重度知的障害児がコツコツ勉強を続けて身に着けたこととは?

出典:イラストAC

毎度ながら長かったわ~夏休み😂😂😂

新学期が始まる日を、首を長~くしながら待ち望んでいました。

重度知的障害をあわせもつ自閉症の長男・太郎は現在高校2年生ですが、いわゆる”夏休みの宿題”的なものは皆無に等しく、太郎本人にとっては夏休みはさぞかしパラダイスだったと思います🤣

しかし

何もせずにキリギリスのような生活を送っていては、学校が始まってからギャップに苦しむに違いない…と思い、夏休みも毎日自主学習をやらせることにしたんです。

とはいっても、プリント数枚程度ですが😅

 

漢字と計算は日常的に使わないと忘れてしまう!

出典:pixabay

以前こちら☟のブログにも書きましたが、太郎は重度知的障害児ではありますが勉強はできる方だと思います。

サヴァン症候群とは違うけど勉強のできる重度知的障害児

まあ、「できる」とは言っても軽度知的障害の子と比べると「なんだその程度?」と思われるかもしれませんが😅

というのも、ある程度のレベルまでできるようになったら、その先は積極的に習得することはやめたんですよね。

だって重度知的障害のある太郎は完全に自立することは難しく、誰かの支援を受けながら、無理のない範囲で働く…そんな将来が待っているわけです。

学力の高さは求められていません。

それよりも「生活自立」が優先となります。

知的障害の子が最低限身に着けておきたい学力とは?

 

”生活を送るうえで困らない程度の知識”があればいいということで、漢字は小学生レベルの読み書き、算数もお金の計算や時計(時間)を理解することを中心に家庭学習を進めてきました。

その結果、現在は小学校3年生くらいまでの漢字の読み書きはほぼマスターし、普段の生活で目にする漢字(地名、駅名、食品などの固有名詞など)に関しては難読漢字でも読めるようにはなっています。

ちなみに食品は「納豆」「麻婆豆腐」などは読めますね😝

先日母から宅急便が送られてきたんですが、段ボール箱に「甘納豆」と書いてあるのを見た太郎が「なっとう!?」と叫んでいました🤣

(「おばあちゃんが果物を送ってくれたよ」と言っていたので、「なんで納豆?」と思ったようです🤣)

計算は繰り上がりのある足し算・引き算はそれぞれ3桁くらいまでならできます(ひっ算ですが)。

掛け算も2桁くらいまではできるようになっていましたが、普段の生活であまり使わないので最近は退化していると思います😅

まあ、九九は完全にマスターしているし、500円×2=1000円のような感じで、お金の単純な計算であればできるようになっているので、これ以上のレベルは求めなくてもいいかなと。

 

夏休みの自主学習として漢字&計算プリントを用意

出典:pixabay

とまあ、生活するのに困らない程度の漢字や計算力を身に着けた太郎ですが、それでも日常的に使わないでいると退化していくものでは?と心配になるんですよね。

重度知的障害の息子の学習レベルはどのくらい?

 

ちなみに学校からは夏休みだけでなく、普段も学習系の宿題は全く出てきません😅

学力をキープしたいと思うのであれば、家庭での自主学習が欠かせないと思っています。

継続は力なり。知的障害児の家庭学習

 

ということで、夏休みもインターネットの無料サイトからダウンロードしたプリントを使って自主学習に取り組みました。

計算は以前ブログでも紹介したこちら☟

算数の計算問題を自動作成[小学生向け計算ドリル用]

算数の計算問題 自動作成 [ 計算ドリル用 ] (shoshinsha.com)より転載

こちらは自分の好きなように四則計算のプリントをカスタマイズできるサイトです。

 

そして漢字はこちら☟

無料で使える小学生の漢字プリント

小学生の漢字プリント1006 シンプルな漢字テスト・プリントをまとめて無料ダウンロードできます。 (kanji1006.com)より転載

この手の無料サイトで提供されている漢字プリントはA4横で問題数が少ないものが多いのですが、このサイトはA4横(問題数8問)A4縦(問題数16問)と選べる点もポイントが高いです✨

