”お口の多動”で家族は疲弊する

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自閉症の長男・太郎は診断こそされていませんがADHDでもあるのかなと思っています。

ADHDとは?|知って向き合うADHD【教育関係者向け】|シオノギ製薬(塩野義製薬) (adhd-info.jp)

 

多動性・衝動性が強く育てづらかった幼少期

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現在高校1年生の息子・太郎は2歳のときに広汎性発達障害と診断されました。

正式に診断されたのはこのとき1回きりでしたが、言葉がまったく話せず、明らかに知的障害もあると判断されたこともあり、療育手帳が交付され、それ以降は支援のレールに乗って現在もたくさんの公的支援を受けながら生活しています。

公的支援を受けるためには、療育手帳がある=知的障害があるということさえ明確になっていれば、それだけでいいんですよね。

発達障害であるとか、自閉症であるとか、ADHDであるとか、そういったことがわかっていれば、その子をバックアップする支援者や両親がどのように接すればいいかという指針になるため、発達検査をすることは有効だとは思います。

ただそれでも自閉症と診断された子が、あらためてADHDであるかどうかを診断することは、さして重要とはとられていないんでしょうね。

というのも結局のところ発達障害は薬や手術などで治せるものではなく、その子の特性にあわせた対症療法をやっていくしかないんです。

そういう意味で、問題行動の原因が自閉症かADHDかということを突き詰める必要などないんです。

突き詰めようが突き詰めまいが、結局やることは同じなんですから。

いずれにせよ、太郎の特性の一つひとつをはっきりさせて、それに対する対応方法を考えていく、というアプローチになるわけで。

ですから、うちの太郎はADHDでもあるんじゃないでしょうか?と主治医に何度かたずねたこともありますが、「そうかもしれませんね」とは言われても「それでは検査をしてみましょう」という流れにはならないんです。

 

自閉症の息子。今さらADHDの診断って必要?

 

すでに抗精神病薬も処方されていますし、今更ADHDかどうかをはっきりさせることは何の意味もないんですから。

とはいえ私は太郎はおそらくADHDなんだろうと、幼い頃から密かに思っていたんですよね😅

 

乳児期(〜1歳)

泣くことが頻繁で、なだめることが難しく、歩き出す頃には過剰な運動行動がみられます。また、疲れて眠くなっても眠ろうとしなかったり、朝食・昼食・夕食を規則正しい時間帯でとることが難しくなります。

幼児期(1〜6歳)

この頃には、じっとしていられず、落ち着きがなく、言うことを聞かず、破壊的な遊びを好むなどがみられるようになります。我慢ができないために、癇癪を起こすこともあり、言葉の軽い遅れや、排泄の自立が遅れるなどもみられます。

出典:子供の ADHD 注意欠陥 多動性障害とは?|星みつる式 家庭療育 DVD (star-ship.co.jp)

 

実際にADHDと診断される子は太郎のような重度知的障害ではなく、知的に遅れが無い、もしくは軽度知的障害の子が多いのか、どのWEBサイトを見ても言葉が話せることが前提で書かれており、その点に関しては太郎は当てはまらないんですけども。

赤ちゃん期が終わり、歩くようになると片時もじっとしていることができず、家の中でも常に走り回り、物を投げる、壊す、破る。外に出ると一目散に消えていくような子で、それこそ縄で括りつけていないと道路に飛び出して死ぬか、行方不明になるか、といった状態でした。

言語発達遅滞もあり、幼児期は意味のある言葉を発することもできず、こちらの言うことも理解できないのか、まったく指示に従うことができずに、破壊的な遊びを好んでやっていましたね。うちの家にあるものはどれもボロボロでした。

あの頃は私、自分の子供なのにまるで悪魔のような子だと本気で思っていたし、このままこの状況が一生続くなら死んでしまった方がマシだと思っていました。

 

目が覚めてから寝るまで常にしゃべりっぱなしで気が狂いそう!

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けれど、そうした多動や問題行動も、2歳の頃から始めた療育や特別支援教育のおかげで、徐々におさまってきたのです。

小学校高学年になる頃には破壊的な行動も減り、走り回ってどこかに消えるというような衝動性は随分と弱まり、席に座っていることもできるようになりました。体をゆすったり手足を伸ばしたりじっとはしていられない&姿勢は最悪ですが😌

(現在多動は薄まっていますが残っています。基本的に1日中室内にいるとストレスが溜まります。外では急に走り出すこともあります。家の中では走り回ることは少なくなったものの、歩き回ることはやめられません。注意散漫で家の中であっちこっちうろうろ、冷蔵庫を何度も開け閉めしたり、日常的に落ち着きがない状態ではあります)

もちろん、不注意や多動、衝動性が完全に無くなることはないのですが、幼児期に比べるとすっかり扱いやすくなったというか、明らかに問題行動は減っていったんです。

幼児期のような荒れた日々とはサヨナラできたかな、と思っていました。

がっ!

