IQじゃない!支援級・支援学校判定や就労の際に判断されるポイントは?

出典:いらすとや

こういう話題は書くまで筆が停まるというか、なかなか重いテーマなので時間がかかっちゃうんですよね😅

書き始めたら、パーッと想いが溢れだすんですけど。

どうして今回こういうテーマで記事を書こうと思ったかというと、現在、特別支援学校高等部2年生の息子・太郎がの就労先について思うところがあったからです。

以前このような記事を書いたことがありますが☟

重度知的障害児のうちの子には就労先の選択肢なんてない

就労継続支援B型に就労するためのスキルが十分にあるにもかかわらず、学校からは生活介護事業所を勧められている太郎。

学習面や作業の能力的に太郎よりもできない子がB型で実習をしているのに、太郎は生活介護事務所ですら「難しい」と思われている有様😂

どゆこと?

…って1回くらいは思うじゃないですか?

そこでその理由を自分自身納得するまで考えてみたんです。

そして納得しました。

それを考えるにあたり、これは就労に限らず、就学にも通ずることだよな、と思ったので、今回は就学・就労、共通の話題として書いてみようと思います。

 

普通級?支援級?支援学校?私は判断基準はコレだと思う!

出典:イラストAC

就学先の判定ってIQを基本にしているものだと私は思っていますが、実際そうなんだと思います。

うちの太郎が幼児期に住んでいた自治体は、特別支援学校に入れるのは最重度・重度のお子さんだけだという噂がまことしやかにささやかれていました。

その当時の太郎はIQ50超の中度知的障害

実際、子供を同じ療育施設に通わせている先輩ママから、「太郎くんは特別支援学校は無理だと思うよ」と言われていたんですよね。

その自治体にある小中学校はすべての学校に習熟度別の支援級があり、逆に支援学校の定員が少ない…といった状況だったんですから、それも無理はないと思うんです。

でも、うちの太郎は中度知的障害の判定そのものが疑わしいというか、体感では重度だと思っていたこともあり、私は支援学校への入学を希望していました。

他にも事情があったことから、我が家は引っ越しを決意することとなったのです。

支援級判定だったIQ50の自閉息子を支援学校に入れた理由

ただ、IQだけで就学先を決められることには違和感を感じていましたよね。

親の「困り感」をきちんと聞き取り、理解してほしいと。

ただその「困り感」というのもなかなか通じなんですよね。

というのも、就学直前の太郎(つまり幼稚園年長さんの太郎)というと、言語発達遅滞の影響で言葉こそは話せなかったものの、週に2回通っていた療育のおかげで、かなりのスキルが身についていたんですよね。

・ひらがなカタカナ数字アルファベットの読み書きができる

・模倣ができる→他の子の真似をしてなんとなく指示に従える

・オムツは外れて一人でトイレに行ける、お漏らしおねしょも無し

・異食無し

・座席に座っていられる。立ち歩きはしない

・板書ができる

・身辺自立ができている(着替えは助けてもらわず一人でできる)

それでも現在居住している自治体では、中度の知的障害でも特別支援学校に入学できたんですよね。

それは当時、すべての小学校に支援級が無かったからです。

こんなふうに、自治体によって違いはあるものの、就学の判定はやはりIQを基準にしている学校は多いんだろうな、とは思います。

目安となるものが他には無いんでしょうから。

ただ、私が今、就労を目の前にして思うのは、就労も就学も、IQよりも実際にはこれが判断基準になるよね?ということを発見しました。

いや、発見というよりかは実感ですかね😅

それは

①コミュニケーション能力

かつ

②集団行動ができる人数の単位

です。

就労先を例にあげればわかりやすいかと思うんですけどね。

太郎は作業のスキルで言えばB型作業所でもやっていける能力はあるかと思います。

でも、福祉作業所で求められているスキルというのは、決して作業そのもののスキルだけではないんですよね。

むしろ、「今働いている他の人たちと上手くやっていけるか」「相性がいいか」という面をすごく重視される事業所さんが多いです。

作業が多少精度が低かったとしても、コミュニケーション能力が高い子の方が歓迎されるってことです。

そりゃそうですよね。

人間関係で問題を起こしたり、行動障害があり他害や破壊行動の可能性のある子だったり、そういう子が敬遠されるのは当たり前だってことくらい、私だってわかります。

福祉事業所とはいえ、公営じゃないんです。民間。選ぶ権利はある。公立の学校とは違うんです。

作業能力や学習能力が高くても周りの人と上手くやっていけない子はおよびじゃない。

太郎1人のために余計に人を雇えないんですよ。民営ですから。そこは学校とは違いますよね。

企業就労にいたってはもっと顕著だと思いますよ。

企業の障害者雇用はボランティアじゃない。

例え重度知的障害であっても、問題行動がなく、周りと上手くやっていけて、最低限の指示がとおり、作業をそつなくこなせる。

そういう子であれば企業で就労しているケースもあるんです。

人と会話することだけがコミュニケーション能力とは違うんですよね。

そして②集団行動ができる人数の単位あたりは、就学をケースにした方がわかりやすいかもしれません。

1人の先生が集団に対して一斉に指示した際に理解できるか否か、という観点ですね。

30~40人の集団で、先生が指示した事に関して、何のフォローもなく的確に動くことができれば普通級でもやっていける。

10人程度の集団でやっていければ支援級。

2~3人に1人、マンツーマンでの指導が必要であれば支援学校。

結局はそういうことなんだと私は思いますよ。

 

