優先席で席を譲ることができない発達障害児

出典:イラストAC

先日、太郎と電車に乗った際のことです。

太郎は空いている席があると一目散に飛んでいってすちゃっと座ります。

まるで椅子取りゲームだなっていつも思ってますが😅

ところがその時の太郎は席が空いているにもかかわらず、ドアの近くの空いているスペースへ移動して立ったままでいるのです。

どうしてだと思います?

それはその空いている席が優先席だったからなのです。

 

登下校の付き添いで公共交通機関のマナーを伝授

出典:いらすとや

優先席=座るのはNGという行動が徹底できるようになるまでずいぶん時間がかかりました。

というのも、優先席も空いていれば別に座ってもいいよね?と思っていたし、以前は席が空いていれば優先席でも座っていたからです。

そして電車内が混雑してきて、お年寄りが乗ってきたら席を譲るという事をやっていました。

が。

これには太郎は納得いかず、ムッとして機嫌が悪くなってしまっていました。

自閉症の息子・太郎はIQ30で、高校生の現在も精神年齢は幼児ですからね…。

優先席の意味がわからないんですよね。

どうしてそれまで座っていた自分の席を、後から来た他人に譲らなければならないのかということを。

そして、その譲る対象は誰でもいいわけではなく、ある特定の人らしい。

でもその特定の人の定義がわからないのだと。

ちなみに特定の人の定義はこちら☟

優先席(ゆうせんせき、英語: Priority seats)とは、鉄道・バスなどの公共交通機関に設置される、特定の属性の乗客を対象とした、着席を優先する座席である。一般には交通弱者高齢者、障害者、傷病者、妊婦、ベビーカー含む乳幼児連れなど)を対象とした福祉的目的で設置されるものを指すが、中には宗教的戒律に基づくものもある。

出典:優先席 – Wikipedia

 

これは難易度が高い😂

IQ30重度知的障害児の太郎には難しいだろうな。

いや、私自身だって高齢者って何歳以上なの?と悩むことがあるくらいですからね。

「私はまだそんな年じゃない!」なんて思われないか、失礼にあたらないか…なんて、うじうじ悩んでしまうことが多々あるんですから。

そういえば優先席のことをシルバーシートって呼んでいましたよね、昔は😅

 

「お年寄りに席を譲る」という行為のハードルの高さ

出典:イラストAC

とにかく私自身も悩むくらいの「ある特定の人に席を譲る」という行為のハードルの高さよ😂

これを太郎に徹底させるのは難しい。

万が一太郎が「どういう人に譲るべきか」ということを理解できたとしても、いったん座ってしまった席を譲りたくないという気持ちが勝ってしまうだろうし、そもそも自分の席の前に立った人がどういう人か、わざわざ確認することをしないだろうとも思う😂

となると、私が太郎に教えてあげられることはただ一つ。

「優先席には座らないこと」

これですわ。

最初から座らなければ譲る必要性もないんです。

できない事を無理して教えるよりも、最初からそういうシチュエーションを作らないようにすればいい。

というわけで、週末はもちろんのこと、平日の登下校中も私が太郎に付き添いつつ、「優先席が空いていても座らないように」と囁きながら徹底させてまいりました。

最初の頃は毎回声をかけないと座ろうとしていましたが、最近ようやく優先席が空いていても座らないでいられるようになりました😊

 

まるで印籠⁉ ヘルプマークでトラブル回避

出典:PAKUTASO

ところがですよ。

うちみたいに重度障害があり、親が登下校の付き添いをしている子よりも、軽度知的障害の子が意外にも「優先席でお年寄りに席を譲る」という行為ができていない😔

他にたくさん席が空いていてもあえて優先席に座る子。

明らかに90歳は超えていると思われるお年寄りが目の前に立っていても席を譲らない子。

見るに見かねたのか、軽度知的障害の子の隣に座っていた70歳代と思われる方が立ち上がって90歳超の方に席を譲っている光景を見たこともあります。

そういったお子さんはおそらく、かなり年齢が幼い頃から一人で行動することができていたため、親御さんが公共交通機関でそういった類のマナーを教える機会がなかったのかな、と思われます。

もちろん、一人で登下校をしている軽度~中度の子の中にも親御さんが「優先席に座るな」ということを言い聞かせているケースもあります。

軽度のお子さんでもやはり「特定の人の定義がわからない」「誰に席を譲ればいいのか判断できない」という子はいるんですよね。

そういう場合はうちと同じく、親御さんが「優先席に座らないように」と子供に言い聞かせているとおっしゃっていましたね。

私が太郎の登下校の付き添いの際に、軽度知的障害の子が優先席に居座ってお年寄りや妊婦さんが目の前に立っても絶対に席を譲らない…という場面を見かけることがあるんですが、その子に対して注意するべきかどうか、非常に悩ましく思ってしまいます😔