今でも日常的に悩まされている「多動」があるんですよね(‘A`)

それは”お口の多動”なのです。

太郎は朝起きてから寝るまでのあいだ、常にしゃべり続けています。

●お口の多動

どうして上手くいかないかとSくんに聞くと、おしゃべりで人の話を聞かないからだと言います。授業中もよくしゃべるようで、人の迷惑になっていると自覚しています。こういう姿には、AD/HDの特徴が現れています。「お口の多動」という状態です。衝動性の強いAD/HDの子の中には、思ったことを黙っていられない子がいます。「発語の自己コントロールができない」と表現されたりします。
最近の沈んだ姿には、「感情のコントロール力が弱い」という、AD/HDの特徴も現れていると感じます。高ぶったり落ち込んだりと、あたかもエレベーターに乗っているかのように、短時間で変化します。

出典;ADHDへの理解と対応1 (hattatsu.or.jp)

太郎の場合、言語発達遅滞があるので、いわゆる「お口の多動」とはちょっと違うかもしれません。

太郎の言語発達レベルは2歳児以下かとも思われるので😅

太郎は高校1年生ですが、学校で起きた出来事を家で私に報告することができません。質問しても答えることができません。

じゃあ、太郎は1日中何をしゃべる続けているのかというと、

エコラリア

自分の興味のあることに関する質問

の2点ですね😌

 

エコラリアとは

自閉症の特徴の一つで、例えば、母親から「晩御飯に何を食べたい?」ときかれた子が「晩御飯に何を食べたい?」とオウム返しに答えることを即時エコラリアという。

これに対し、自閉症の児童がテレビCMの気に入ったフレーズや親からの叱責の言葉などを、時間が経ってからも状況に関わらず繰り返し話すことを遅延エコラリアという。

 

エコラリアについては過去の記事も参考までに(‘ω’)ノ

息子のエコラリアがもたらす騒音問題

太郎ときたら、エコラリア&質問を、それこそ寝ている時間以外はずっと(ご飯を食べているときも)喋り続けているんです(‘A`)

エコラリアの方はまだマシなんですよね。

もうさすがに慣れてきたのもあって、聞き流せるようになっていますから。

問題は質問の方。

「週末〇〇行く?」みたいなことを聞いてくるんですが、「行く」と答えても30秒後には「週末〇〇行く?」と(‘A`)

これがもう、小一時間、いや、エンドレスに続くんです。

「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」「週末〇〇行く?」

 

気が狂うわ😂

これが始まると次男も苛々し始めます。

ちょっとするとまた別の質問が始まるんですが、もちろん答えたところで質問コーナーが終了することはありません😌

というか、答えないと怒るので、質問されるたびに同じことを答えなきゃならないのがもう、辛くて辛くて😂

そして声量がまたすごい😌

テレビを観ていてもおかまいなしに喋り続けるので、テレビの音量をかなり大きくしないと聞こえなくなるんです。

そうするとまた次男が苛々してきて(‘A`)

1日中こんな感じなので、家族は疲弊しきっています😑

 

解決策は未だ見つからず。ただテレビの音量を上げるのみ。

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お口の多動は言い聞かせても止むことはありません。

公共交通機関でも話し続けることもあり、「迷惑だよ」と言ったところで意味がわからないので止まりません😂

まさにADHD診断のチェック項目にある

まるでエンジンで動かされるように行動する

といった感じで、エンジンが動く限りは喋ることが止められないような感じです。

本人の意思で止めることができないようです😌

このお口の多動は、ストレスのたまり具合で多くも少なくもなります。

ストレスが多いと、お喋りが止まる時間がほぼないのですが、情緒が安定していてストレスが少ないときは静かにしている時間も(長く継続しないものの)あるのです。

解決策としては、ストレスをなるべく溜めさせないように生活するしかないんですが、それもなかなか難しい😂

学校の授業中はさすがに数十分エンドレスで話し続けてはいないようなので、喋ることを我慢することはできるんでしょうが、学校で我慢している分、自宅では喋りたい放題です😂

 

なかなか効果的な対策もなく、テレビの音量を上げるくらいしかできることはありません😌

 

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”お口の多動”で家族は疲弊する” に対して10件のコメントがあります。

  1. はな より:

    アメブロの時のはなです。

    結局は、診断名より他者の影響を考える事なんですよね。
    行動の多動からお口の多動は、年齢の変化ですし、お口の多動は、いわゆる大人の発達障害って言われる人の困り事の1つがお口の多動ですから。

    空気読めなくて、お口の多動は、本当に厄介です。
    思った事をそのままを発する言葉は、本当に言葉は凶器って思ってしまう様な事もありますからね。

    1. 稲倉サナ より:

      はなさん、いつもブログを拝見して参考にさせていただいてます(*’ω’*)
      お口の多動は厄介ですね(;’∀’)
      言葉は十分凶器になり得るので、あきらめずに矯正していきたいと思っています。
      というか、このままの状態だと家族でも辛いので( ;∀;)

  2. べんじゃみん より:

