お風呂の躾は家でやるしかない

出典:pixabay

障害児の躾について、以前アメブロで書いた記事をこちらのブログにも移行してきたんですが、その中で障害児の躾について書いたものがあったんですね。

うちの長男・太郎は重度知的障害(IQ30)で言語発達遅滞があり、自閉症特有のこだわりも強く、定型発達の子のような躾をすることは難しいです。かなり。

それでも私は、「自閉症だから」「言っても無駄だから」「教えるのは難しいから」と言って、躾を放棄したことはありません。

大変だから放棄したいと思ったことは何度もあります。今でもあります。

でも、太郎が、私たち親元から離れ、グループホームや施設に入り、支援者の手に委ねる日が来るときに、少しでも自分でできることがあれば…と思うんですよ。

以前書いたその記事は「自閉症を免罪符にして躾を放棄している親がいる」という内容だったんです。

実際、いるんですよ。少ないですけど。

私からすれば、ちゃんと躾ければ伸びるのに…と思うような子でも、「自閉症だから」「普通の子の育児しか知らない人には理解できないだろうけど、大変なんです!」と。そういう理由で、躾と言える部分はプロ=支援者(幼稚園とか学校とか療育施設とか)にまかせて(丸投げして)、家庭では躾らしい躾を怠っている、そういう親御さんが実際いるんです。少ないですけど。

それに対して、「あまりそう、責めないであげてください」というコメントをいただいて。

それは、そうかもしれません。親にもキャパシティがある。

私ができるからといって、世の中の母親のすべてができるとは限らない。

躾けても躾けても、知的障害の重さ、言葉が話せない・理解できないために説明しても通じない、こだわりが強い、感覚過敏がある。

そういう子に躾をすることは、無力感しか感じませんよ。

うちの太郎がまさにそれです。

もう無理だ、と、何もかも投げ出してしまいたくなるときがある。

親が、私一人だけで(夫はほぼ家にいない、ワンオペの我が家です)すべてを背負う必要があるのか?

頼れることはプロ(支援者)に頼ってもいいんじゃないのか?

思います、そう思うこともあります。

けど。

プロに、お願いできないこと。

それが「お風呂の躾」なんですよね😂

今日はそんな、プロにお任せできない躾について書いてみたいと思います✋

 

幼稚園や学校でやってもらえた「躾」

出典:pixabay

私が、学校でやってもらえて本当に助かった!と思う躾の筆頭が「正しい箸の持ち方」です。

発達障害でも躾を放棄してはいけない

こちらのブログで書いていますが、私自身、正しい箸の持ち方を知らないまま成人しています。

大人になってから、いろいろと恥ずかしい思いをしました。

だからこそ、子供にはそういう恥ずかしい思いはさせたくない、と。

太郎にもエジソンの箸を使わせたり、幼児期から頑張らせてきました。

スプーンを上から掴むように持っていたのも、早い時期から下から持つ持たせ方に変えましたし、矯正箸も3段階くらいを経て、エジソンの箸は随分上手に使えるようになっていたのです。

ですが。

なかなか、普通の箸を使いこなせることができず。

家でももちろん教えていましたが、太郎が箸を使いこなせるようになったのは、学校の給食で先生が指導してくださったおかげだと思っています😭

先生はそれこそ何十人、何百人もの生徒たちの指導をしてきただけあって、教え方が上手なんですよね✨

箸を正しく使えるようになったのは先生のおかげ。

でも。

箸はいい、でもナイフとフォークの使い方を学ばせたい、そう思ったときに学校はというと、

さすがにそれは無理😂

学校の給食で日常的にナイフとフォークを使うことはありませんから。

いつも同じ店で同じメニューを食べた結果

ナイフとフォークの使い方は、我が家では外食時に親が教えました。

こういう、プロにはおまかせできない分野もあるわけですよ😅

 

学校で教えてもらえない躾、それが「お風呂のマナー」

出典:pixabay

特別支援教育を行っている学校では、その支援の内容に違いはあるかもしれませんが、少なくともうちの太郎。

・箸の持ち方

・鉛筆の持ち方

・偏食指導

・着替え(洋服の畳み方、ハンガーへのかけ方)

・挨拶

こうしたことは、すべて学校が教えてくれました。

あ、もちろん家でも教えていますよ😅

ただ、フィニッシュは、最終的な仕上げは、学校がやってくれたと思っています。

やはりプロは違うな、と思いましたよ。

家で親がいくら口酸っぱく言ってもできないことを、学校では何故こうも上手にできるようになったのか。

本当に先生方には感謝しかありません。

で・す・が。

そんなスーパープロ集団である学校でも、どうしても教えていただけない分野、それが

お風呂🛀

さすがに学校には風呂なんてないから🤣

宿泊行事も、そんな頻繁にあるわけじゃなく。

年に数回あるかないかの機会で教えてもらえることが身に付くわけもなく(゚з゚)

