予約がしたい」と電話予約をしてください。予約をしないで窓口に行っても、書類の作成については相談にのってはもらえません。
「だいたいはわかるけど、細かい部分が不安」という方は、疑問点を箇条書きにして手元に用意したうえで、法務局の登記手続き案内(相談窓口)に電話をしてみましょう🖐️
電話番号は以下のとおりです。
電話相談も予約制と書いていますが、私が電話したときはその場で職員さんが丁寧に質問に答えてくれて、その場で疑問のすべてが解決しました☆
ちなみに私が電話で相談した内容はQ&Aとして後ほど記載しますね。
私は電話で疑問解消となったため、この後すぐに申請書の作成に取り掛かりました。もう疑問点もなかったので、申請書類一式を法務局に持参せずとも、郵送で送ることもできるかも⁉と思いましたが、やはり少し不安もあったため、書類は管轄の法務局まで持参することにしました。
⑤申請書を作成する
作成方法については後述しますね🖐️
私はWordの書式をダウンロードし、パソコンで作成、印刷して捺印しました。
この際あわせて収入印紙貼付け用台紙も作成(というほど大げさなものではありませんが😅)しました。
⑥申請書および書類一式を提出(相談)
管轄の法務局まで書類一式を持参、窓口に提出しました。提出だけなら予約は不要です。
私は自宅にあった封筒に封をせずに必要書類をざっくりと入れ、念のため銀行から送られてきた他の書類もすべて持参しました。(万が一住所変更が必要になった場合用に住民票も持参しました。不要でしたが😅)それと、申請書に押した印鑑も持参しました。
「相談予約をしない場合は提出のみとなるため、書類の不備はその場では確認してもらえない」というのが前提のようですが、私の書類を受け付けてくださった職員さんは、書類を受け取る際にざっくりと確認をしていただき、その際に「申請書に捨て印を押す」「委任状の記載もれ」の2点のみ指摘してくださり、私はその場で捺印、記載をして提出しました。印鑑を持って行っていてよかったです!持っていなかったら書類一式お持ち帰りの刑になるところでした😂
また、書類を提出した際に「受領証(登記完了証を引き取りに行く際に必要)」を受け取るのですが、登記完了証は法務局まで取りに来るもよし、郵送でもよし、とのことでしたので、私は郵送を選択。
郵送する場合はレターパックに届け先の住所を記載して持ってきてください、と言われたため、すぐその場で別フロアにまでレターパックを購入しに行き、住所氏名を書き込んで窓口に提出、無事に受領証をいただきました😊
その際、「不備があった場合は〇日の〇時までに連絡します」と言われ、不備があった場合は修正するために法務局へ再訪しなければならないわけですが、電話よ、かかってくるな!と強く念じていたのでかかってきませんでした🤣
⑦登記完了証の受取(郵送可)
郵送を選んだ場合は自宅に届きます。私は申請してから1週間後に届きました!
