毎日がミステリーツアー~視覚優位の息子のためにやったこと~

出典:pixabay

今日は政府からの衝撃的な発表で大混乱の最中ですが、

うちの子たちの通う学校もそれぞれ協議中のようで来週頭からおそらく臨時休校になりそうな感じです😢

休みになった間も外出は自粛しなければいけませんね。

厳しいなぁ_| ̄|○ 自閉症の長男・太郎は多動傾向が強く、1日中家にいるのは苦痛なタイプです。

1年365日のなかで、1歩も外に出なかった日なんて片手で足りるほどしかありません。 大半の日々は、必ず外出をしています。

1日中家の中で過ごすことなんてできない息子です。

でも、こんな時だからこそ、家の中での過ごし方を工夫して、予想外のことにも順応できる心を育てたいと思います。

ですが 今回のような事が起こったとき、あるはずだった行事が無くなったり 学校が急に休みになったり その理由について、言葉で説明しても息子には理解ができません。

太郎は知的障害もあり、言語コミュニケーション能力が著しく劣っていて、幼児(1~3歳)程度の言葉しか操れません。

日常使う言葉はほぼ単語、たまに二語文。 会話は一方通行で、できて一往復。 会話のキャッチボールはできません。

認知機能はあがってきていますが、複雑な話は理解できません。

そのため、今回のような不測の事態に対する順応性が、健常の子に比べるとかなり低いと思います。

それでも、工夫次第でなんとか理解してもらうこともできます。 幼少期、言葉が理解できず、おしゃべりもできない息子は、

毎日がミステリーツアー でした。

平日・休日の区別がつかず、1年をとおしてのスケジュールはおろか、おそらく1週間のスケジュールすら把握していなかったと思います。

幼稚園や小学校も、気がつくといきなり春休みになっている、みたいな感じですね。

今思えば、毎日、自分の身の上に何が起こるか、 今日は何をする日なのか。 明日は何をする日なのか。

そういった、 見通しがたたない状態というのは、 本人にとってとても不安なことだったと思うのです😢

そうした不安な思いも、多動だったり、他害だったりにつながっていたのではないかと思うのです。

そもそも、自閉症の子供は時間の概念を理解することが難しく、先のことを見通したり想像したりすることが困難です。

これから何が起こるか、何をすればいいのかがわからないことで不安になり、パニックを起こすこともあります。

こうした想像力の欠如を補うため、行動をスケジュール化し、またそのスケジュールを可視化することが、自閉症の子供にとって有効だとされています。

それがTEACCHプログラムのなかの「構造化」と呼ばれている療育のうちの一つです。

 

TEACCHプログラムとは

自閉症当事者やその家族の生活を生涯にわたって支援していくための包括的プログラム。
学習や生活場面において環境設定やスケジュールの提示などによって、何をすべきかをわかりやすく提示(構造化)することで、自閉症をもつ人が自立した生活を送れるように支援する。

 

太郎が幼児のときに通っていた療育先では、TEACCHプログラムで療育を行っていました。

そのプログラムのなかで使われていたのが絵カードです。

太郎は視覚優位で耳から入る指示が通りづらい子でした。

先生が口頭で話すことはほぼ頭には入らなかったため、絵カードが使われていたのですが

なにかこう、太郎自身が絵カードに対する興味がないというか、

食いつきが悪かったんです😢

 

当時私も市販されている様々な絵カードを買い集め、家庭療育として用いたことがあるのですが、あんなにお金を使ったのに、絵カードに対して本当に

興味をもってくれなかった😨

 

ちなみに視覚優位っていうのは文字通り、目から入ってくる情報を処理する能力に長けていること。

逆に聴覚優位は、耳から入ってくる情報の処理が得意。

療育のグッズって結構いいお値段するんですよ😨

まあそういう経緯があったので、絵カードについてはタンスの肥やしと化していたのですが…。

 

太郎が小学校低学年くらいの頃。

その頃にはずいぶん理解できる単語も増え、単語によるわかりやすい言葉がけであれば、かなり指示が通るようになってきていました。

そこで、この毎日がミステリーツアー状態をなんとかできないかと私は考えたのです。

絵がダメなら字で書けばいいんじゃない?

って。

そもそも、絵よりも先に、話すことよりも先に、文字を書くこと覚えた太郎です。 字を読むのが大好き。 ということで、その日のスケジュールを文字で書いて、一覧化することにしました。 例えばですが、

①起きる
②朝ごはんを食べる
③歯をみがく
④顔を洗う
⑤着替える
⑥学校に歩いていく
⑦学校に着く
~省略~
⑧学校から歩いて帰る
⑨着替える
⑩手を洗い、うがいをする
⑪おやつを食べる
⑫3DSであそぶ
⑬おふろにはいる
⑭夕ごはんを食べる
⑮歯をみがく
⑯寝る
 

みたいな感じです。ちょっと省略していますが。 最初はもう少し詳しい動作(洋服をたたむ、など)も入れつつ、慣れてきたらざっくりしたスケジュールに変えるなど、臨機応変に対応しました。 この行動のスケジュール化については 中学生になった今でも続けていて、 週末の予定を聞かれると、超簡単バージョンですが

①午前中は家で勉強
②お昼を外に食べに行く
③スーパーで買物
④家でお風呂
⑤家で夜ごはん

 

のような感じで、

「いつやるのか=時間」

「どこでやるのか=場所」

「なにをやるのか=行動」

を意識して伝えるようにしています。

また、あわせて月間スケジュールをカレンダーに書いて見せるようにもしました。

リビングの一角に、太郎専用の掲示板のような場所を作り、 そこに太郎専用カレンダーを貼りました✋

そのカレンダーには太郎の予定だけをわかりやすく書き込み、1か月に一度、内容を更新するようにしています。

掲示板には学校給食の献立表も一緒に貼っています。

この行動のスケジュール化&太郎専用カレンダーの導入により、 先の見通しがたつようになったことで、太郎の問題行動が激減したように思います。

やはり、本人にとっても先の見えない不安=毎日がミステリーツアーという状態は、決して居心地のよいものではなかったということなんでしょうね。

視覚優位であっても、目に見えるようにわかりやすく書いてあげることで、困りごともずいぶん解決できたように思います。

去年くらいまではこんな感じで、ずっと視覚優位できていた太郎ですが、 今年になってから耳からの指示も少しずつですが入るようになったようで、 まだ断片的ではありますが、 学校で先生が口頭で話したことを覚えて帰ってこられるようになってきました👍

めっちゃ、スローステップで驚きますが。

一生できないかも?っていうことも、 できるようになるんですねー。

石の上にも三年、かな?

人より苦労したことができたときの喜びはひとしおです💗

 

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