 

というわけで、今年の夏休みも無料サイトのプリントを使い、以下のラインナップで学習に取り組みました🖐️

・繰り上がり繰り下がり有りの3桁までのひっ算(足し算・引き算)

・九九

・お金の計算

・小学生3年生の漢字

 

お金の計算プリントはこちら☟の記事で紹介しています。

知的障害児の家庭学習<お買い物ごっこ>

 

一人でもくもくと勉強していると思ったら・・・

出典:pixabay

ところで太郎が学習プリントを取り組む際、私が常に横に座り、わからない箇所を教えてあげなくてはなりません。

というのも、太郎は失敗を極端に恐れる男😂

プリントを取り組む際も、1か所でも間違えたくないんですよね😅

それでわからない箇所が出てくると都度私を呼ぶわけです。

太郎が勉強を始めると、私は家事の手を止めなければいけないので大変です。

しかし

今年の太郎は違った。

私を呼ばずに、もくもくと一人で取り組んでいるではないですか( ゚д゚)

全部やり終えた後にプリントを見てみると、ちゃんと全部埋めているし、答えも合っている!

成長したなあ😭

私の頭の中で24時間テレビのサライが流れてきましたよね😂

ヨシ、この勢いなら苦手な引き算のプリントも今ならスイスイいけるかも⁉

…ということで、繰り下がり有り3桁-2桁のプリントを太郎に与え、私はキッチンで家事をしていたのですが。

リビングの机でしばしプリントを眺めていた太郎、急に席を立って自分の部屋へと消えていきました。

どうした?

と思いつつも、私は家事に没頭していたので特に声をかけたりもしなかったのですが。

気がついたら太郎はリビングの席に戻って再びプリントに取り組んでいました。

えらいぞ太郎😝

って、

…あれ?

やけに軽快なリズムで問題を解いている…と思ったら。

 

しぇー

電卓使ってるし😂

太郎は感心するほど手際よく電卓を使い、ものの数分でプリントをやり終えていました🤪

 

IQが低くても生活力の高さを感じる

出典:pixabay

そしてよくよく考えると、最近の太郎は漢字プリントを取り組む際、わざわざニンテンドー3DSを持参していたんですよね。

普段太郎はニンテンドー3DSで曲を聴いたりYouTubeを見たりしているんですが、その時もイヤホンを付けて3DSを持ってきていたので、曲を聴きながら漢字をやるのか?なんて眉をひそめていたのですが…。

なんとなく気になって、3DS片手に漢字プリントに取り組んでいる太郎の手元を覗きこんだら…。

 

しぇー

3DSで漢字の予測変換機能使ってるし😂

 

なんと太郎、3DSのYahoo!検索で漢字プリントの問題を打ち込んでいたんです🤣

ええ、ええ、気持ちはわかるよ、太郎。

私も学校の書類を書く時に「あれ?あの漢字なんだっけ?」ってなったら、スマホの予測変換機能使うもん😂

 

いや、びっくりしましたね😂

こんなやり方、誰も教えてあげたことなんかないんですよ。

電卓といい、いや、そもそも電子機器の使い方だって教えた事は一度もないのに、いとも簡単に使いこなせるんですから。

重度知的障害児、恐るべし(゚з゚)

前々から感じていたけど、太郎は生活力高いと思う🤣

3DSを使って漢字を調べるのは辞書を使うのと同じことだし、しばらくはこのやり方も許可して、なんなら次は小学校4年生の漢字にステップアップしようかな?と考え中です😅

 

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重度知的障害児がコツコツ勉強を続けて身に着けたこととは?” に対して10件のコメントがあります。

  1. にゃんこ より:

    太郎くん、学習能力高めですよね。
    うちの次男はIQ60ですが、もう少し出来ない印象です。
    電卓や、PCの漢字変換をやっている姿を見ると未だに感動してしまう笑笑
    凄いなーって毎日思ってます。
    (その後荒れたりするとくそーっと思ってしまいますが。)
    次男と太郎くんの違いは、会話の量と、多動衝動の有無でしょうか。
    でも、日常楽しんでいる事はうちの次男と同じ。
    楽しい事が少しでも多くなるといいな、とおもって過ごす毎日です。
    事業所への通勤途中にちょっとカードゲームを買いすぎたのはご愛嬌。
    今は家からお茶とジュースを一本持って節約中です笑笑
    この説得に二ヶ月かかりました。

    1. 稲倉サナ より:

      確かに太郎は学習能力高めです。
      高等部に入学したときに先生にも驚かれました。
      うちはとにかく会話力が幼児以下なもんで(;’∀’)
      でも学力の高さが本人の生活の幅を広げてくれています。
      インターネット検索やYouTubeを見て楽しむにしても、読み書きができると数段楽ですから。
      楽しいことが増えていくといいなぁと私も思っています(^^)
      うちの太郎はガチャポンにはまっていたときに買いすぎてお小遣いがすかんぴんになっていました(笑)
      にゃんこさんちの次男くんと似ているところもありますね(*’▽’)

  2. z1974 より:

    電卓使えると良いですよね。計算できれば良いわけだし。
    Yahoo!で漢字入力するときはローマ字変換で出来るのですか?
    ゲーム機だとひらがな入力とかあるのかな。
    もしかしたら口頭で気持ちを表すより太郎くんは文字入力のほうが表現しやすいとかは無いですか?もう検討されたのでしょうか。ちょっと気になりました。

    1. 稲倉サナ より:

      ひらがなのフリック入力だと思います。ローマ字も使えることは使えるんですが。
      気持ちを表すのに文字入力で…というのは試したことがなかったです!
      そういう問題じゃないからと思っていたんですが、もしかしたら文字入力の方が表現しやすいということも否定できないような。
      検討してみようかな…。
      その場合はどういうツールを使っているんですかね?うちは携帯電話やスマホは持たせていないので、ノートに手書き?
      あ、電子メモパッドとかお手軽でよさそうですよね。
      ちょっとやってみようかな。
      ありがとうございます!!

      1. z1974 より:

        フリック入力できるのであれば、古い携帯電話かスマホでメモ機能を使うのは、どうですか? 最初にお手本で文章や単語を入力してみせてあげたら、すぐにいろいろ打てそうですよね。夕ご飯食べたいメニューとか、やり取り出来たら楽しいかも。 
        計算機を教えてもらわずとも出来るというのは、太郎くんにはかなりの情報がインプットされているのでは。アウトプットの仕方がうまく出来る術があれば、お互い楽になるかもですね。

        1. 稲倉サナ より:

          古いスマホはあるんですが、以前太郎がiPhoneをたたき壊してしまってからはスマホ類は時効を迎えるまで封印しているんです。
          時効と言っても今のところ無期限ですが(;’∀’)
          ちなみに電卓は学校で使っているので授業で教えてもらっているんだと思います。
          (自宅で電卓用のプリントをやらせてみた時はすでに習得していました)
          本当はスマホを使いこなせる子なので活用できればベストなんですけどね…。
          破壊癖が治らないので、あと1年くらいは持たせないつもりです。
          とりあえず何かリクエストがあるときに電子メモパッドに書かせるというのをやってみようかと思います(^^)
          アドバイスありがとうございます!

  3. こー より:

    こんにちは
    太郎くんやりますね(^_^)v
    これからは電子機械を使いこなせた方がいいものね。
    自主的に使って答えを出す、進歩だね!
    夏休みいろいろお疲れさまでしたね、サナさんの努力は報われるよ、一生懸命だもの。

    1. 稲倉サナ より:

      道具を使いこなすのも才能の一つですよね(^^)
      唖然としつつも感心してしまいました(笑)
      努力は報われますかね?ありがとうございます(*’▽’)