法務局へ取りに行く場合は、受領証に受取可能な日時が記載されているので確認してください。
登記完了証は同じものが2枚渡されますが、金融機関によっては1枚を提出するように促されることがあります。
うちの場合は提出不要だったのでそのまま2枚とも自宅に保管しています。
⑧抵当権抹消を登記事項証明書で確認
登記完了証を受け取った後、抵当権が抹消されているかどうかは登記事項証明書を取得して確認できます。
登記事項証明書を取得する際ですが、現住所では請求できないのでご注意ください(=゚ω゚)ノ
(請求には地番が必要です。地番がわからない場合、土地の地番は法務局の窓口で調べてもらうことはできますが、建物の方は調べらないと断られました…。←丸裸で登記事項証明書を取得しに行った私の失敗談🤣)
費用
〇登記事項証明書発行手数料(窓口の場合1通600円)
抹消手続き前後で2回発行した場合は1200円。
〇収入印紙(不動産1つにつき1000円)
一戸建ての場合は土地+建物で2000円
〇交通費、郵送料金
法務局までの交通費や、書類を郵送した場合の郵送料、登記完了証を送ってもらう場合の郵送料
準備するもの(書類など)
〇抵当権抹消登録申請書
法務局WEBサイトよりダウンロード可能。
〇収入印紙
A4のコピー用紙に「収入印紙貼付台紙」と記載し、収入印紙を貼りつけておく。
〇登記識別情報
銀行から送られてくるもの。一戸建ての場合は土地と建物で2枚。そのまま提出。
〇登記原因証明情報
銀行から送られてくるもの。申請書作成の際にこの用紙の情報を使います。そのまま提出。
〇会社法人等番号
→抵当権抹消登録申請書に番号を記載する場合は添付書類は不要
〇代理権限証明情報(委任状)
銀行から送られてくるもの。銀行によって書式やタイトルなどは異なるかと思います。赤い囲みの部分に私の住所と氏名を記載する必要があったものの、自分で勝手に何かをするのは怖かったので、一切未記入のまま法務局へ持参。窓口で記入するように指摘され、その場で記入しました。
〇印鑑(認印でOK)
申請書への捺印、捨て印、収入印紙貼付台紙との間の割印用。
法務局へ書類を持参する場合は何かあったとき用に持参するが吉。
この他に、住所変更や氏名変更をする場合は以下も。
〇住民票
〇戸籍謄本
申請書提出or書類作成相談に行く際の持ち物
□申請書類一式
□書類返送封筒(レターパック)を購入するための料金
□印鑑(申請書作成時に押したものと同じ印鑑)
□関係書類(銀行から送られてきたもの、登記の内容がわかるものなど)
申請書の作成方法
出典:pixabay
①申請書をダウンロードする
ダウンロードはこちらのサイトから☟
不動産登記の申請書様式について:法務局 (moj.go.jp)
私はWordで作成したいので書類そのものはWord、記載例はPDFをダウンロードしました。
記載例は印刷して、書類を作成する際に参考にするものです。
②申請書を作成する
作成の際には、法務局WEBサイトの「記載例」に<解説及び注意事項等>という用紙に、各項目について詳しい解説が載っているので、そちらを確認しながら記載してください🖐️
①登記の目的
「抵当権抹消(順位番号後記のとおり)」とします
※フォーマットにあらかじめ入っている内容そのままでした
②原因
銀行から送られてきた「登記原因証明情報」で抵当権が消滅した日と原因を確認し、年月日と原因を記載します。
私の場合は「令和○○年○月○日 解除」でしたので、年月日の後ろに「解除」と入力しています。
③権利者
現在の所有者の住所及び氏名を記載します。
※この際、登記事項証明書に記載されている所有者の氏名・住所と一致している必要があります
登記事項証明書の所有者の氏名・住所を見ながら記載してください。
ちなみに共有名義の場合は連名で記載します。
④義務者
銀行から送られてきた「登記原因証明情報」に記載されている抵当権者(うちの場合は銀行)の住所・社名・役職・代表者氏名・会社法人等番号を記載してください。※会社法人等番号の記載をお忘れなく!