もしもうちの太郎が引っ越しをせずに、支援級に入ってしまっていたら、太郎はお客さん状態になって放置されていたんだろうと思うとゾッとします。

受け入れ側(学校)も、本来よりも支援が必要な子が入ってきたらキャパオーバーになってしまいますから。

 

そうなると、支援が足りない、もっと配置してほしいと言う方が出てきますが、

無理ですよね。

その支援、原資は税金ですよ。

国はコロナでも多額の国債を発行してきましたが、それを将来背負うのは子供たちです。

少子化が進んでいるというのに、問題を先送りにして、借金を未来の子供たちに背負わせている現状には寒気しか感じられません。

より多くの支援を必要とするのなら支援学校、少しの支援で適応できるなら支援級、大勢の中で指示に従えるなら普通級。

そこを親や先生がちゃんと見極めてあげられれば幸せですよね。子供も。

 

で、就労先もですよ。

うちは作業ができるんですけど!

っていうことじゃないんですよね。

太郎には手厚い支援が必要だから、生活介護事業所を勧められているんですよね。

 

わかってはいても「できるのに!」とついつい思ってしまう自分がいますが

公立の学校と違って、ゴリ押しってもう、通用しないんですよ…。

 

無理矢理入れてもらうことなんてできないんです。

実習ですら。

 

学校を卒業するってそういうことなんだな、と思いました。

 

とにかく考え方を改めないと、卒業後はずーっと在宅、みたいなことにもなりかねないですからね。

冗談抜きで、これは本当の話です。

まさにうちが行き先がなくて今苦労していますから。

 

障害も重度であれば手厚く保護されるなんて思い込んでいましたが、それも幻想でした。

 

とにかく、人に迷惑をかけないように、気持ちよく受け入れてもらえるように。

これは障害児本人が何とかできる問題ではない。

親がなんとかしてあげなきゃいけない分野だと思っています。

 

かといって、太郎自身が居心地の悪い場所に行くことは不幸だし、太郎の気持ちと、受け入れ先の確保。

なかなかの難問です。

 

これから1年が勝負ですね。

がんばりたいと思います。

 

 

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IQじゃない!支援級・支援学校判定や就労の際に判断されるポイントは?” に対して8件のコメントがあります。

  1. にゃんこ より:

    うちの子、愛嬌はまぁまぁ、コミュニケーション能力もまずまず。
    だけど、初めての場所や面接では能力を出せず。
    質問されると泣いてしまうので、どうしても低評価。
    困ったもんです。
    事業所で一年頑張っていますが、面談ですら泣いてしまうのは変わらない…。
    面接で面接官と仲良くなってしまう母は、何とアドバイスすれば良いのか、わかりません。
    私の得意技は苦手なことを包み隠さず話す、です。
    S◯N◯の子会社の時には「電気がなぜつくのか実はわかってません」と言ったらば、常務が「僕は物理が専門でね、物理だと何でも説明できるんだよ、教えてあげよう」と採用になりました。
    職業訓練校の面接では「今思うと、やめずにもっと頑張れた、かも。でも業務の中で理解できなかった経理処理を専門的に分かりたいと思って応募しました」とか言って受かりました…。
    息子よ、鼻くそほじってないで母ちゃんを見習ってくれよぉ。
    (花粉症は遺伝したのにな)

    1. 稲倉サナ より:

      鼻くそ(笑)
      コミュニケーション能力が高くても必要な時に発揮できなくては宝の持ち腐れのようなものですね…。
      こうしていろんな方からコメントをいただくと、本当に発達障害というのは十人十色なんだと実感します。
      理解ある会社・上司、相性のいい仕事に巡り合えることは宝くじに当たるよりも確率が低いのかって思いますね( ;∀;)
      就労のことは頭が痛くて考えたくもありませんが、お互いがんばりましょう~。

  2. えびコロッケ より:

    就労活動終盤です。毎日がヘロヘロです。
    素直で愛嬌があって、明るく挨拶できてコミュ力強いのが最大の武器!と各方面から聞かされ、納得しつつもなんだか昭和のお嫁さん基準みたい… ともやもやがありますが現実ではそれが強いし、求められているのは理解できます。
    そしてそれって進路指導側からの、生徒に対する評価にも当てはまるような気がします。

