習い事ジプシーの知的障害児を受け入れてくれる”スペシャルオリンピックス”
出典:いらすとや
実は単身赴任だったうちの夫が自宅に戻ってくることになりました。
そうなると週末は夫に太郎の付き添いをお願いできることになるので、だったら、以前から太郎にやらせてみたいと思っていたスポーツに挑戦してみようかな?と。
太郎は決して軽くはない自閉症と、IQ30の重度知的障害があり、これまでは普通の子供のように習い事に通うことなんてできなかったんですよね😂
重度知的障害児が通える民間の習い事は、ほぼ無い。
出典:いらすとや
習い事に関しては以前ブログでちらっと書いたことがあります。
自閉症やADHD、知的障害のあるお子さんがいる方は経験があるかもしれませんが、障害のある子を習い事に通わせようとしても、普通の子と同じようにはいかないんですよね。
表立って「障害児はお断り」なんて書いてあるわけではないものの、基本的には「問題なく集団行動ができる子」であることが暗黙の了解となっているかと思うんです。
習い事にもよりますが、1人の先生が十数人の子供に対して一斉に指示をする際に、義務教育の学校とは違って「特別な配慮」をしてくれるわけではないですから。
逆に言えば、発達障害があったとしても、周りに迷惑をかけずに集団行動ができる子であれば、普通の習い事に参加できるわけです。
実際、太郎が小学校時代の頃ですが、知的障害のない自閉症のお子さんを体操教室や水泳教室に通わせる知り合いは結構多かったですし、知的障害があっても多動等の行動障害がなければピアノなどの個人レッスンを受けさせている方はちらほらといましたね。
ところが、知的障害も重度となると、そもそも受け入れてくれる教室がほぼ無いと思います。
個人レッスンのピアノであっても、重い知的障害を抱える子にピアノを教えることはとても難しいですし、たとえ教えることができる先生がいたとしても、うちの太郎のように自閉症や行動障害、言語発達遅滞などを重複しているような子だと、そもそも「教えていただけますか?」と声をかけることすらはばかられる感じです😂
最近では発達障害児が利用できる運動系の療育や放課後等デイサービスも増えてきていますが、人気が高くてそう簡単には利用できなかったりもしますよね。
地域によっては自治体主催の障害児のスポーツ教室のようなものもありますが、回数が少なかったり、種目が少なくてやらせたいスポーツが無かったり。
選べる感じじゃないんですよね😂
何でもいい、入れてくれるならどこにでも駆けつける!という勢いで、太郎の小学生当時は探しまくっていましたよ、障害児でも受け入れてくれる習い事の教室を。
結局、運よく自治体主催の運動系の教室に入ることができ、小学校を卒業するまでは週1回のペースで活動に参加していました。
ところがですよ。
その自治体主催の教室は「小学生限定」だったため、中学を卒業したら辞めなくてはならなかったんです😔
知的発達障害者に日常的なスポーツの場を提供する国際組織「スペシャルオリンピックス」
出典:いらすとや
小学校を卒業した後はどうしようかな…と考えていたときに、ママ友(太郎と同じ知的障害のある自閉症のお子さんのいるママ)から誘われたんですよね。
「スペシャルオリンピックスに参加してみたら?」って。
スペシャルオリンピックス?何それ?…って聞き返しましたよね。その時の私は存在を知らなかったんです😅
わかりやすく言うと、パラリンピックが身体障害者のオリンピックであるとするなら(一部の競技で知的障害者も参加できますが)、スペシャルオリンピックスは知的障害者のオリンピックなんですよね。
調べてみてまず驚いたのが、スペシャルオリンピックスを運営しているのは結構な規模の国際組織であるということ、そして知的障害のある子が参加できる大規模なプログラムにも関わらず、その存在を知らない保護者(知的障害児の親。つまり私なんかもそうです😅)が多いということでした。
私もママ友から聞くまでその存在を知らなかったし、知的障害児を育てるママ友の間でも知っている人の方が少なかったですよね。
ましてや参加している人となると本当に極少数で。
ちなみにスペシャルオリンピックスについてもう少し詳しく説明しますね。
スペシャルオリンピックス
知的発達障害のある人の自立や社会参加を目的として、日常的なスポーツプログラムや、成果の発表の場としての競技会を提供する国際的なスポーツ組織。
1962年6月に、ジョン・F・ケネディの妹のユーニス・ケネディ・シュライバーが自宅の庭を開放して35人の知的発達障害のある人たちを招いてデイキャンプを行ったのが始まりである。
スペシャルオリンピックスの競技は夏冬合わせて26種類あり、約170万人の知的発達障害のある人と50万人のボランティアが150を超える国と地域で、この活動に参加している。
スペシャルオリンピックスにはディビジョニングと呼ばれる特殊なルールがあり、これによってアスリートは性別や競技能力によって、競技技能が同程度になるよう組み分けされる。また、スペシャルオリンピックスでは他の人に勝つ事を目標としておらず、アスリートが自己の最善を尽くす事を目的としている。
現在のスペシャルオリンピックス日本のはじまりは、JSOC解散後の1993年、熊本県の有志により、細川佳代子を理事長とするスペシャルオリンピックス・熊本が新たに設立され、その後1994年、スペシャルオリンピックス日本(SON)が国内本部として、SO国際本部の認証を受けて発足した。
SONは2001年に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受け、2006年には認定特定非営利活動法人として認定を受けた。2012年4月1日より、公益財団法人スペシャルオリンピックス日本として活動している(現在の理事長は有森裕子)。
なんと、あのアメリカ大統領ジョン・F・ケネディの妹さんが始めた組織だというから驚きです。
そして、日本のスペシャルオリンピックスの理事長はあの有森裕子さんだというからさらに驚きです。
さらに公式ページを見るとサポーターとして名を連ねるのは、サッカー元日本代表の北澤豪さん、2007年ミスユニバースの森理世さん、フィギュアスケーターの小塚崇彦さん、安藤美姫さんなどなど、そうそうたる面子!
