親亡き後の知的障害児が1人で生きていくために

アイロン

出典:pixabay

うちの長男は重度知的障害を伴う自閉症です。

この春、ついに高校生になりました。社会に出るまであと3年。親元を離れる日も遠い将来ではなくなりました。

それゆえ、「一人でできること」を増やすために、新しい事にもチャレンジさせるようにしています。

 

自閉息子にアイロンをかけさせていて思う。

アイロン

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うちの息子はIQ30かつ言語発達遅滞があり、込み入った内容の指示が伝わりづらいため、何かを教える時はマンツーマン指導が原則。できれば隣で同じことをやってみせるのがベストなんですが、アイロンがけとなるとそうもいかない。アイロンが1台しかないですからね😅

高校生になってから「自分の洋服なんだから、自分でアイロンをかけなさい」ということで、制服のシャツは毎日息子にアイロンをかけさせています。

アイロンはこれまでお手伝いの一貫として、ごくたまにやらせることはありました。

ですが、そろそろ独り立ちすることを視野に入れて、「お手伝い」という位置づけではなく、「自分のことは自分でやる」という意識に変えていこうと思ったんです。

お手伝いというと本人的には「やってあげている」という感覚なんですよね😅

でも本来は太郎の制服なんだから太郎が自分でやるべきであり、「やってあげている」という感覚は言語道断なわけで。

親元を離れた際に、太郎が1人でやらなければいけない事はアイロンの他にもたくさんありますが、これまでは全部母である私がやってあげていて、それをたまに「お手伝い」という形で太郎がやることもありました。例えば食器洗いや洗濯、掃除など、そういった類のものですね。

太郎はやはり重度知的障害ということで、将来的にも完全に1人でできるようになることは厳しいわけですが、少しずつでも、意識だけでも「自分のことは自分でやる」ということを教えていきたいと思っています。

けど、毎日マンツーマンで、手を添えながらアイロンをかけさせていて思うんです。

知的障害児には越えられない壁があるなぁ、と。

言語発達遅滞と超えられない壁

上記ブログでは洗濯物を干す際にシワシワのまま干してしまう、と書いていますが、アイロンがけもまた同じ。

きちんと広げないままアイロンをかけてむしろシワ増量的な😂

シワにならないような工夫なども教えたところで、太郎本人は馬耳東風(゚з゚)

結局のところ

シワだらけの洋服を着ていても別に恥ずかしくない。

ということが根本にあるため、「シワにならないようにアイロンをかけよう」という気持ちにはならないわけです😞

 

アイロンが必要な洋服は買ってこないで!

まあこうなってくると思うんです。

今は制服なのでアイロンがけは必要だけど、将来はスーツを着用するような仕事にはつかないだろうし…。

アイロンがけ不要じゃね?😗

アイロンが必要な洋服を買わなきゃいんじゃね?って。

ところが先日、夫が太郎にシャツを買って来たんです。普段着用として。

肌寒い日に、さらっと羽織れる長袖のシャツが1枚あった方がいいよね?ってことで買って来たわけですが、それを見て私はゲッソリ😨しながら夫に言いました。

「アイロンが必要な洋服は買ってこないで」

「太郎が将来1人でアイロンかけられるようになると思う?」って。

これまで太郎の普段着はアイロンが必要になるような洋服は皆無でした。でも太郎ももう高校生。少しくらいお洒落な服を…という親心だったんでしょうね、夫は。

気持ちはわからなくもないけど、太郎はもう成長もほぼ止まっていて、洋服のサイズも定まっています。

今購入する洋服はこの先ずっと着られるものです。だから、将来を見据えたものを買わないとね?

これまでは見た目だとか着心地とか、そういった観点だけで洋服を選んでいましたが、今後は「太郎が1人で管理できるようなもの」という観点も必要になってくるわけですよ😗

 

いちいち号泣する息子よ、私が死んだらどうするの?

タブレット

出典:pixabay

こうした「太郎が1人で管理できるようなもの」という観点は、洋服以外にもたくさんあります。

最近は”親亡き後”の太郎の生活というのを考える機会が増えてきていて、「こういうときに助けてくれる人がいなかったら太郎はどうするのかな?」と不安に思うことが多々あります。

例えば、太郎が自宅にいるときはニンテンドー3DSかタブレットで遊ぶことが多いのですが、タブレットの方は主に動画(子供向けの歌の動画など)を観ていて、その際はワイヤレスイヤホンを使っています。

本当は有線のイヤホンを使わせたいのですが、有線のイヤホンジャックを差し込むポートが壊れていて使えないんですよね(‘A`)

で、渋々ワイヤレスを使っているんですが、これが何かの拍子でワイヤレスイヤホンとタブレットのペアリングが解消されてしまい、イヤホンから音がしなくなることがあって。

そうなると太郎が「壊れた!」と号泣しながら私のところまで泣きついてくるんです(‘A`)

そんなときの太郎、もう半狂乱なんですよ。この世の終わりみたいに泣いちゃって😱

ペアリングをやり直してあげて、音が聞こえてくるとピタッと泣き止むんですけどね(゚з゚)

同じく、Wi-Fiの接続が外れてしまうこともあって、そうなると「壊れた!」と号泣ry

こうやって、イヤホンが聞こえない、Wi-Fiが外れた、と大騒ぎするたびに、私、思うんです。

もしも将来太郎がグループホームで1人で生活するようになったとき、

タブレットって地雷じゃね?😂

って。

何かあっても1人で対応できないんですよ。太郎は。

もしも一人でいるときにタブレットを使っていてWi-Fiが途切れたら、壊れた!なんて言って怒ってタブレットを床に叩きつけるくらいやりかねない😂

というか、そもそもWi-Fiがあるのか、グループホーム😂

そして1人でいるときにタブレットを渡してもいいのか😂

変なページを観て、課金とかしちゃったり、トラブルに巻き込まれることにもなりかねないし…。

そう考えると、太郎が将来家を出て1人になったときに持たせられるのは、ほぼトラブルとは無縁なニンテンドー3DSくらいなのかな…。

 