彼(彼女)は「お年寄りには席を譲るべき」ということ知らないだけで、ひとこと教えてあげればいいだけの話なのではないか?とも思うからです。

でももっと根本的な話かもしれないし、事情がわからないまま注意するのもなぁ…とも。

これって、1人や2人だけの話ではなく、結構ちらほら見かけるんですよね。

なので、学校で指導してもらえばいいのかとも思うんですけど、というか、指導しているはずなんですけれども、なかなか改善されないのでモヤモヤしています。

 

ちなみに、私が見かけるそういった子たちはみんなヘルプマークをつけているので

お年寄りを差し置いて席に座っていても、誰からも苦情を受けることはないんですよね。

ヘルプマークをつけているから、立っていられない事情があるのかも…と思われているのかもしれません。

私は見ていてヒヤヒヤしていますが、意外にもこのヘルプマークが印籠がわりになり、これまでトラブルになった場面を見かけたことはありません。

ヘルプマークの意外な効能😂

 

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優先席で席を譲ることができない発達障害児” に対して12件のコメントがあります。

  1. z1974 より:

    おはようございます。地域によって優先席は違いもあるらしいです。札幌地下鉄は専用席と呼ばれ空いていても一般人は座ることは憚れるようです。高校生の娘は毎日かなりの荷物で通学しているから普通席には座って欲しいですが、遠慮してるみたい。エスカレーターも地域によって左右あけるの違いありますよね。本当はあけてはいけないみたいですが、真ん中には立てないですよねー。正解は一定ではないから判断が難しいですね。

    1. 稲倉サナ より:

      専用席ですか!なるほど、空いていても座ってはいけない雰囲気があるんですね。
      そういえばうちの次男はどうしているんだろう。テスト前は眠ってしまわないように座らないようにしているとは言っていますが(笑)
      エスカレーターはそうですね、東京では右側が必ず空いていますが、立ち止まっている人はほぼ見かけません。憚られる雰囲気があるんですよね。
      ローカルルールまで考えると本当にマナーの問題は難しいと感じます。

  2. 森の中から より:

    優先席にはヘルプマークの記載もあり、印籠代わりではないです、精神障害は、見た目では解って貰いにくいです。他にも、内部障害の方もヘルプマークは含まれる筈です。

    1. 稲倉サナ より:

      すみません、言葉足らずでした。
      印籠替わりというのはこういう意味です。
      私が見かける優先席に座ったままお年寄りに席を譲らない子たちは、本来は優先席に座る必要がない子たちです。
      身体障害はなく内臓疾患等もなく、ずっと立っていられます。
      おそらく優先席に対してのこだわりが強く、他に普通の席がたくさん空いていても必ず優先席に座ります。
      そして乗客が増えて混んできて、90歳以上のお年寄りが目の前に立っても席を譲ることはしません。
      こういう子たちが優先席に2~3人まとまって座っていることもあって、乗客のあいだで微妙な空気が流れることもあるんです。
      それでも誰も文句を言わないのはその子たちがヘルプマークを付けているからだろうと思います。
      (親御さんもトラブル回避の目的もあってヘルプマークを付けさせているんだとは思います)
      本来は優先席が必要じゃない子たちでもヘルプマークが印籠がわりとなり、優先席に座り続けられている…ということが言いたかったんです。
      この子たちのケースに限っての表現のつもりでした。

  3. こー より:

    こんにちは
    東京に住んでいたとき電車に乗るたびこの優先席て、と思っていました。
    元気そうな学生さんがスマホをしていたり
    お嬢さんがひっしこいて化粧していたりと。
    席を独占、きっとこの人たちは優先席が必要な人なんだろうと思うようにしていました。
    見た目では分からないので難しいですね。

    1. 稲倉サナ より:

      最近の傾向としては、若い人も空いていれば優先席に座ることはあっても、やっぱり最初から座らないように避けている人が多い印象があります。
      以前よりは必要としている人が席に座れるようになっているのではと思います。
      ただおっしゃるとおり、見た目ではわからない部分もあるので難しいですよね。

  4. にゃんこ より:

