障害ゆえの偏食もこんなに改善する!

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転園先の幼稚園はとても規律に厳しい園でした。

 

ひょっとすると息子は嫌がるかな…と思っていたものの、それが杞憂であったことはすぐにわかりました。

 

そもそも「暇な時間」が苦手な息子です。

 

「自由にしていいよ」と言われると何をしていいのかわからないがゆえ、走り回ったり玩具や本などを荒らしたり他の子にちょっかいをだしたり。手あたり次第に悪行の限りを尽くしていたように思います。

 

ところが新しい園では自由にしていい時間というのが極端に少ない。

 

行動の一つ一つにも細かい指示が入るために、息子は他の子の真似をして同じように動くようになっていました。

この「他の子の真似をして」というのがまず、すごいことです。

これまでは他の子の様子など気にもかけない息子でした。

 

そして給食。

1か月のメニュー表を見ると、息子が絶対に食べないようなものばかりが並んでいました。

白いご飯は食べられるので、何も口にできないというわけではないものの、中には混ぜご飯の日もあり…。

一抹の不安を感じていたものの、これも数日後には完全に払しょくされました。

というのも、息子の担任が偏食指導の達人だったのです。

 

当初はかなり警戒していた息子も、「ひと口だけでも食べてみようか」と、本当にひと口だけ食べる事から始まり、入園から半年過ぎる頃には、たいていのものが食べられるようになっていました。

 

そもそもが「食わず嫌い」の息子です。

味や食材が嫌いで食べなかったわけではないのです。

実際口にしてみたら、「あれ?おいしい」と思う料理が結構あったのでしょう。

卒園する頃には、あれほどまでに頑なに食べなかった「混ぜご飯」も食べられるようになっていました。

 

とはいえ、息子は自閉症です。

こだわりが消えたわけではありません。

家では相変わらず同じものばかりを食べたがりました。

 

そこで、小学生になってからは休日一緒に料理のお手伝いをさせることにしました。

息子はお好み焼きやたこ焼きが嫌いで一度も食べた事がなかったのですが、おそらく見た目からどんな食べ物か想像できないことが原因なのではと思い、素材をカットするところから見させることにしたのです。

生地を混ぜたり、食材を鉄板に入れたりと、お手伝い自体は簡単なことばかりでしたが。

できあがったたこ焼きを、彼は生まれて初めて食べました。

自分で作ったものだから、彼なりの愛着があったのか。素材や調味料など使われているものがわかったからなのか。食事にありつくまでの段取りがいつもと違う(ルーティンどおりではない)からなのか。

理由はわかりません。

たこ焼き自体を好きになったわけではないようです。でも食べました。

 

やはり環境や状況を変え、「こだわり崩し」「ルーティン崩し」をすることは有効なことのように思います。

 

その後も偏食を改善するためにあの手この手でいろいろ試し、

ついに中学に上がる頃にはパンを食べるようになりました!

今では朝食に食パンを出し、家族全員で同じメニューを食べるということもできるようになっています。

昔なら考えられなかった、クリームシチューなども好んで食べます。

学校の給食は毎食残さず完食しているようです。

(本当は嫌いだけどがんばって食べているものもたくさんあるようです)

 

ただ、今でも私が家でチャーハンを作ると嫌がるのに、なぜか祖母が作るチャーハンは好んで食べます。

家ではカレーライスは食べないのに学校のカレーライスはおかわりをします。

きっと彼なりのこだわりがあるのだと思います。

 

自閉症だから、障害だから、偏食は仕方ない。

その子に合わせたメニューを作るのは大変だ。

そうかもしれません。

 

でも、健常児の好き嫌いと違って、あるきっかけから嫌いなものが大好きに変わる可能性だってあると思います。

 

自閉症の子(知的・自閉度が中重度)を持つお母さま方に話を聞くと、

我が子の一番の楽しみは「食事」だとおっしゃる方が非常に多いです。

一番の楽しみだからこそ、食べられるもの、好きなものが多い方がより幸せなんじゃないかと思うのです。

 

うちの息子は年々、好きなものが増えてきました。

なので、食事をするときに、本当にニコニコ幸せそうです。

 

自閉症の子供への対応は本当に根気が必要だと思います。

大変なことを承知で言いますが、

 

母親の気合と根性で

偏食は改善できると私は思っています。

 

子供の将来のためにも。

時には人の手も借りながら。

 

できれば偏食指導は幼い頃に始めた方がいいと思います。

プロの手を借りるのもおすすめです。

 

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障害ゆえの偏食もこんなに改善する!” に対して4件のコメントがあります。

  1. 稲倉サナ より:

    >すずめさん
    コメントありがとうございます!
    そうなんですよね~。保健所や療育先の人もプロとはいっても通り一辺倒のアドバイスで終了!ってこともあって。結局は自分の息子に合ったやり方は、自分で見つけるしかないのかなー、とは思いました。うちはスパルタ園の先生はどのようにやってくださっているのか詳細は謎でしたが、給食だけは完食していたのですが(無理やりとかではなく)、同じことを家でやっても食べるかと言うとそれも違うんですよね。
    とりあえず、たこ焼きは「うまい棒たこ焼き味」から始めました'`,、('∀`) '`,、
    うまい棒からのタコパでした。地道です。

  2. すずめ より:

    今頃になってコメントさせて戴きますσ(^_^;)
    たこ焼き‼︎ うちもそうでした‼︎
    ……とは言え、妊娠中の私に代わって母がたこ焼きパーティーを考案してくれたんですがね(汗)
    今ではフードコートなんかでたこ焼きが食べられるので非常に楽になりました‼︎
    息子の偏食が唯の好き嫌いの域を超えていることに、私はかなり早い段階で気付いてたんですが、保健相談所へ栄養相談に行っても、「そういう時期なんですよ」「その内食べるようになりますよ」と真剣に取り合って貰えませんでした。
    それなのに、1歳半健診で突然掌を返したように「発達障害の疑いがあります」とか言って来て……
    「せやから前から言うてるやろ~~‼︎ 普通にしとっても埒があかんのや~~‼︎」
    と、封書を床に叩き付けた覚えがσ(^_^;)
    私が色々取った方法は、保健所や療育先で教えて貰った訳でもなく、独自に編み出したものなので、ひょっとしたら息子のケースが特殊過ぎて、今まで先例がなかったんかな? と思ってました。
    が……稲倉サナさんの息子さんとかなり似ててびっくりしました!
    子供の偏食については、もっと研究がなされる必要がありそうですよね。

  3. 稲倉サナ より:

    >usamalさん
    コメントありがとうございます(^^)
    同じ食材なのに調理法によって好きなものと嫌いなものがあるのは、うちの息子も同じです!
    なので、ある食材がダメでもあきらめずに違う調理法や味付けを試したり、外食先で自然と食べられるようにしています。
    うちはちなみにトマトが大嫌いなのですが、ミネストローネは大好きです(笑)

  4. usamal より:

    はじめましてusamalと
    いいます
    私自身が自閉症で
    偏食ありです
    私の場合
    調理方法によって
    食べられる
    食べられないが
    あります
    かぼちゃだと
    スープはダメで
    てんぷらはスキです
    克服は大変ですが
    おいしいと
    楽しいです♪
    なのであきらめないです!
    長文失礼しました

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