プライドが高いわけじゃない。失敗を恐れる自閉っ子

失敗

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重度知的障害を伴う自閉症の長男・太郎は、この春高校生になりました。

太郎は学童期からずっと特別支援教育を受けてきましたが、この段階になると「学習」というよりは「就労」を視野に入れた教育がメインとなり、小学校の時のように漢字や計算をがっつり教えてもらえる時間はもうありません。

とはいえ、生きていくうえで読み書きができた方がいいに越したことはなく、せめて小学校3年生程度の漢字の読み書きはマスターしておきたいな…と思い、我が家は自宅で自主的に漢字の勉強をやらせています。

 

失敗を極度に恐れる息子に呼び出され…

学習

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昨夜、私が食器洗いをしている時に太郎に漢字のプリントをやらせていたのですが、「お母さん!」「できない!」って

1問解くごとに呼び出される😂

えっ、そんな~?

って。小学校3年生の漢字プリントなのですが、もう1年くらいずっとやっているので、教えてもらわなくても5割くらいは解けると思うんです(゚з゚)

どれどれ、と家事の手を止め、太郎が取り組んでいるプリントを見てみると、これは明らかに解けるはずという問題につまづき、「お母さん!」と私を呼びだしているのです。

何故か?

それは失敗したくないという気持ちが根底にあるからに他ならない(‘A`)

 

間違いが許せない!完璧主義の自閉っ子

こちら👆のブログにも書きましたが、

自閉症あるあるの特性なんですよね、結局のところ。そう、

完璧主義。

失敗したくない、間違えたくない。

間違った自分が許せない。

 

完璧主義は”発達障害あるある”

「完璧主義」「失敗を過度に恐れる」というのは発達障害の特性としてポピュラーなんですね。

「自閉症・完璧主義」「発達障害・完璧主義」などと検索すると、山ほど情報が出てきます✋

うちの子のように重度知的障害かつ言語発達遅滞がある子供は、失敗して泣き叫んでも「また泣いてる」くらいにしか思われませんが😅

知的な遅れのない発達障害の子の場合はプライドが高いなどと誤解されることもあるようですね。

実の親御さんですら「うちの子は完璧主義で~」「プライドが高くって」と、発達障害の特性とは思わずに、そういう性格なんだと勘違いしているケースもあるほどです。

可哀想ですよね。障害の特性だから、本人には如何ともしがたいというのに…。

 

泣いて鼻水垂らしながらゲームを続ける息子

ゲーム

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完璧主義は学習面だけでなく、遊びの面でも厄介なんですよね(‘A`)

以前…小学校の頃のことですが、太郎がニンテンドー3DSのとあるソフトがお気に入りで。

それはミニゲームがたくさん入っている系のソフトで、なかでも落ちてくる食べ物を全部キャッチすればクリア!みたいなゲームが大のお気に入り。

事あるごとにそのゲームをやっていたんですが(こだわり化してましたね😅)

太郎もなかなか上手なもので、たいていクリアできていたのですが、

私がたまたま見かけたときに、

落ちてきた食べ物がスルッとその手からこぼれ落ちた…!

 

( ゚д゚)・・・。

 

ムンク

この後の展開はご想像にお任せします😂😂😂

 

「失敗は成功のもと」は健常者の理論。自閉っ子には成功体験を

失敗

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「失敗は成功の基」とか「失敗から学ぶ」とかよく言われていますよね。

つまづいたことのない人は打たれ弱いとかね。失敗を経験した方が強くなれるとかね。

けど私から言わせればそれはあくまでも健常者の理論😗

うちの太郎は失敗したらこの世の終わりみたいな騒ぎっぷりですよ😂

失敗すると冷静に考えることができなくなるんですよね。

自閉症の子が失敗で学ぶのは子供自身じゃなくて親の方なんじゃないかな😅

あ、これやっちゃいけなかったやつ😂

…みたいな🤣

 

豆腐メンタルの子は”褒めて育てる”

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完璧主義の子って、裏を返せばガラスのハートの持ち主なんですよね。

今風に言えば豆腐メンタルですかね。失敗することが怖いんですよ。失敗してガッカリされたり、責められるんじゃないかって思ったり。

だから、こういう豆腐メンタルの子にこそ、”褒めて育てる”ことが必要なんじゃないかと思うんです。

そして褒めて育てるためには、親がその環境を整える必要があるかと。

 