4年に1回は全国大会、世界大会があり、知的障害者がオリンピックの舞台に立つことができるという、なんとも夢のような話であるにも関わらず
ほぼほぼ世間に周知されていない団体ってどうなの😂
特別支援学校のママさんのあいだでも「名前くらいは知ってるけど何やってるのかは知らない」という人が多数です😅
パラリンピックの方はここ数年、世間的に注目されてきているというのに、スペシャルオリンピックスとの温度差ときたら😂
どうして注目されないのかな?と考えたときに思い当たるのはこれかな、と。
スポーツトレーニングプログラムと競技会
スペシャルオリンピックスでは、日常のスポーツトレーニングプログラムを大切にしている。週に1回以上で8週間の期間(ターム)を区切りとして練習会を実施し、その後に練習の成果の発表の場である競技会を開催し、アスリートの努力と勇気をたたえる。スポーツトレーニングプログラムと競技会はどちらも大切な活動であり、これらの活動はアスリートの成長にとって大変重要な役割をはたしている。
ディビジョニング
ディビジョニングはスペシャルオリンピックスの競技会で行われる組み分けである。これは性別・年齢・競技能力といったものを基準に組み分けを行い、最終的に競技能力が同程度の競技者同士が競い合うためのスペシャルオリンピックス独自のルールである。スペシャルオリンピックスの競技会では通常、予選での成績に応じて、個人競技では3名から8名のディビジョンに組み分けをし、各ディビジョン毎に決勝を行う。その為スペシャルオリンピックスでは、棄権ないし失格にならない限り、予選に参加した競技者全員が決勝に進むこととなる。つまりスペシャルオリンピックスの予選は、トップレベルのアスリートを選抜するものではない。
全員表彰
各ディビジョン毎に1位〜8位があり、全員が表彰台に上がって1位〜3位には金銀銅メダル、4位以下にはリボンが贈られる。また、失格となった競技者も参加賞のリボンが贈られる。これは、競技会は日常のスポーツトレーニングプログラムの成果の発表の場であり、「参加することに意義がある」というオリンピック精神に基づき、成績の如何に関わらず、すべての競技者が賞賛され、表彰されるという特徴がある。また、スペシャルオリンピックスの表彰式は、最下位の順位から表彰され、最後まで拍手がなりやまないように工夫されているのも特徴である。
スペシャルオリンピックスの理念は「参加することに意義がある」なんですよね。
それゆえ、オリンピックやパラリンピックのように上位の記録を出した選手が代表選手として選ばれるわけではないんだそうです。
優劣を競うわけではなく、上位の選手だけが称えられるわけでもない。
とても素晴らしい理念ではありますが、話題性に乏しいと世間からは思われるんでしょうね😅
世間から注目されなくてもいいものの、もう少し必要としている人(知的障害者・知的障害児で競技に参加してみたいと考えている人)に情報が行き届くといいかなと思い、今回私も記事を書いてみようと思いました。
ボランティアと寄付で支えられる全国47都道府県のスペシャルオリンピックス
出典:いらすとや
スペシャルオリンピックスが知的障害者のオリンピックであることはわかったものの、もっと具体的に知りたいという方もいると思うので、私でわかる範囲で記載したいと思います🖐️
まず、スペシャルオリンピックスは国際的な組織でありますが、日本には各都道府県に1つずつ、活動の単位は都道府県ごとになっているようです。
東京なら「スペシャルオリンピックス日本・東京(NPO法人スペシャルオリンピックス日本・東京 (son-tokyo.or.jp))」ですね。
ただし、東京在住の人は必ず東京のスペシャルオリンピックスに参加しなければならないという規約があるわけではなさそうです。
というのも、都道府県ごとに競技の種類が異なっていて、その都道府県にしか存在しない競技もあるようなんですね。
例えば東京の場合は以下のような競技(プログラム)の種類があります。
ボウリング、バスケットボール、競泳、陸上、サッカー、体操、卓球、テニス、バトミントン、MDP(機能開発)、バレーボール、アルペンスキー、フィギュアスケート、スピードスケート、フロアホッケー、競技チア、合唱、英語、アスリート会、絵画、木彫り、バレエエクササイズ
なんとボウリングやフィギュアスケートもあるんですね( ゚д゚)
そして合唱や絵画など、運動ではないプログラムもあるんです。
お隣の神奈川県には柔道や馬術もあるんですよ!
