親子で顔を晒す発達障害児ファミリー急増の背景

家族

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アメブロからWordPressにお引越しした理由については、以前ブログに書きました。

アメブロを始めた理由。アメブロを辞めた理由。

もう引っ越すかな~と思い始めたのは今年に入ってからですが、「そろそろ卒業するかな」と決定的に感じたのは、毎日のように発達障害児の親のブログがアメトピ(トップページ)を飾っている状態に気がついてからでした。

なかでも、発達障害児の顔出しファミリーが次々と現れ、スタンプ等で顔を隠すことなく、加工無しの写真入りでつぶさに生活を晒しているのです。

正直なところ、発達障害児のブログが飽和状態のアメブロでは、もはや匿名で記事を書く私はお呼びでないと感じたんですよね😅

それにしたって、現在もなお増え続けている発達障害児の顔出しファミリー。

どうして今ブログ界(てか、アメブロだけか?🤣)では、顔出しブームになっているんでしょうか?その謎に迫ってみました✋

 

もはや発達障害は他人事ではなくなっている

ブログ

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まず、アメブロのトップページ「アメトピ」には発達障害関連の記事が激増した感があるんですよね。

コロナ禍になってから旅行やイベント関連が軒並み中止になっていることから、世間的に話題が乏しいということも影響しているのかもしれません。

ちなみにアメトピというのはこれ↓

アメトピとは

アメーバトピックスの略称で、ピックアップ専門チームが365日、毎日、人の目で実際にブログを読んでピックアップした記事のことです。
ピックアップされると、ホーム画面やジャンルページのトップなどに掲載されます。
掲載期間は約2日程度となっておりますが、前後する場合があります。

Amebaヘルプ|アメトピとは より引用

アメトピは基本的には「アクセスが伸びそうな記事」が選ばれているようですが、ブログを始めてから日が浅い初心者が取り上げられることもあるようで、私自身もアメブロを始めて最初の4か月くらいまでは、月に2~3回ほどアメトピに取り上げてもらっていました。

アクセスが伸びそうな記事というと、

・ダイソー、ユニクロ、GUなど、プチプラ系ショップの紹介記事

・コストコ、イケア、カルディ、スタバなど人気店の紹介記事

・旅行や人気スポットの紹介

・貯蓄や節約などのお金系お得ネタ

・専門性があり、かつ文章としても面白い記事

・「夫婦関係(離婚・不倫)」「嫁姑」ネタ

・闘病記

・育児、受験、不登校、イジメ、ママ友など子供関連ネタ

この子供関連ネタのなかでも特にアメトピに取り上げられがちな記事が発達障害関連なんですよね。

今や10人に1人はなんらかの発達障害があると言われる昨今。

発達障害の話はもはや他人事ではないと思う人が多いのでしょうね。

家族に発達障害の人がいる、という人だけでなく、「もしかして子供が発達障害かも?」と不安に思っている親御さん。兄弟姉妹の子供が発達障害。ママ友の子供が発達障害。自分自身が発達支援関係の仕事をしている。発達障害の親子に関わって嫌な思いをした。などなど。

先日放送された「ドラゴン桜」第5話が発達障害の子を取り上げたことでかなり話題になったようですが、それだけ「発達障害」が身近なものになっているのでしょう。

 

何故”顔出し家族”が増えているのか?

家族

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そんな発達障害関連のブログを書く人のなかでも、とりわけアメブロ運営サイドに推されがちな人が「イラストを書ける人」と「顔出しファミリー」かなと思っています。

これは大人の事情も絡んでいるのかと思うのですが、アメブロの一般人は著作権侵害の画像を使っているブログが結構たくさんありますよね。ありますよね、っていうか私自身がたくさん使ってました🤣🤣🤣

おそらくアメーバのオフィシャルブロガーになる条件として、著作権侵害の画像や引用文はご法度だと思いますし、オフィシャルでなくともアメトピのように目立つ場所に記事を取り上げる場合、著作権に関するチェックはしているのでは?と思います。

その点、自分でイラストを書けるブロガーさんは著作権を気にしなくて済むため、言い方が悪いですけど”使いやすい”人材ということになるんですね。

また、イラストや漫画は読みやすいためにアクセスを稼げるポイントにもなるかと思います。

そして顔出しをする方も然りで、顔出しするブロガーさんは概ね自分で撮影した画像をメインに掲載する傾向があり、インターネットの拾い画像を使うことがほぼないため、これも著作権を気にしなくて済むという点ではイラスト系ブロガーさんと同じく”使いやすい人材”となります。

それに加え、やはり”子供の顔を出している”というのは発達障害に限らず、それだけで読み手の興味を引き、アクセスが上がる要素となりますよね。

著作権に引っかからず、なおかつアクセスも稼げる、ということで、顔出しファミリーをアメトピに取り上げることは、運営側・ブロガーともにwin-winなのだということがわかります。