⑤添付情報
添付する書類の一覧。
私の場合は「登記識別情報」「登記原因証明情報」「代理権限証明情報」の3つです。
「会社法人等番号」という書類は、④義務者の欄に会社法人等番号を記載することで添付不要となります。
※うちの場合、銀行からは「会社法人等番号」の書類は送られてこなかったため添付できませんでした
⑥登記識別情報(又は登記済証)を提供することができない理由
冬季識別情報または登記済証を提供することができない場合に限り、その理由に該当する□にレ点を入れます。
私は提供できるのでここはノーチェックでした。
⑦申請日
申請日の年月日を記載します。
⑧申請先
申請する管轄の法務局を記載します。
⑨申請人兼義務者代理人
申請人の住所・氏名・連絡先電話番号を記載し、印鑑を押します。
申請書類に不備があった場合はここに記載した電話番号に連絡がきます。
⑩登録免許税
貼り付けた収入印紙の額を記載します。
不動産1つにつき1000円で、一戸建ての場合は土地1000円、建物1000円、合計2000円です。
⑪不動産の表示
登記事項証明書に記録(記載)されているとおりに正確に記載してください。
一戸建ての場合は土地と建物の両方記載が必要となります。
⑫捨て印
提出の際に捨て印が必要と言われたので、このあたりに捨て印を押しました。
これは管轄の局によっては不要だったり場所が違ったりする可能性もあるので、
提出の際に捨て印が必要かどうかは管轄の局もしくは法務局の相談窓口に質問してください。
③収入印紙貼付け台紙を作成する
A4のコピー用紙などに「収入印紙貼付台紙」と書いて、収入印紙を貼ります。
1枚目に申請書、2枚目に収入印紙貼付台紙を重ねて左端をホッチキス止めし、1枚目を開いた状態で写真のようにホッチキスの結合部分に割印を押します。
住所変更が必要な場合
ちなみに、所有者の住所が現住所と違った場合は、参考までにこちら☟もチェック。
私自身は住所変更はやっていないので詳しくありません😅
詳しくは法務局の電話相談等で確認してみてください。
Q&A
最後に、抵当権抹消の手続き全般において私が疑問に思ったことをQ&A方式でまとめてみました🖐️
□法務局へ書類を持参した方がいいの?郵送ではダメ?
郵送でもOKです。登記完了証も郵送して欲しい場合は、住所氏名を記載した返信用レターパックも同封し、その旨を記載する必要があります。
□法務局の書類作成相談(要予約)は必要か?
相談は必ずしも必要ではありません。不安な場合は電話相談、対面での相談も可能です。修正のために何度も行きたくないと思う方は、対面での書類作成相談を予約するといいと思います。
ちなみに私は電話で相談しましたが、共有名義の扱いについての疑問や、所有者住所が旧住所になっているのでは?と思い、登記事項証明書を片手に記録されている内容を読み上げつつ確認していただきました。この電話でいくつもの疑問が解決し、かなり助かりました!
□共有名義の場合、申請者以外の名義人の委任状は必要?申請は誰がするべき?
不要です。申請は名義人のうちの1人のみでOK。名義人であれば誰でもかまいません。
□申請書は土地・建物で1枚ずつ必要?
土地・建物あわせて1枚でOK。
□申請前に登記事項証明書を取る必要がある?
すでに自宅に最新と思われる登記事項証明書があれば取る必要はありません。
心配な場合は取っておいた方が確実です。
□申請書はパソコンでの作成は可能?署名は手書き?
Wordファイルで作成したものを印刷して申請できます。署名も手書きである必要はありません。すべてWordで入力してOKです。
□認印は三文判でもOK?共有名義の場合は?
三文判でOKです。(シャチハタはOKかどうか未確認)
不動産の契約時に使ったハンコと同じである必要はありません。
その辺にある認印で大丈夫です。
共有名義の場合も申請人の部分に1か所だけ、申請人名義の認印を押せばOKです。
□抵当権抹消には抵当権と根抵当権とあるけどどっち?
住宅ローンを完済した場合は一般的には「抵当権」になると思いますが、わからない場合は取引先の金融機関や法務局相談窓口に確認してください。うちの場合は「抵当権」でした。(銀行からは何故か「根抵当権」というタイトルの書類が届きましたが😅)
こんにちは
今年の夏に家を購入して、現在物を運んでいます。
4月には移行完了を目指しています。
住所が変わるので登記簿の変更をしに法務局へGO!
サナさんのブログ読んでいて思い出したよ、しっかり忘れないようにメモ!
4月にお引越しですか!新居うらやましいです~(^v^)
そうなんですよね、住所が変わると住民票は変更をしないと諸々問題が出るため間違いなくやりますが、登記簿上の所有者の住所変更はやらなくても当面問題ないので忘れる方が多いそうです。
抵当権抹消や売却の際は住所変更が必要となるので、引っ越しの際にやっておくことをおすすめします(=゚ω゚)ノ