そうなると結局のところ、お風呂の躾は家でやるしかない(゚з゚)

以前、お風呂のことはブログに書いたこともあります。

重度知的障害高校生男子のお風呂事情~身辺自立シリーズ~

 

うちの太郎は現在高校1年生ですが、いまだに私が毎日お風呂の介助をしています😅

毎日、です。

毎日、太郎がお風呂に入るときに、ちゃんと洗えているか、お風呂から出てくるときにびしょ濡れのまま出てこないか、細かくチェックして声かけをしているんです。

毎日やっていれば、それなりに上手にはなってきますが、きっと声かけしなければ濡れた体で洗面所に入ってくると思うんですよね(゚з゚)

もちろん洗面所では声かけしなくてもバスタオルで体を拭いて着替えも一人でできます。

そこまでは、毎日声かけすることで、完璧にできるようになっています✨

重度知的障害、こだわり強めの自閉症児でも、毎日の声かけでここまではできるようになります。

しかし

濡れたまま洗面所に入ってくると、バスマットがびしょ濡れになるんです。

だから私は、洗面所に入る前に風呂場でバスタオルでざっと水分を拭きとってから、洗面所に入るように指導しています。

これがなかなか難しい😩

多分ですが、私が見ていないときは、そのまま洗面所にびしょ濡れの状態で入ってきていると思います(゚з゚)

もちろん下着を着る前にはバスタオルで体を拭いているので、最低レベルのことはできているとは思うんですけどね。

でも、ホテルや旅館の大浴場もそうだし、グループホームの共同浴場などもそうだと思うんですけど、バスマットや洗面所の床がびしょ濡れだと、後から使う人が気持ち悪いですよね(‘A`)

だから、風呂場でざっと水気を取るのはマナーだと思うんです。

そこは覚えて欲しいと思うんです。

それで私は毎日毎日、太郎に口酸っぱく声かけしています。通じないな、何回言えば声かけしなくてもできるようになるんだろう?って思いますよ。

でも、将来、太郎がグループホームで生活できるようになるためには、こうした最低限のマナーはできるようになった方がいい。

そう思うからこそ、私は自閉症を免罪符にして躾を放棄したりしない。

うちの太郎よりもはるかに程度がいいと思われるお子さんが、躾を放棄されているのを見ると悲しくなるんです。

あきらめたら終わりなんじゃないかな。

 

あ、書き忘れていました。

毎日声かけを続けて、今では声かけしなくても一人でできるようになったこと。

太郎はお風呂に入るときに、自分の下着(パンツ)を洗面所で手洗いして洗濯機に入れてくれます。

これのおかげで雑巾を絞るのが上手になったかも😅

 

 

 

重度知的障害高校生男子のお風呂事情~身辺自立シリーズ~

  • X

お風呂の躾は家でやるしかない” に対して2件のコメントがあります。

  1. こー より:

    おはようございます
    今日1日元気に過ごしましょう、出来るだけ笑顔で(^-^)
    お風呂
    私は田舎育ちなので、お風呂は小学校位まで、銭湯だったので知らず知らずお風呂の作法を覚えました。
    しかし、誰も居ない早い時間友達と泳いだりしちゃい、よく近所のおばさんに怒られました。
    誰もきずいて居ないだろうと思っても見られているもので(^_^;)

    躾は物凄く大切
    集団生活には欠かせませんね。
    本人の為にもなるしね。
    最初から出来るわけないので(誰でも)根気よく、短い時間で毎日毎日教えていく、その時親は大変だろうけど笑顔で(^o^)
    楽しいものと思っても貰わないと、何事も続かないと思うので。
    時間かかってもいいんです出来るようになれば。

    頑張りすぎず、力をヌキヌキ子供と向き合う大切ですね❗

    サナさんは、太郎くんとしっかり向き合っていて、将来を考えていて頭が下がります。
    なにもしない親
    一生懸命やっている親
    回りの人はちゃんと見ているよ。

    1. 稲倉サナ より:

      こーさん、幼い頃は銭湯だったんですね!
      銭湯はマナーを学ぶ場でもあり、いい経験でしたね( ´∀`)b
      なんて言いながら、私も小さい頃は大浴場に行くと泳いでいましたが(;’∀’)
      障害児にマナーを教えるのは本当に難儀で、暖簾に腕押しという感じがするのですが、毎日繰り返しやっていると知らないうちに身に付いてくることもあるんですよね。
      なので、期待しすぎずに(期待すると、できないとガッカリしてしまうので)のんびり、いつかできればいいなという気持ちでやっていきます(‘ω’)ノ

コメントを残す