給食のある幼稚園への転園

出典:pixabay

 

結局、年長のときに給食のある幼稚園に転園しました。

もちろん偏食だけが理由ではありません。

息子には他害があり、酷い時は幼稚園で1日に5人の園児に噛みついたりしていたからです。

障害に理解ある園で、保護者も先生方も、誰一人として私たち親子を責めることなどなかったのですが、それがかえっていたたまれなく…。

年少から入った幼稚園はいわゆるのびのび園だったので、最初は息子に合っているのかもしれないと思っての入園でした。

クラスの中で一人だけ、椅子に座れず、床に寝転んでいる息子の姿を見て、私は心の中でいつも涙を流していました。

この子は他の子と同じように、きちんと椅子に座って先生の話を聞くことなど、一生無理なのではないかと。

ところが年中になった時のことです。

それまで週1だった療育を週2に増やすため、新たに民間の療育センターに通うことになりました。

そこで見た光景は…椅子にきちんと座って先生の話を聞いている息子の姿でした。

目を疑いました。

猿のように走り回り、寝転がり、誰の話にも耳を傾けることなく自由に生きていた息子が、他の子と同じように机に向かって落ち着いた様子で座っているのです。

その療育センターは集団行動(全員で同じことをきっちりできるようにする)に重きを置いた療育が特色で、これまで通っていた療育センターよりもかなり厳しく子供に接していました。

それまでの私は、うちの自由な息子に集団行動なんて到底無理だし、あそこできちんと座ってやれている子は「できる子」なんだ。うちなんかよりずっとIQも高く、言葉も理解できて、自閉度もそれほど高くない。そういう子だけがあんな風にできるんだ。と思い込んでいました。

でも、違った。

うちの息子だって、やればできるのです。

今までは誰も彼にそれをやらせようとしなかっただけなのです。

「あなたはありのままでいいのよ」と。

それは幼稚園の先生だけでなく、私自身にも言えることでした。

偏食も仕方がないことだ、工夫しても無駄だと、どこかで諦めていたように思います。

新しい療育センターに通うようになった息子はみるみるうちにできる事が増えてきました。

が、幼稚園では相変わらず山猿のように自由奔放に駆け回っていました。

これではダメだ。

そういう思いから転園を決意したわけです。

長くなったのでまたまた続きます。

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