・あきらかに本人には難しいと思われるものを買わない、与えない、やらせない

・できないうちは親が常に付き添いできるようになるまでは一人でやらせない

・難易度やや低めの課題を与えて自己肯定感を上げる

・さりげなくヒントを与えるなどして、あたかも本人が自分だけの力でやり遂げたようにお膳立てをする

・「惜しかったね」「あと少しだったのに」ではなく、「よくできているね」「すごいよ」と肯定的な言葉に置き換える

 

とかですね。

褒めて育てるっていっても、普通に暮らしているとそうそう褒めちぎる点など見つからないですよね?

だから褒めてあげるための場を大人がさりげなくお膳立てしてあげるってことが必要なのかと。

おそらく特別支援教育に携わっている先生方はすでに実践されていると思いますが。

 

そんなわけで、今日も我が家はちょっと頑張れば100点が取れるという微妙な塩梅の課題を太郎に与えることにします(‘ω’)ノ

 

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プライドが高いわけじゃない。失敗を恐れる自閉っ子” に対して4件のコメントがあります。

  1. はちのすけ より:

    ブログを移られてから、初のコメントです。

    うちの息子も、療育で置いてあったトランポリンで遊べるようになるまで、近づく→離れる→近づく→乗ってみる→すぐ降りる…という感じで、近くで見ていてもどかしかったです(-_-;)
    今はできることでも「手伝って〜」とか「できないよ〜」などと言ってくるので、幼稚園入園してまだ1ヶ月なので、少し甘えさせているところもあるのですが、どこまで手助けして良いものか、模索中です(ノД`)
    できることなら、やはり身辺自立を自主的にやってくれると幼稚園の先生方の負担も減りますし、助かるな〜と思うのですが、息子が自分でやりたい!と言うことは、家の鍵閉め(カードキーです)とか、料理のときに食材を洗ったり切りたがったり、補助輪つき自転車を1人で乗りたがったり…(1人ではとても運転できないのに、私や夫が支えると手を振り払ったり自転車は買うタイミング早かったかな、と反省してます)。
    モチベーションが低いものへの取り組ませ方にちょうど悩んでいるので、今回のサナさんの記事内でのアドバイス、とても参考になります。

    先日は、幼稚園の入園式で1人だけ立席して浮いていて、すごく悲観的だったのですが、単独通園が始まって、息子なりに徐々に慣れていっているようで、少し安心しました。
    担任の先生も色々と配慮してくださっていまして、単独通園初日の夕方に、電話で息子の1日の様子を詳しく報告してくださって、電話を切ったあと、なんの涙なのかわからないのですが、涙がとまりませんでした(T_T)

    とりとめのないコメントですみませんm(_ _;)m
    ちなみに、私はサナさんのブログで初めてGoogleアドセンスというものを知りました。
    発信するのも色々な方法があるのですね〜。

    1. 稲倉サナ より:

      はちのすけさん!ご無沙汰してます。遊びにきてくださってありがとうございます\(^o^)/
      やりたがる事がピンポイントすぎるという点、わかります(笑)
      うちの太郎も民間の駐車場の支払いゲートで駐車券を受け取る、料金を払う、というのをやりたがるんですよね(゚з゚)
      自転車の件もわかります!「あ、買うのちょっと早かったな」と。タイミングを間違うと親が大変なんですよね(;’∀’)
      幼稚園は最初は他の子との差が開きすぎていて凹むことも多いですが、先生方に支えられながら徐々にできることも増えていって、気がつけばいろんなことがいつの間にかできるようになっていて。あの頃は私もいろんな涙を流しました。そういえば今は泣くこともずいぶん減りましたね。
      Googleアドセンス、私もわりと最近知ったんです(;’∀’)
      実際に個人でブログを立ち上げてみると、できる事の幅が広がって日々勉強です(‘ω’)ノ

  2. こー より:

    こんばんは
    なるほど、失敗を嫌がるだね。
    本当にガラスのハートなんだね。

    1. 稲倉サナ より:

      失敗を嫌がるのは誰でもそうかな?とは思うんですが、極端なんですよね(‘A`)
      ガラスのハートです。割れないように、気をつけて接しています。

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