    うちは人見知りが激しかったので、小さい頃は隣に私がいないと座れませんでした。
    できるだけ端に座らせていました。
    もちろん、一人で走って先に席につく事も出来ず、混んだ電車では先頭に並んでいても、次男がもたもたするので座る事が出来ない事も多かった。
    中一の時に毎日電車で隣の駅のフリースクールに通っていたのですが、その時にマナーの様なことを学んだのだと思います。
    私と練習したひと月の間ではなく、一緒に通っていた一つ年下のお友達(軽度?知的障害かなぁ?もしくはボーダー)と二人で通っていました。
    ほとんど座らず、先頭車両に立っていたはずです。
    フリースクールでも先生がホームまで来られて注意されていました。(私はホームで待っていました)
    その子のお陰で今までの電車移動=座ることから、運転席を見ながら乗る事に切り替わって、私の緊張や心配も少なくなっていきました。
    今、事業所には電車で二つ目の駅まで通っているのですが、先日、足を踏んでおじいさんに怒鳴られたと半ベソで帰ってきました。
    半分くらい理解できた内容では、先輩とふざけていて(先輩にくすぐられていた)逃げた拍子に踏んだそうです。
    全く、ちゃんと謝れたのかどうか、泣いてるしほぼパニックで何を言っても無駄なので黙っていましたが。
    先輩のせいにしちゃっているのも、何だか。
    うちは、まだまだ、ですね。

    1. 稲倉サナ より:

      素晴らしいですね!なんて面倒見のいいフリースクールなんでしょう。
      おじいさんの件はしょうがないですよ。
      うちの次男も小学生の頃にエスカレーターで前に立っていた女性のサンダルの後ろの部分を踏んづけてしまったことがあり(わざとではないです)、その女性に激怒されたことがあります。次男は半べそかいていましたよ。
      こちらが委縮するほど激怒する人はたまに遭遇しますし、そうなると委縮してしまって「すみません」の言葉が出なくなったりして。
      先輩のせいではないことはわかっていても自分が怒られたと思うのは怖い、それだけショックだったんじゃないでしょうか。
      逆にうちの太郎は自分が悪くなくても「ごめんなさい」と謝ってしまう「謝り魔」なのでそれはそれで心配です(;’∀’)

      1. にゃんこ より:

        謝り魔。
        日本だとすごいスキルですね。
        (外国だとダメなケースもあるかもしれめせんが)
        本当にさなさんは障害児子育ての神✨です。
        素直に謝らない事で本当に困ったし、損をしている我が子。
        それは私の育児の失敗でもあって、グチグチと親子で反省できない我が家です。

        1. 稲倉サナ より:

          外国だとアウトですよね(゚з゚)
          でも日本もアメリカ化(すぐ訴訟に持ち込む)していますから気を付けないと。
          いえいえ、私なんぞまだまだ小童ですよ(笑)
          素直に謝れないのは性格もあると思うので、本人のプライドを傷つけない方法でうまく話がもっていければいいんですけどね。
          なかなか子育ては難しい。

  5. えびコロッケ より:

    我が家も人を見て判断するのは難しいので、「優先席は座らない」と教えています。
    そして自閉症だとわかった時から、将来この子が免許を取れるとは思えない!ならば公共の乗り物に慣れさせなければ!の一念で、恥を思いっきりかきながら、外出の時はできる限り電車バスを利用してきました。優先席以外に、困った行動は停留所の列に割り込もうとする。停車ボタンを押したがる。この2点でした。
    練習スタートは幼稚園のちびすけの時だったので、「親の躾が〜」のお小言でなんとか乗り切ってきました。あの時はストレスMAXだったけど、17歳の今ではすっかり良いこマナーを身に付けたので、やって良かった!です。

    逆に気になるのは、普通の方々のスマホに夢中で目の前にお年寄りや妊婦さんが立っていても、気がつきません〜の態度です。あまりにも徹底したスルーに、結界!? スマホ結界があるの??と思ってモヤモヤしています。

    高等部卒業したら付き添いバス通になるので、ヘルプマーク申請します。忘れるところでした。ありがとうございました。

    1. 稲倉サナ より:

      優先席についてはナーバスな面も多く大人でも判断が難しいですよね。
      一般的なマナーについては小さい頃からコツコツ教えていけば大きくなってから苦労しなくて済みますよね(^^)
      私が見かける優先席を譲れない発達障害の子たちはもはや「こだわり化」してしまっていて、普通の席が空いていても座らないんですよね。
      うちの太郎も決まった席に座りたがるんですけど、座れなかった時のダメージが大きすぎるのであえて同じ席に座らせないようにこだわり崩しをしています。
      スマホ結界(笑)
      またまたパワーワードが飛び出しました( ̄▽ ̄)
      気がつかないのかわざと見ないようにしているのか…モヤモヤしますよね。
      なので逆に「え?あなたが?」という感じの見た目の若者がサッと立ち上がりスマートに席を譲っているのを見ると「おおー( ゚д゚)」と感動してしまいます(笑)

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