重度知的障害児の息子にコロナウイルスを理解させることは難しい
出典:pixabay
コロナウイルスにより平凡だった日常生活が脅かされるようになってから、約1年半が経とうとしているんですね。
我が家にはこの春高校生になった重度知的障害を伴う自閉症の息子がおり、目に見えない敵とも言えるコロナウイルスに対して、どんなふうに説明すれば理解してもらえるのか、苦慮する場面が多かったように思います。
IQ30かつ言語発達遅滞の息子にはハードルが高すぎる
出典:pixabay
昨年3月。学校が突然休校になってから、それはもういろいろと大変でした。
うちの息子はIQ30なので、精神年齢は4歳程度の幼児なんですよね。
4歳程度の幼児だったとしても、「コロナウイルスとは何ぞや」という事は説明すればなんとなく伝わるものだと思いますが、そこは言語発達遅滞もあるうちの太郎。
言語面の発達は体感1~2歳児ということもあって、コロナウイルスがどういうものか、それが私たちの生活にどんな影響をもたらすのか、言葉で理解させることは不可能です。
ある日突然学校が休みになり、家に閉じこもって生活しなくなったのは何故なのか?
それをうまく説明することができなくて、私はとにかくもう「コロナだから」としか言えなくて😂
太郎は「は?コロナだから、何?」って思っていたことと思います😂
太郎も何だかよくわからないけど、「コロナウイルス」というものが原因で、そのせいで引きこもり生活を送らなくてはいけなくなった、ということだけは理解できたようです。
ですが、となると、いったいいつコロナは終わるの?いつ学校に行けるの?いつ外に出ても大丈夫になるの?
と思うわけですよ。
予定を聞いてくる太郎に辟易した私は、カレンダーに「コロナ」と書きまくりましたね😂
コロナって書いておけば学校は休み&引きこもり生活、ということだけは理解できるかと。
そんな生活をしていたら、当然ながら太郎は地味に病んでいきました。
だけどいつまでこんな生活が続くのか、それは大人である私自身にもわからない。
だからうまく説明することなどできない、無力感を感じていました😢
そうこうしているうちに、学校が再開する日も近づいてきて。
太郎なりに、電車が動いている、お店が開いている=コロナ終わり?みたいなことは感じ取るようにはなってきて。
学校が再開し、しばらくすると太郎は「コロナは終わったんだ」と勘違いするまでになりました😂
コロナは終わったと思い込んでいる太郎は、しばらく遊びに行く予定だとか、祖父母の家に泊まりに行く予定だとか、学校の行事だとか、そういった楽しいこともすぐに再開できると思い込んで、母である私に「いつ行く?」と詰め寄るようにもなりました😅
でも当然ながらコロナは終わってなどいないわけで、その後も不自由な生活が続きました。
もはやコロナは太郎の生活の一部となり、近頃では太郎もコロナ禍の生活様式に慣れきっていました。
太郎にとってコロナウイルスって何なんだろうな。
意味はわかっていないけど、なんとなく嫌なものだけど、1年以上も経つと、最近では「コロナ」と口にすることもなくなった太郎でした。
ところが。
ニュースを見てショックを受けた太郎が叫んだ言葉は
出典:pixabay
太郎と一緒にテレビを見ていたら、突然、土石流のニュース映像が流れてきました。
画面を食い入るように見て、ショックを受けた太郎が突然叫びはじめたのです。
コロナ、コロナウイルス、コロナウイルス!!と。
目の前の痛ましく恐ろしい光景が、コロナウイルスのせいだと、とっさに思ったのでしょう。
私自身もショックを受けていたこともあり、コロナウイルスじゃないよ、と振り絞るように答えるのが精いっぱいでした。
けれども思ったのです。
太郎にとって、コロナウイルスというのは私が想像している以上に恐ろしいものだと感じているのだと。
コロナについて上手く説明ができず、「コロナが早く終わるといいね」とだけ言い聞かせてきてはいたものの、実は太郎は本質をちゃんと理解していたのだと。
それほど、コロナによる一連の出来事が、太郎の心に深く影響を及ぼしていたのだと。
私が思っているよりも、ずっとずっと太郎は傷ついていたのかもしれないと思うと、涙が出ました。
知的障害だから、どうせわからないからと、説明することも放棄していた自分はダメな母だと反省しました。
もっと心に寄り添う努力をしなくてはいけないな、と。
長らく続くコロナ禍の影響もあるのか、太郎は今あまりいい状態ではありません。
あらためて、自然災害や感染症の脅威の前にさらされた、人間の無力さを感じています。
せめて子供たちが、心が病むことのないように。今まで以上に心を配って見守りたいと思います。
☆お知らせ☆
「にほんブログ村」のランキングにも参加しています!
ブログ更新の励みになりますので、よろしければ下記バナーをポチッといただけると嬉しいです🎵
いつこです。
ご無沙汰しております。
私の住んでいる場所周辺に川はありません。
なのでニュースを息子に見せながら
自然の怖さを説明してみました。
しかし何度も目にした息子は
やはりショックが大きかったようなので、
タイミングや回数を誤ったと反省しています。
息子自身も濃厚接触者になり、
自粛期間がおわったところという
極めて微妙な時期だったことも
少なからず影響しているよなぁと思い
後悔しました。
コロナ、終わりませんかね。
いつこさん、ブログの方は毎日拝見しているので久しぶり感はありませんが(笑)
息子さんの濃厚接触者の件は大変でしたね(;’∀’)
やはりあのニュース映像は子供にはかなりショックだろうと思います。
太郎はテレビ画面を指さして、お母さん、コロナが、コロナが、と興奮した状態で私に必死に訴えていました。
今回のことはコロナとは直接関係ないにしても、コロナの影響が子供たちの心に影を落としていることは間違いないかと。
息子さんも怖かったかもしれませんが、いつ何時、自分たちも災害にあうかもしれず、自然の脅威を知っておくことは大切かと思います。
こんばんは
太郎くん大丈夫ですか?
怖かったんだろうね。
あの映像観て私も唖然としてしまった。
自然と言うものは防ぎようがないものね、本当に人間て無力!
これからはいつどこで何が起こるか予測が難しいでしょうね。
コロナの説明は難しい、目に見えないものだしね、最近気が緩んできているみたいだし、大人がそうだからね。
サナさんも大丈夫?
太郎は滅多にテレビのニュースに注目することなどなかったのですが、土石流の映像にはとてもショックを受けていて、コロナウイルスのせいでこんなことになってしまったのではないかと、私にコロナコロナと質問を投げかけてきたのです。
私自身も映像を見てショックを受けていて、太郎のように知的障害があったとしても事の重大さは理解できるのだと思うと、大変な事が起きてしまったのだと震えています。
太郎はその後もニュースの映像を見入ってはいましたが、今は落ち着いています。お気遣いありがとうございます。
私も大丈夫です。でも他人事じゃないですね。近年、想像もしなかった災害が起きているので、誰もが自分にも起きことだとして心づもりをしていた方がいいと。
行方不明の方が、少しでも早く見つかるように。