なんでも口に入れる「口唇期」がずっと続いた自閉息子

出典:pixabay

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

昨日書いたブログでは、たくさんのコメントをいただきありがとうございました。

大変勉強になりました!

食べるときに必ず匂いを嗅ぐという行為は、私は知的障害由来のものかと思っていたのですが、知的障害のない発達障害のお子さんにも案外多いことだったのですね。

しかも食べ物限定ではなく、物や人など、様々なものの臭いを嗅ぐようで、あらためて発達障害は十人十色だなぁ…と😅

勉強になりますね。

 

先日のブログでは、「本物そっくりの食べ物を、本物だと間違えて食べてしまう」ということについて書きましたよね。

うちの太郎は重度知的障害(IQ30)ですが、本物と間違えて食玩を食べたりすることは、ありません😅

幼児期から、ただの一度も。

その理由は昨日のブログをご参照ください。

でも。

逆に、食べ物ではないものを口に入れるということは何万回もありました😂

食玩も「食べ物ではない」と、あえて分かったうえで口に入れることはありましたね。

食べ物に関しては偏食が酷いため、かなり警戒心もあり、「なんでも口に入れる」ということはなかったのですが、むしろ食べ物以外のものを

何でも口に入れる

ということが、長い間やめられず(゚з゚)

悩んでいましたね。

 

何でも口に入れてしまう時期って、障害のある子でなくとも、誰にでもありますよね?

その時期ってつまり、乳児期。

赤ちゃんです。

 

子供が0歳児のときは、なんでも口に入れてしまうので、口に入るサイズの小さい物を、手に届く範囲に置かないようにしていましたよね?

こういう時期を、

口唇期

って言うんだそうです。

口唇期とは

ジークムント・フロイトが主張する5つの心理性的発達理論(リビドー発達段階)の中で最初の段階。口は最初に経験する快楽の源で、生存のためにある。赤ん坊は本能的に吸う。口から満足を得ることで、赤ん坊には信頼と楽観的パーソナリティが発達する。時期については諸説あるがおおむね出生時から2歳までとされる。

口唇期 – Wikipediaより引用

 

口に物を入れる、というのは人間が最初に得る「快楽」なんですね。

とても原始的な欲求ということなのだと。

うちの太郎は赤ちゃん期が過ぎても、いつまでたっても、手当たり次第、

目につくものを口のなかに詰め込んでいました😂

 

絵本や、ティッシュなどの紙類は、片っ端から噛みつき、唾液で溶かし、

なんなら飲み込んでいましたよ😂

 

消シゴムなども大好物でしたね…。

丸のみせずに、かみ砕いていましたけどね。

そういう危機管理だけは何故かできていた😂

 

基本、食べたいのではなく、噛みたいんですよね。

うちにある玩具はどれも傷だらけでした( ;∀;)

そして

道端に落ちている石もよく拾って口に入れていましたね💀

それも、どれでもいいというわけではなく、好みの石💎というのがあって(‘A`)

 

基準はよくわからないんですが、口の中でもてあそぶのにいい感じのサイズ感のものを選んでいたような気がします。

 

成長してくると、今度はなんでも口に入れるのではなく、

トミカやチョロキューの部品を歯で砕いて剥がすブーム到来😂

 

このトミカ・チョロキュー時代は長かった_| ̄|○

安土桃山時代かっつうの🤣

 

小学校高学年くらいまでやっていた気がします(‘A`)

スーパーボールバラバラ殺玉事件

が起きていたのもこの頃だったかな(‘A`)

 

しかしそんな時代もようやく終焉が近づき、政権交代がおこり🤣

トミカ・チョロキューのかわりに、満を持して天下を取ったのはなんと

食べ物でした🤣

 

ここにきてようやく食べ物😂

 

枝豆とかね、料理のなかに入っているベーコンとかイカとかみたいな具材。

それを食事の最後まで残しておいて、それを最後に口いっぱいに詰め込んで、

ご飯が終わってからも30分くらいずっと口の中にため込んでくちゃくちゃもてあそぶ

 

っていう時代が始まりました😂

これは自閉症の子に見られる異常な摂食行動の一種らしいです。

 

自閉症児の異常な摂食行動の一例

・食品嗜好の限定

・食感に対する過敏性

・1つの種類の食品だけを食べる

・飲み込まずに食べ物をため込む

・異食

 

これね。もうなんなんでしょうね。

中学生になってからはさすがに物を口の中に詰め込むこともなくなったんですけど。

このことについて深く考えたことがなかったんですが、今回ちょっと調べてみたところ、こんな文献を発見しました。

 

自閉症のある子どもの 理解と支援 Q&A集

https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/385/20151117-173506.pdf

 

PDFファイルなので上手くリンクが貼れていなかったらすみません(;’∀’)

その場合はURLをコピペしてください。

こちらのQ&A集は、

「国立大学法人 筑波大学附属久里浜特別支援学校」と「独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所」の共著です。

以前書いた「障害児の性について」などにも触れられてあるのでなかなか参考になります。

実は私、筑波大学久里浜特別支援学校には見学に訪れたことがあります。

当時はかなり本格的なTEACCHプログラムを実践されていて、圧倒されたことを思い出しました。

 

話を元に戻しますが、こちらのQ&A集のなかのQ24に

「道端に落ちているごみや草、葉っぱを口に入れてしまい ます。どうしたらよいでしょうか?」

という質問がありました。

 

まさに、「なんでも口に入れてしまう」という悩みですよね。

以下は回答のなかの抜粋です。

幼い子どもは、何でも口に入れてしまう時期(口唇期)があります。

これは、子ど もがそうすることによって、そのもの(対象)が何かを探索しているからです。

幼児期の自閉症のある子どもの場合も、彼らが口にものを入れる行為については、まずは そうした発達段階にあることを理解することが必要です。

自閉症のある子どもは、聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚などの感覚面において過敏さや鈍感さが見られます。

口の中にものを入れる行為については、口腔内の触覚刺激 (舌触りや歯ごたえなど)を求めていることが考えられます。

また、こうした異食をしてしまう背景には、子どもに口に入れてよいものとそうでないものとの区別ができ ていないことや、口にものを入れることで自分の気持ちを落ち着かせていることなど が考えられます。

自閉症のある子どもの 理解と支援 Q&A集 https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/385/20151117-173506.pdfより抜粋

 

なるほどー。

ちなみに、こうした「なんでも口に入れてしまう」のは精神遅滞の子供に多いらしいです。

 

うちの場合は実際に飲み込んでしまうことはほぼなかったし、止めたところで本人もやめることができない。

だからもう好きにして

と放置していたんですよね(‘A`)

 

結局なんらかの解決策があったわけでもなく、年齢とともに異常行動が消失していった、ということです。

ただし

口の中に食べ物をためこむ

っていうのは現役です😅

虫歯のもとになるのでやめさせたいんですけどね。

周りを不快にさせる行為でもあるので、声かけだけはしています。

 

あとはなるべく、口にためこみにくい料理を作る、といった工夫をするのみですね(‘A`)

それにしても発達障害って奥深いわー。

フロイトまで出てきちゃうんだから🤣

 

 

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