  4. TAKE より:

    ブログの記事、とても参考になりました。ありがとうございます。
    ちょっと教えていただければと思い、コメント欄を利用させてください。
    私の小3の甥っ子(弟の子)が、多分、自閉症で重度知的障害児です。
    多分というのは、そのような診断がされていないからです。
    4、5歳の頃、MRI検査をしたようなのですが異常はないと診断されたようです。

    現在の彼は、会話が成立せず、こちらの言っていることは理解できていないようです。言葉は全く話せず、鉛筆も握ろうとせず、線も引きませんし、何かをしたいという欲求も少ないようで、何をするのが楽しいのかもわかりません。ただ、体をくすぐったりして一緒にじゃれると嬉しそうにしてくれます。
    他者への害がないため、本人やその周囲の人も大きく困ることがないのですが、知的レベルを計ろうにも、通常の知能テストを受けるレベルにも達していないのではないかと思われます。
    養護学校では、特別な教育がされるわけではなく、日々生活しているだけのようです。弟夫婦は養護学校に全てお任せで、家庭では衣食住のサポートをしているだけのようです。

    このような状態がよいとは思えないので、再度MRIや専門的な検査を受けたり、甥っ子に合った教育環境を探してみたりするのもよいのではと思っています。
    弟夫婦が悲観的に考えず穏やかに接しているのは好ましいと思う一方、現実を受け止めることを先送りしているのではないかという心配もあります。私に何かできることがあればと思いつつ、部外者が余計な口出しはしない方が良いのかもと思ったりもしています。養護学校から再検査を勧められないのであれば必要はなく、周囲は余計な口出しをしない方が、甥っ子や弟夫婦の総合的な幸せにつながるのでしょうか?

    1. 稲倉サナ より:

      コメントありがとうございます。
      こんなに親身になってくれる方がいて、甥っ子ちゃんは幸せですね(*’▽’)
      まず、MRIでは自閉症か否かの診断は難しいのではないかと思います。
      また、私は専門医ではないので話半分に聞いていただけると幸いですが、
      「会話が成立せず、こちらの言っていることは理解できていない。言葉は全く話せず、鉛筆も握ろうとせず、線も引かない、何かをしたいという欲求も少ない、何をするのが楽しいのかもわからない。体をくすぐったりして一緒にじゃれると嬉しそうにする」
      この様子からはあまり自閉的傾向は感じられません。
      言語発達遅滞があるということは何かしらの発達障害があると思われますが。
      親御さんが穏やかに育てられているので、二次障害などはなく、とてもよい状態で成長されているとは思います。
      ただ、そうですね。養護学校は公立ですよね?
      公立の先生は保護者からの強い要望がない限りは、踏み込んだ行為はしない傾向があると思います。
      私の印象ですが、特別支援学校の先生方は、本人の能力をもとのIQ以上に伸ばそうとするのではなく、本人の能力に見合った範囲のことを身に着けようとさせる感じがします。
      日本の福祉は良くも悪くも障害者本人の能力に合った支援が受けられるので、高みを目指す教育(療育)ではなく、その子の能力の範囲での生活自立を目指すのではないかと。
      甥っ子さんのご両親の考え方も尊重するべきだとは思いますが、少なくとも発語を促すための療育はやっておいた方がいいような気はします。
      発語がなくても、絵カードなどの代替品で意思表示ができるようになるといいかと。
      やはり生きていくうえで意思疎通ができないということは本人にとっても支援者にとっても厳しいことだと思うんです。
      うちの息子は自分の意思を言葉でうまく伝えられないことが他害につながっています。
      甥っ子さんも今は強い意思を表現することがなく、言葉を話す必要性を感じていないのかもしれません。
      ですが、そのうち自我が目覚めたときに、意思を表示する方法を知らなかったとしたら…。
      もし可能であれば、まずはご両親にこのまま意思疎通ができない状態で大人になってもいいのか、今一度確認されるといいかもしれません。
      学校や病院で相談し、実際に療育に付き添うことになるのはご両親ですから。
      難しい事ができるようになる必要はないと思いますが、意思疎通ができるようになれば生活は豊かになると私は思います。

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