もしも東京に住んでいる我が家の太郎が馬術をしたい、となった場合は、スペシャルオリンピックス神奈川に参加することは可能だそうです。
頻繁に通うことを考えると、地元や近県の団体に参加した方がいいとは思いますが。
次に、気になるのが参加費ですよね。
実施日程や頻度はプログラムによって異なりますが、基本的に参加費は無料です。
それはスペシャルオリンピックスの運営がボランティアや寄付によって支えられているからです。
各競技のコーチは皆さん無償(ボランティア)でやってくださっているんですよね。
ただし、会員となった場合は入会金や年会費がかかる場合もあります。
ちなみに神奈川県の場合は以下のように書いていました。
社員会員 ¥5,000-(初年度のみ入会金として別途¥5,000-が必要となります)
賛助会員 ¥3,000-
登録会員 年会費はかかりません
会員になるかどうかは強制ではなく任意のようですが、親御さんが健在で、親子で参加している場合は概ねみなさん、親御さんとご本人が会員として登録しているのではないかと思われます。
また、施設利用料などは別途実費でかかるようですね。
ボウリングなどは貸靴やゲーム代金などがかかるのではないでしょうか。
それにしたって習い事の費用を考えると激安ですよね😅
これは知的障害者が得る収入がとても低いからなのではと思います。
アスリート(知的障害者)は親御さんと一緒に参加されている方も大勢いますが、一人で通われている方、移動支援を利用して通われている方もいます。
親亡き後でも、一人で通う事ができる仕組みになっているんですね。
競技(プログラム)は一人一つという決まりもなく、一人が同時に複数の競技に参加することもできるようです。
そして、日々の練習とは別に、4年に1回の全国大会や国際大会なども行われ、国際大会に選出された場合は、海外に遠征することもできるわけです。
習い事ジプシーとして彷徨っていた我が家にとっては、にわかに信じられないような待遇で驚かされました。
学校卒業後に日常的に運動ができる場や余暇の一環として利用する人が多い
出典:いらすとや
私がスペシャルオリンピックスの存在を知ったのは太郎が小学生の頃で、太郎が好きそうないくつかのプログラムを見学・体験に行ってみました。
活動日などを考えると、2~3つのプログラムに参加できそうだったのですが、その当時は自治体の運動教室に通っていたこともあり、「中学生になったらやってみよう」と思っていたんですね。
ところが小学校を卒業する頃にちょうど夫が単身赴任することになり、週末に太郎を連れて習い事をすることが厳しい状況になり、そのまま現在に至る😂
夫が戻ってきた今、やっと活動することができそうかな?といった感じです。
ちなみに、以前見学や体験をした際の経験や、知り合いが参加している状況から鑑みると、どのプログラムも小さい子(小学生や中学生など)の参加人数は少ない印象がありました。
知的重度のお子さんのいる家庭は、子供が幼い頃は生活するのが精いっぱいで、なかなか習い事などを考える余裕もないのかな…と。
一方、軽度のお子さんの場合は普通の教室になんとか通わせることができたり、中学生や高校生では学校の部活に参加することもできるため、相対的に未成年の参加者が少なくなっているのかな?と推察しています。
実際、私の知り合いの先輩ママたちの情報でも、在学中は学校で部活をしていたものの、卒業後に運動ができる場所がなかったのでスペシャルオリンピックスに加入した…みたいな感じの人は多かったです。
余暇の一環として利用する方もいるようですね。
知的障害者や発達障害者は友達を作ることも難しい人がいますから。
ちなみにスペシャルオリンピックスは知的障害者のためのものなので、知的障害を伴わない発達障害者は加入できません。
現在、国内では24競技を実施しており、これらはオリンピック形式(国際的な競技団体のルールや運営方法を基本とする)に則っています。スポーツプログラムには知的障害がある「6歳以上」であれば、誰でも参加資格があります。
※ヤングアスリートプログラムは2歳から7歳まで参加可能
厚生労働省は知的障害児者礎調査において「知的障害の定義」を 「知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)にあらわれ、日常生活に障害が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」としています。
