2020年6月29日 / 最終更新日時 : 2024年5月21日稲倉サナ言語・言葉

自閉息子の前に立ちはだかる５W1Hの壁

出典：pixabay

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

以前書いたブログで、自閉症の長男・太郎のためにサウザンアイランドドレッシングを買った、という話が出てきましたが、そもそもの事のなりゆきについてお話ししたいと思います✋

数週間前あたりから太郎が生野菜サラダを前にして言うのです。

サウザンド！

って。

どこで食べたのか知らないけど（おそらく給食？）

我が家では買ったことがない、サウザンアイランドドレッシングが欲しい、と太郎は言うのです。

ちなみに我が息子・太郎は中学生ですが

IQ（知能指数）３０で、言語発達遅滞があり、

言語コミュニケーションレベルは体感２～３歳程度です。

現在、「要求」に関する言語は普段使いできており、

何か欲しいものがあると、単語で要求することが多いです。

〇〇！

というふうに。

〇〇ください。

と言いなおしさせていますがね。

まあ、こんなふうに欲しいものを自分から言ってくる時はいいんですけど、

逆に、私の方から太郎に食べたいものをたずねるということができなくて、とても不便なんですよね。

というのもうちの太郎、５W１Hが使えないのです(‘A`)

５Ｗ１Ｈとは

Who（だれが）When（いつ）、Where（どこで）、What（なにを）、Why（なぜ）、How（どのように）を指し示す言葉。

言語コミュニケーションにおいて、この５Ｗ１Ｈが使えるか使えないかということは「生きやすさ」に大きな差が出てくると思っているんですよね、私は。

食べることが大好きな太郎は「今日、夜ごはんは？」と毎日のようにたずねてくるのですが、私としては給食のように決まった献立を提供するのではなく、たまには太郎が今日食べたいものを作ってあげたいな、と思うわけです。

そこで、「何が食べたい？」と太郎に聞いてみるのですが

太郎の答えは決まってコレ↓なんです。

何が食べたい？

って

エコラリアかよ😗

エコラリアとは

自閉症の特徴の一つで、例えば、母親から「晩御飯に何を食べたい?」ときかれた子が「晩御飯に何を食べたい?」とオウム返しに答えることを即時エコラリアという。これに対し、自閉症の児童がテレビCMの気に入ったフレーズや親からの叱責の言葉などを、時間が経ってからも状況に関わらず繰り返し話すことを遅延エコラリアという。

考えて見ると、「今日、夜ごはんは？」という質問は「今日、夜ごはんは（何ですか）？」という意味なので、太郎は

５Ｗ１Ｈを使って質問する

ということは既にマスターできているんですよね。

ただ、相手からの

５Ｗ１Ｈの質問の意味が理解できない

と。

この質問の意味が理解でき、回答できるようになったら、

生活が豊かになるだろうに、と思うんですけどね…。

ちなみに「どっち？」という選択系の質問は理解できます。

毎年毎年、「５Ｗ１Ｈが理解できるようになる」という目標を掲げ、日々、療育的アプローチを試みていますが。

なかなか高すぎて、超えられない壁なんですよね。

ところが！

今朝、生野菜サラダを太郎に出したときに、

「ドレッシング、何がいい？」

とダメ元で聞いてみたんです。

普段は太郎が好きそうな種類を適当に出しています。

そしたら太郎、ちょっと考えてから答えたのです。

サウザンド！

って

太郎が答えた～😂

注：「クララが立った～」のイメージでお読みください

いや、めでたい🎉🎉🎉

太郎は今日、与えられたものを食べるのではなく、

自分が「今」食べたいものを選ぶことができたんですよ！

とはいえ、真の意味で５Ｗ１Ｈを理解できたのとは違うのかもしれない。

サラダが出て、目の前にドレッシングが置いてなくて、お母さんが何やら「ドレッシング～？」と質問口調で聞いてくるから、

ノリで好きなドレッシング名を答えた。

というだけなのかもしれない。

たとえそうだったとしても、大きな進歩ですよね👍

いつか５Ｗ１Ｈをマスターできる日がくることを信じて、あきらめずにいろいろ工夫をしていきたいと思います

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