 

重度の子をもつ母ほど外に働きに出られない

パソコン

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そして、アメトピ以前に発達障害ファミリーの顔出しが増えた理由についても考えてみました。

発達障害児に限らず、子供が幼い頃は専業主婦だったとしても、子供が大きくなり、手が離れ始める小学校高学年頃から働き始めるママは多いかと思います。

ところが子供が発達障害児、それも自閉度や知的障害が重度であるほど、その母親は子供に常に寄り添っていなければならず、働きに出る事が難しい。

私自身がそうです。うちの子は自閉度も重度、知的障害も重度にくわえ、多動・他害があるため、幼い頃はいつ呼び出されてもいいように外出も控えめにしていたほどです。

子供が大きくなっても、一人で外出させることも留守番させることもできず、学校が休みとなる長期休みなどに預け先が確保できず、外に働きに出ることは難しい。

同居の親がいる、夫がかなり時間に融通がきく職種、など、自分以外に子供のサポートを頼める場合は別ですが、実際にはワンオペで育児をやっている方の方が多いんですよね…。

私の場合はたまたま子供が生まれる前から在宅ワークをしていたので、自宅で細々と仕事をしていますが、やはり子供の障害が重く、外に働きに出られないママたちがブロガーという職業を選ぶことは理にかなっている事だと思います。

ただ、ブログを書いただけでは1円の儲けもありません。記事にアフィリエイトを貼っても、一般人のブロガーでは収益を得るためにはかなりの努力が必要となります。

一方、アメブロではオフィシャルブロガーになれば、アクセス(PV:ページビュー)に応じた報酬がもらえます。

このオフィシャルブロガーになるための近道が「顔出し」だと思っています。

数年前であれば、文才がなくても、顔出しをしなくても、「発達障害児の親」というだけでオフィシャルになれていた時代もあったのかと推察されますが、今や発達障害児の親ブロガーはアメブロ内にあふれるほどいます(私もそのうちの一人でしたが😅)。

そんな中で顔出しをするということは、そのこと自体が強みであると言えるのかと。

親子で顔出しされているブロガーさんは、私が拝見した限りはどの方もとても苦労されていて(お子さんが重度の方が多いんですよね、やっぱり)、経験値があり、豊富な体験談を持っている方ばかりです。

おそらく顔を出すことで、私たち障害児の家族が抱える困りごとを、より印象的に伝えていきたいという意思があるのでは?と感じています。

 

顔出しすることのメリット・デメリット

親子

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親子で顔出しをしている方は、かなりの覚悟をもってやっていらっしゃるのだと思います。

メリットもありますが、むしろデメリットの方が大きいと思うからです。

ただ、これは私の感じ方であり、実際はメリットの方が大きいからやっているんだよ、ということなのかもしれません。

私自身はデメリットの方が大きいと感じるので、匿名で記事を書いているのですが。

実際、顔出しした際のわかりやすいメリットは「収益を上げやすい」という1点のみだと思っています。

長い目で見れば、顔出しすることで障害児とその家族の困りごとを世間に理解してもらえる、受け入れてもらえるような社会を作る、などという、この上なく素晴らしいメリットもあるかと思います。

しかしながらおそらく、顔出しすることによって望むようなメリットは、実際にはわずかにしか得られないのではと思うんです。

そういう意味では顔出しをして障害児をめぐる生活の実情を訴えている方は、なかばボランティアのような側面もあるのかもしれません。

逆にデメリットの方は、たくさん思いつくんですよね。

 

・個人情報が特定されて生活が脅かされる

顔出しといっても両親の顔だけで、お子さんの顔はスタンプで隠されている方もいるかと思いますが、親御さんが顔を出していれば結局のところ個人情報の特定は容易です。実際に知っている方が見れば一目瞭然です。

そしてブログを見ているのは近しい存在の、好意的に接してくれている人ばかりではないということ。悪意をもって見ている人が、どこかのサイトで個人情報を特定できる書き込みをする可能性も高いということです。

そしてブログという特性上、学校や住居が特定される可能性も高く、例えば知的障害のあるお子さんが1人通学している場合など、ブログが原因で犯罪に巻き込まれる可能性もあるということです。

これは障害児のブログに限った話ではなく、犯罪者というのはいろんな所で目を光らせているものですから、SNSで個人が特定されるような記事は、本来ならできるだけ避けるべきだと思っています。

 