スペシャルオリンピックスに関しては以下の要件のうちいずれかに該当する場合参加ができます。1. 機関や専門家により知的障害があるとされている。
2. 標準的な知能検査により知的な遅れが確認されている。
スペシャルオリンピックスに興味のある方、アスリート登録の詳細や見学、参加希望の方は、お近くの地区組織にお問い合わせ下さい、とのことだそうです。
地区組織一覧 | お問い合わせ | 公益財団法人 スペシャルオリンピックス日本 (son.or.jp)
まずは気軽に見学から初めてみてもいいかもしれませんね😊
小学生のお子さんももちろん参加可能ですので、体力を持て余しているお子さんがいる方はぜひぜひ。
こんにちは
御主人様
単身赴任では、なくなるんですね。
嬉しいような面倒くさいような、複雑ですね。
子供達は嬉しいね。
太朗君の進路で二人で心強いですね。
そうなんです、複雑ですね(笑)
週末は助かるんですが平日は圧倒的に大変なことの方が多くて。
それでも子供の節目の時ですし、進路のことで直接話せる機会が増えるのは良いことかなと。
内容とはあまり関係ないですが、ご主人の単身赴任終了なんですね。うちも単身赴任中で、一年後には再同居となる予定です。コロナの影響もあり、本当に直接会うのが激減してます。 戻ってきたご主人との生活の変化にも興味あります。家事スキルのアップはあるのかな?とか。書ける範囲でよろしくお願いいたします。
そうなんですよ~。
実はもうすでに半分戻ってきているような感じなんですが、家事スキルアップは微妙ですね。
できるだけ早く済ませる、簡単に済ませるということに特化していて、食事はびっくりするほど貧相なものを食べていました。
主人は出勤時間が早いので、私が大変ですね( ;∀;)
今までより30分は早く起きなきゃいけないのがつらいです。
あと洗濯物が爆増&ワイシャツのアイロンが面倒です( ;∀;)
今はまだ赴任先にいることもあるのでマシなんですが、毎日いるようになったらと思うとちょっとユウウツです…。
想像つきます。洗濯もの3人だと、少ないですよね。子どもは制服だし。 うちは、帰りが遅いから、夕ご飯を2回用意して片付けするということになるんですよね。もう平日は、各自食べて片付けするとしようかな。したいなあ。
貧相な食事…うちはどうなんだろう。なんか心配。好きなものしか食べてないだろうなあ。
洗濯もの、結構鬱ですよ”(-“”-)”
うちも夜ごはんは以前は夫の帰宅が遅いがために2回用意して片付けというのをやっていましたが、せっかく作っても急に不要になることも多く、私がブチ切れて以降は「自分でご勝手にどうぞ」スタイルになりました( ̄▽ ̄)
会社近くで食べてきたり、自宅で軽食(ご飯と納豆と豆腐など)を食べたりしてますね。
ご飯を炊いておいたりすぐに食べられるものを買っておいたり、というのは私がやってますけど。
帰宅時間があまりにも遅すぎるので、私たちと同じメニューを食べるのも不健康すぎるんですよね。
だからむしろ朝ごはんは栄養面も考えつつバリエーション豊かに提供しています。
単身赴任先では本当に酷い食事内容だったみたいです。朝はトーストとコーヒーのみを毎日、みたいな。
作る時間が惜しいんですよね。きっと。
なるほど、夕御飯の件、参考になります。中高生のおかずと一緒ではカロリー摂りすぎですよね。
太郎くん、スポーツ楽しめると良いですね。息子の通っていたスイミングの系列で知的障害のある方がスペシャルオリンピックの選手となっていたようです。プールのロビーにも応援しよう❗とポスター見かけました。練習のモチベーション維持が課題らしいですね。
スポーツはまずは楽しむことが何よりですね。うちの娘は自分で行うことは苦手ですが、観戦は大好きで昨年は自校の高校野球の予選応援に行けて感動してました。
スポーツ観戦が楽しめると趣味の幅が広がっていいですね(^^)
スポーツは楽しむことも大事ですが、作為的にそうした場を用意してあげなくては運動不足になってしまうということもあって何かやらせたいと思っています。
あと暇な時間が苦手なので、余暇としての意味合いも強いですね。