    万年不登校で学校大嫌いの息子に、実習は高いハードルでした。「登校しないので、評価できない」と学校から言われ。「このままではB型は難しい」とピシャリ。えびコロッケの顔から血の気が引きました。「学校だけに任せておけない!」と決意。さらに「保護者の方が積極的に受け入れ先を見つけてください」方針だったので就活に励みました。

    第一希望はB型就労でしたが、地域活動支援二型の体験に行き(コロナ真っ盛りだったので何度も断られましたが、営業マンのごとく定期的に食らいついた)、そこで「OK」をもらい、「B型希望ですが、ダメだった時の行き先を見つけておきました!」と、担任を安心させ。
    さらにB型希望先の夏休み体験などに参加。ここぞとばかりに、息子のコレできるぞ資料を作り担当者にアピール。まるで売れない歌手のマネージャー活動。そこでわかりました。学校は大嫌いだが、息子は単純作業が大好き!! 苦手な遠足も行事もない、ルーティン作業ならウエルカムだった!

    で、色々試行錯誤して実習まで漕ぎつけましたが、そこで挨拶、コミュ力、奇声にダメ出しが。( ;∀;)
    これではいかん!と奇声対策はカウンセラー通い+自宅ではニコニコでの挨拶の練習を親子でしてました。何ヶ月も結果が出なくて、白目剥いて投げ出したかった。なんでわし、DK相手に「おはようございます〜♡ はい!言って」しなくちゃいけないの? プライスレスのにっこり挨拶くらい、しろよ!ごりゃあああああ!!と脳内で叫びまくっていました。

    結論・障害児就労活動。めっちゃキツかった。

    1. 稲倉サナ より:

      詳細にわたってのコメントありがとうございます。
      とても参考になりました!
      「昭和のお嫁さん基準」まさにその通りすぎて笑っちゃいました( ̄▽ ̄)
      でも、昭和のお嫁さん、強いですよ。
      働くって長いじゃないですか。学校と違って。
      仕事ができて性格悪い人よりも、仕事はそこそこで器量良しの人の方がいいに決まってますよね。
      癒されますもん。
      そこは障害云々、関係ないのかなって思います。
      「進路指導側からの、生徒に対する評価にも当てはまる」というのも禿げあがるほど同意です。
      うちの学校も、コミュ力の強い子の方が可愛がられる傾向あります。
      先生方も、コミュ力の強い子を就労先に推している感じがします。
      小学校の頃よりも、学校の先生の視点がシビアになっているなと感じます。
      「売れない歌手のマネージャー」が言いえて妙すぎて泣き笑いです。
      うちの学校でも似たような状況です。
      個人的に情報収集したり、学校を通さずに体験に行ったり、もっと保護者が積極的に動いてくれてもいいんだよ、って圧が感じられますよ(゚з゚)
      年齢が上がるごとに支援の密度が下がっていく実感ありますよね。
      卒業したら一気にのしかかってくる責任感。
      親は死ぬまでその責任から逃れられないんでしょう。
      せめて私が「可愛がられる保護者」でいないとなぁ…と思っているところです。

  3. こー より:

    こんにちは
    笑顔で指示が通りやすい子
    誰とでも仲良くコミュニケーションがとれる子
    採用率高いですね。
    でも、生活していくのには計算ができて時間がわかり、文章が理解出来るようにと親は必死に教える。
    これ大変だろうと思います、笑顔だけでは親亡き後どうしますか?
    矛盾が多すぎだよ。。。

    1. 稲倉サナ より:

      障害の有る無しにかかわらず、笑顔で挨拶ができて皆と仲良くできるということは強みだと思います。
      よくよく考えてみると、就労は就学よりも長期間にわたるので慎重にもなりますよね。
      そして、こーさんのおっしゃる通り、笑顔だけでも足りないんですよね。
      本人が生きやすくするための、最低限の教養は教えてあげなくては。
      難しいですよね。

  4. stairs より:

    知人に特別支援校の教員がおり、まさに同じことを言ってました。「就職は成績じゃなく、性格の良い生徒から決まっていく」と。
    笑顔で挨拶できる、素直、そしてコミュニケーション能力がある、という生徒が望まれるそうで、サナさんご指摘の通り。なんか考えていくと、結局は「人として」の部分が大事で、そこを親はきっちり育てているのかを問われているように感じます。障害あるなしに関わらず。

    1. 稲倉サナ より:

      そうなんですよね。障害児の世界も結局は「人柄」。
      愛嬌があり、愛される人間に育てることが一番大切なんだなあと実感しています。
      うちの太郎は行動障害(多動も)がネックになっていますが、実際に実習に入りさえすれば理解してもらえたりもしています。
      ただ、その実習に入らせてもらう段階がすでに難しい。
      入れてもらえるならどこでもいい、というわけでもないですし。
      社会に出るというのはこういうことなんだな…と薄ら寒い思いがします。

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