・子供本人やきょうだい児がブログを読んで傷つく

顔出ししているブロガーさんは知的重度のお子さんが多いので、これに関しては大丈夫かと思いますが。

知的障害が中軽度の場合、お子さん自信がスマホやタブレットを見て、内容を理解する能力を持っているケースは多いかと思います。その場合、親が書いているブログを目にする可能性もあるわけです。

そしてその親は、自分の事を記事にしている。それもいい事ばかりではない。時には自分のことを”お荷物”発言してるものもある。それを見た子供が、どう思うのか。

また、きょうだい児がブログを読む可能性はさらに高いわけですよね。きょうだい児がブログを読むという前提で、これまた当たり障りのない文章を書かねばならないわけです。

これが匿名であれば子供の目に触れることもないわけです。顔出しするということは、子供に見られてしまうリスクも高いということで、そうなると本当に当たり障りのない文章しか書けなくなるのでは、と。

 

・幼稚園や学校の先生などを公開処刑しないように要注意

そして顔出しすることで、少なくとも実際に関わりのある人には身バレします。

知り合いはおそらく、静かに、その人のブログを更新するたびに読み続けると思います。

何故なら、発達障害児の親が書くブログは、幼稚園のこと。学校のこと。療育のこと。病院のこと。

やはり子供に関わることを、書かざるを得ない、いえ、書くためにこそブログをやっているわけです。

幼稚園であったこと、学校であったことを書くでしょう。

そこに書かれていること。先生のこと。お友達のこと。

ときには、不満に思っているようなことも書く人がいますよね。

そうすると、どうでしょう?

うわ!これもしかして私のこと?

公開処刑かよ😂

実際に携わる方々は戦々恐々とするでしょうね。

そうなると、良識ある人なら、こうするでしょう。

子供の身の上に実際に起こったことは、すべて当たり障りのない表現で書く。

実際、顔出ししているブロガーさんの記事を見ると、ほとんどの方が実際に接する先生方に配慮した内容のブログを掲載されていますね。

 

顔出しって、結局そういうことだと思うんです😐

 

私は、本来は嫌な思いをした!対応が最悪だった!

みたいなことがあったとしたら、そこは正直に書きたいし、伝えたいと思うんです。

けど顔出ししていると、それはやっぱり忖度してしまって、できない。

 

難しいですね。

顔出しをしている方は、おそらく日々いろんな事に悩まれていると思います。

サラッと記事が書けなくなったりね。

 

けど、世間が顔出しを望んでいるから、顔出しするファミリーが次々と現れてくるんでしょう。

そんなにみんな、顔が見たいんでしょうか?

顔が見たいと思っている人は、本当に発達障害を理解してくれようとしているんでしょうか?

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親子で顔を晒す発達障害児ファミリー急増の背景” に対して10件のコメントがあります。

  1. and hina より:

    こんにちは

    個人的には、恐ろしくて、家族の写真を使うことはしてないし、今後もしないと思います 
    将来、ネット上から消せるようになったとしても、個人で持ってるものまでは絶対消せないですよね・・・
    (私もツライ時に笑うために、持ってる写真あります!)
    わざわざ顔出しするってことは、大きなメリットがあるんでしょう 
    お金かもしれないし、自分の欲求が満たされたりとか~ 使命感だけではリスクが大きすぎると思うんです

    何事にもメリットがあればデメリット(リスク)もあることは当然だと思うし、SNSなんて本来、やらなくてもいいことをやってるんだから、両方とも受け入れることが絶対条件だと思います
    でも、自分に都合が悪いことは被害者面するんですよね~  (どこかの国みたい) 

    須磨の女芸人なんて、自宅の場所、世帯主名・金庫の場所・子どもの名前、小学校、幼稚園、習い事の曜日・時間まで特定されてますけど全く危機感ないんですよ~ 
    やっぱり楽して稼ぐことを覚えたら止められないんでしょうね~ 
    SNSの炎上商法が売りですからね~ 本業何やねん?! 

    最近は発達障害ブログでも役立つものばかりじゃないから、情報を探してる方は、情報を見極める力も必要になりましたね。 自分に都合のいい耳障りのブログ読んで安心してたら、将来大変なことになるかも 
    お子さんたちは、きちんと療育も受けられず、困るんだろうな~ とは思うけど、行政?福祉の方?がいくら手を差し伸べても、振り払うんだから、お手上げですよね 
    そして、近い将来、ポンコツJAPANとか吠える・・・ のが目に浮かびます(笑)  

    1. 稲倉サナ より:

      ツライ時に笑うための写真、ラグビー関係ですか?(^^)
      顔出しはメリットよりデメリットの方が大きい気がするんですが、やっている方はデメリットを認識していないんでしょうかね~。
      私は自分1人だけのことならまだしも、子供に危険が及ぶ可能性もあるかと思うと、知人・友人限定のSNSも子供の顔出しはやめました。
      須磨の女芸人(笑)ブログに詳細を書きすぎると簡単に特定されてしまいますよね。怖くないんでしょうか?
      最近のSNSはまさに炎上商法を狙っている感じがしますね。運営側もあえて放置している気がします。
      情報を検索している人は安心材料が欲しいから、丸投げ育児を肯定している人>自分で努力している人 ってなっちゃうんですかね~(‘A`)

      1. and hina より:

        笑える写真は、ラグビー関係ではなく、須磨の女芸人の 整形直後のダウンタイムで顔がパンパンの写真がただいまNO.1です  その写真UPする勇気に思わず拍手しそうになりました
        (他にも恥ずかしげもなくすごいやつUPしてくれるので、結構プッと笑わせて貰ってます) 
        本当は 昔の職場の常務の パスポートの写真が1番笑えるんですけど(劇画調 ←コピーだから、更に破壊力UP!) さすがに持って無くて・・・ 思い出して笑う感じです
        SNSにおいて「羞恥心」って 結構大事だと思うんですけど 西の須磨の女芸人、東の一本歯 にはないんだろうな~ 
        どういう精神構造してたら かわいすぎる~とろける~出来杉君(←親だけ)な 我が子を晒せるのかは永遠に理解できないことだと冷めた目で見ています  

        1. 稲倉サナ より:

          ラグビーじゃなかったんですね(;’∀’)
          なるほど、本当に笑える写真だったんですね。
          「昔の職場の常務の劇画調の写真」が激しく気になります’`,、(‘∀`) ‘`,、

  2. しゅん より:

    アメブロ、Youtubeと顔出してるご家族増えていますね。どちらも大小関係者なくお金に繋がっているんだなぁと冷めた目でみています。
    子どもが自ら出たいと言っているのではなく大人都合ってところが透けているから斜めに見ちゃうとも。
    子どもをダシに使っているオフィシャルさんは、いつか天罰くだって子ども達は然るべき施設や療育受けて欲しいと思っています。

    1. 稲倉サナ より:

      外に働きに出られない人が稼ぐために手っ取り早いのかな…と>顔出し
      たとえお子さんが出たいと言っていたとしても、幼い子供のいう事は真に受けてはダメなやつですけどね(;’∀’)
      顔を出さなくても発達障害のことは伝わると思うんですが、でも見たい人がいるから、需要があるから顔出しもあるんでしょうね。

  3. こー より:

    こんにちは
    増えましたね。
    昔は隠す事が多かったように思います、情報も少なかったし。
    そのぶん今は理解者が増えたのかな?
    でも、私は未だ未だ苦しんでいるご家族が多いように思います。
    顔出し家族を見て家は。。。
    と、悩んでいるご家族もいるのではと思ってしまう、人間は比べたがるから。
    とにかく私は正しい情報が大切だと思いますね。
    ブログで公開処刑は卑怯ですね‼️

    1. 稲倉サナ より:

      そうなんですよね。昔と違って隠す事ではなくなった、という意味ではいい傾向なんですよね。
      障害のある子を親しみをもってみてくれる人が増えれば、それはそれで意義はあるのかもしれません。
      比べる人はいるでしょうね。私もテレビやネットで優秀なお子さんの様子を見かけると、比べて落ち込むことがあります(;’∀’)
      比べても仕方ないのはわかっているんですけどね。まあそんな時は極力そういったものは積極的に見ないようにしていますが。
      公開処刑は言語道断ですね!
      でも顔出しされているほとんどの方はその点は特に気をつけて記事を書いているように思えます。

  4. ママリンコ より:

    発達障害だけでは無く、すべてのブログに我が子の顔出しはあかんと思う。せめてスタンプするなりしようよ。いつも思うけど、危機感無いの?
    不思議でたまらない現象ですよね。
    うちの子可愛いから、世間に見てーっ思う親心も分からない訳ではないけど…その子供が年齢と共にブログ消してと言ったら、完璧に消す事出来るのかしら?
    親も顔出し、子も顔出し…私には理解できません。

    1. 稲倉サナ より:

      賛否両論あるかと思いますが、世の中には恐ろしいことを考える人もいますからね…。
      用心するにこしたことはないと思いますが、実際にそうした犯罪に巻き込まれる人のニュースが報道されることもなく、大丈夫かな?と思うんでしょう。
      一度掲載された画像を完全に消すことは難しいでしょうね。デジタルタトゥーというやつですよね。
      発達障害の場合は、画像はともかく、動画は発達度合いや家庭療育の様子を撮影して発信することは意義があるかとは思いますが、それも子供が成長して理解できるようになった時に何と思うか…。そういう意味では大きくなっても理解できない重度のお子さんの顔出しが多いように思います。

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