    2歳3ヶ月の息子がいます。言葉は遅れていると専門の先生に言われており支援教室に通っています。
    ずっと、返事をするまで「ママーママー」が続き、物の名前を私が答えるまで指を指し「あー(これ何ってことだと理解しています)」と言い続けます。
    安心感を得られたいとは納得です。
    ただ、外でもコレをやられるので、そろそろ年齢的に恥ずかしいのです…。

    1. 稲倉サナ より:

      そうなんですよね。うちの太郎の場合は答えても同じことを繰り返し質問してくるのですが、自分を安心させて欲しくて、繰り返し同じことを聞いてくる感じです。
      外で大きな声でやられるとゲッソリしますね(゚з゚)
      そしてうちの場合ですが、夫と私と2人いたとしても、私にばかり「おかあさんおかあさん」と声をかけてくるので疲れます(;’∀’)
      言葉が出なかった時のことを思うと、質問ができることは素晴らしいと思うんですけどね。

  3. おばさん猫 より:

    ご無沙汰しております(^_^;)。
    やっと携帯を見る余裕が出来たので
    書き込ませて頂いております。

    お口の多動は厄介みたいですね。
    息子の作業療法士に泣き付いたら
    「動きの多動はある程度年齢を
    重ねると落ち着いたりするけれど、
    お口の多動は落ち着かないよね( ̄▽ ̄;)」
    と、はっきりズバリ言われたのを
    ガッカリしたので覚えています。

    動きの多動は命に関わる事も
    ありますから、これもとっても
    心配ですが、お口の多動は
    まわりの人の精神を崩壊させますね。
    言葉が出始めた頃は、それが
    とても嬉しくて堪らなかったのに
    今は苦痛を伴うと言う(^◇^;)。

    とても共感出来たので
    思わずコメントしてしまいました。

    1. 稲倉サナ より:

      そうなんですよ!体の多動は随分マシになってくるのでいいのですが、お口の多動はなかなか・・・(´・ω・`)
      とりあえずはストレスのない日々を心がけています。

    2. cosflo より:

      当事者ではない私がコメントをするのは良いことなのか分かりませんが、コメントさせてください。
      子どもたちと一緒にいて、遅延エコラリアの子が話している言葉のチョイスがあまりにもグッドなので、いつも気にして聞いています。たまにその歌の歌詞やその言葉を私も言ってみたりすると、その子がこちらを向いてくれます。そしてこの間からは、その場にあった言葉を少しだけ話してくれるようになりました。一言ですが。何だか嬉しかったです。何度も確認発言をする子には、すごいね、そんなにいろいろなことを知っているの?(その時には自分が乗る車の車種についてずっと確認していました。)と言ったら、少し黙ってくれました。私も妹が小さい頃、何か言ったら(大体宇宙語)、繰り返して言ってみました。そういうのって言葉そのものの意味というよりも、何かを共有することが出来た、という気持ちなのかな?と思っています。サナさんもさんざん実践されていることでしょうけれど、最近私も昔を思い出したりして、実践してそんなことが起きました。太郎くんが穏やかに過ごせるといいです。

      1. 稲倉サナ より:

        エコラリアの言葉のチョイスがGOODというのは私も感じています(笑)
        歌うようにリズムをつけて話していたりもして。
        そういうのもあってエコラリアの方は意外と気にならなかったりもするんですよね。
        太郎のエコラリアは息を吐くのと同じように、半分無意識でやっていることもあるようで、私がエコラリアの真似をするとハッとして謝ったりします(;’∀’)
        太郎の独り言は声が大きいのもあって、どうしても静かにしてほしい場面も出てくるので、「静かに」と注意することもあるんですよね。
        (公共の乗り物の中などは特に)
        なので、エコラリアをしていることを指摘すると(真似をしたりすることも指摘のうちの一つですね)バツの悪そうな顔になるんですよね。
        ただ注意したり指摘したりしてもエコラリアが止まることはありません(;’∀’)
        かえって酷くなることもあるので、よほどうるさくなければ放っています。
        エコラリアはいいんですけどね、質問の方ですよね、頭が痛いと思うのは。
        質問に対して何も答えないと怒り出すので、無視することもできずにずっと返事をして付き合い続けなければいけなくて、本当に疲れます。
        ただこれもストレスが溜まっていない穏やかな日にはあまり質問もしてこないので、情緒を安定させることが大切なんだなぁと感じる日々です。

  4. こー より:

    こんにちは
    エコラリア奥が深いですね。
    介護をしていたとき同じことを何度も何度も聞きに来るお客様が居ましたが、それとはまた違った感じなんでしょうね。
    好きなことに興味を向けるといことではその場しのぎにしかならないんでしょうか?
    不安、ストレス取り除くて難しいよね、次郎くんも上手くストレス発散しないといけませんね。
    難しい年頃だしね。

    1. 稲倉サナ より:

      同じことを何度もたずねてくるのは安心感を得られたいからかな?とは思います。
      ストレスが溜まっているときは好きな事に興味が向かないんですよね(‘A`)
      ストレスが溜まらないようにすることが本人にとっても周りにとってもベストだと思うので、学校の先生や主治医とも相談しつつ、コントロールしていければと思っています。

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