グループホームは無理か。やっぱり入所施設なのか。

将来の事を思うと、一人で管理できないものを持たせることもどうなのかな、と考えさせられますね。

助けてくれる人が常時いればいいのでしょうが…。

将来的には太郎のような重度知的障害者は一人暮らしは到底無理なので、グループホームか入所施設に入ることになるかと思いますが、太郎はわりと器用なところもあるので、うまくするとグループホームに入れるかも?なんて淡い期待を抱いていた時期もありました。

 

親亡き後の知的障害者「生活水準のリアル」

グループホームの管理体制はまちまちだとは思いますが、入所施設に比べると支援者の人数は少なく、基本的には夜間のみ、最低限のサポートしかしてもらえないのかな?というイメージです。

ちなみにグループホームと入所施設の違いですけども。

グループホーム(共同生活援助)
「障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行う」

 入所施設(障害者支援施設)
「障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設をいう。」

知的障害者グループホームと入所施設の違い | 六甲園 (rokkoen.jp)より転載

 

グループホームって学生寮に近いというか、親切すぎる寮母さんがあれこれ手を焼いてくれる、みたいなイメージ🤣

だから、タブレットとイヤホンのペアリングくらいは自分でできるような子が住むのかな?と。勝手な想像ですけど。

 

これまでグループホーム?それとも入所施設?なんて、漠然と考えていたときは、衣食住のことだけをイメージしていたんですが、実際に住むとなると、「Wi-Fiの接続が切れたとき」みたいな細かい設定もイメージしておかなければいけないなぁ…と思った次第です。

そういえば買い物も1人でできる人でなければ無理なのかな?>グループホーム。

もちろん、その施設によって条件が異なるとは思うんですけどね。

そもそもホームも施設も需要に比べて供給が少ないので、どんな場所でも順応できるように、将来のイメトレをしつつ今のうちから準備をしておこう!と思いました✋

 

 

 

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親亡き後の知的障害児が1人で生きていくために” に対して6件のコメントがあります。

  1. ママリンコ より:

    施設的な所はよく分からないけど、太郎君はグループホームの方があってるような気がする。
    サナさんが教えてきたから、今があるんやと思う。太郎君ちゃんと1人で色々できてるやん。
    普通に動いてる物が反応しなかったら、私もえっ!!何?壊れた?ってパニクる(笑)太郎君もどうしていいか分からないから、サナさんに助けを求めている形が泣くんやろね。
    で、大事な物を壊すのは何かのしらの訴えかなぁ?

    1. 稲倉サナ より:

      グループホームでも生活できるように、それを目標にしていろいろ教えてきてはいますが、不測の事態が起きたときのことが心配です(´・ω・`)
      太郎に合う場所が見つかるといいんですが…。
      大事な物を壊す気持ちは理解しがたいんですが、カーッと衝動的になると自分を抑えられないみたいです。

  2. あきこ より:

    こんにちは。アメブロでは、ゆるりんです。通所している作業所のグループホームに月一回ぐらいショートスティに行っているのですが、同じ福祉会の作業所に通所している人が昼間は作業所に通所して、夜間はグループホームに宿泊して、土日は自宅に帰る。土日もグループホームのままの人がいるかはわからないです。寮母というより夜間だけの職員さんみたいです。家みたいな大きさだけど個室でした。この前、契約したばかりの入所施設にショートスティしましたが、そこはずっとその施設の中で過ごす感じで、障害が重い人の施設でした。それでも部屋は個室。昔は部屋が共同の施設もあったけど今は個室が多い。昼間はホールで過ごすみたいです。しかし、重い人の施設で作業の時間がないみたいなので、作業が全くないのはちょっと心配です。しかし、うちの県はどこも満員でなかなか入所施設には入れないので、自分の体力がいつまでもつか不安です。うちの子は入所でないと無理だと思います。太郎くんはグループホームの方があっているように感じます。

    1. 稲倉サナ より:

      ゆるりんさん、貴重な情報ありがとうございます!
      グループホームにショートステイできるんですね( ゚д゚)
      私もグループホームはいくつか見学に行ったこともあるんですが、どこも土日は基本的には自宅に帰る、お世話はするけど管理人さんに近い関わり、みたいなところばかりでした。知的中軽度の人が多かった感じです。その時はうちの太郎には敷居が高いなって思った記憶があります。
      重度の子が多い施設は確かに作業時間はあっても無いに等しい、みたいな感じで。帯に短したすきに長し、というところですかね…。
      うちの近くもグループホーム・施設ともに待機している人が多くて、何年も待たないと入れない状況です。
      私たちが元気なうちはグループホーム、ゆくゆくは入所施設、と考えています。
      やはり本人はまともに会話もできないので、後見人がいない状態でのグループホームは厳しいかと。

  3. こー より:

    こんにちは
    悩ましい問題ですね。
    今よりもう少し選べるようになると良いですよね。
    太郎くんが幸せに暮らせるといいな。

    1. 稲倉サナ より:

      悩ましいですね。でも楽しく暮らせるように、事前に準備できる事はやっておきたいと思っています。
      情報も集めておかなくっちゃ!お金がなくても楽しめる趣味なども、今のうちから模索しておこうと思います(‘ω’)ノ

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