発達検査&知能検査は「試験」じゃない!
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こちらのブログは2020年12月に書いたものを加筆修正したものです。
発達に遅れがある子供は発達検査や知能検査を受ける機会があるかと思いますが、その際に親御さんがまるで検査を資格試験のように捉え、不合格(=知的障害認定)になるために悪い数値を叩き出すために工夫したり😅
逆に検査を模擬テストのように捉え、高偏差値を叩き出すために直前に子供に試験対策をやらせたり。
えっと、発達検査・知的検査ってそんなんでいんだっけ?という私の素朴な疑問シリーズ😅
発達検査・知能検査に翻弄される人々をクローズアップしたいと思います🖐
知能検査の前日に子供を眠らせなかったツワモノも
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我が子に発達障害がある、もしくはその疑いがあり、子育てに困難を感じるときは、何らかの支援を希望される親御さんは多いかと思います。
幼児期であれば療育であったり、発達支援センターであったり。
学童期には特別支援学校、特別支援学級、放課後等デイサービス、移動支援、日中一次支援などなど。
進学や進級などの節目には、障害者手帳(療育手帳)の取得の有無や度数の確認をされることもあるかと思います。
そう。支援を受ける条件に、障害者手帳が必要となることもあるんですよね。
手帳が不要の場合もありますが、各種手当や割引等も手帳ありきなので、本格的に支援を受けたいなら手帳をとる必要があるわけです。
かくいう我が家も、自閉症の長男・太郎が2歳の時に療育手帳(東京都は愛の手帳)を取得しました。
この療育手帳なんですが、これは混同されがちなんですけども、発達障害のある子供全員が取得できるものではないんですね。
療育手帳は知的障害の有無を判断されるものなので、知的に遅れのない発達障害児は療育手帳を取得することができません。
以前書いたブログで説明をしていますが、療育手帳を取得する場合は「知能検査」をし、その結果によって障害の度数が決まります。
ちなみに東京都の愛の手帳の場合は
1度(最重度)おおむね19以下
2度(重度)おおむね20~34
3度(中度)おおむね35~49
4度(軽度)おおむね50~75
となっています。
ただしこれは18歳以上の場合で、児童については年齢に応じた異なる基準で判定をします。
うちの太郎は幼児期、まともに言葉も出ていない&指示がほとんど通らないこともあり、間違いなく知的障害がある、と実感していたので、知能検査についてはなすがまま、特になんの対策もせずに検査に臨みましたが。
そもそも対策とる必要ないけどな(‘A`)
しかし
知的ボーダー(IQ75前後)のお子さんの場合で、どうしても手帳が欲しいという場合は勝手が違ってきます。
今なら、知的障害のない発達障害児は「精神障害者保健福祉手帳」を取得すればいいわ、という方もいらっしゃるでしょうが、太郎の幼児期は知的障害を伴わない発達障害児への支援は後回しという印象がありました。
療育手帳がまるで印籠のような役割があったように思います。
そのため、知的ボーダーのお子さんをお持ちで、手帳が欲しい!と思っていた親御さんは、知能検査でIQ75以下をひねり出すために、
「検査の前日、あまり寝させなかった」
「検査日の朝ご飯を抜いた」
というツワモノが結構いましたよね😲
子供を不機嫌な状態にさせ、まともに検査を受けさせない=IQ低くなる
ってことらしいです。
まあ、気持ちはわからなくもないです。
療育手帳がないと支援が受けづらいというのも事実ですから。
ただこの作戦は幼児期限定で、子供が成長したら通用しなくなるようですね😅
知能検査は障害者手帳取得か就学前診断の際に受けた、という方が多いか思いますが、それでは発達検査はどうでしょう?
ちなみに知能検査と発達検査の違いは下記参照🖐
知能検査知能検査とは、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つ。
精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定される。
IQの値の範囲は測定方法によって異なるが、一般的に平均値を100として数値化されている。
主な検査方法
ウェクスラー式知能検査、田中ビネー知能検査、KABC心理・教育アセスメントバッテリーなど
発達指数を調べる主な目的
発達支援や学習指導、就学前健診、療育手帳の判定など。
発達検査
日常生活や対人関係などにおける子どもの発達の規準を数値として表したしたものであり、数値をDQという単位で表す。
「発達年齢(発達がどのくらいの年齢に相当するか)」を「生活年齢(実年齢)」で割り、100を掛けて発達指数を算出する。
発達年齢と実際の年齢が同じ場合の発達指数は100となり、平均は100前後とされている。
主な検査方法
乳幼児発達検査、新版K式発達検査など
発達指数を調べる主な目的
①子ども一人ひとりの発達状況を理解すること
②発達段階に合った適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知ること発達検査によっては粗大運動やコミュニケーション、生活面など領域ごとの指数が出るものもあり、その子の得意や苦手、経験不足などが細かく把握できる。
発達検査で高数値を出したいと思う親御さんの心理
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発達検査はおそらく、幼児期の検診や就学の際に、「定型発達の子供に比べて発達に遅れが見られる」という子供を対象に、より詳しい発達状況を調べるために行われるのではないでしょうか?
うちの太郎も、1歳半検診で発達の遅れを指摘され、発達検査を受けることになりました。
うちの場合は発達検査をすることにより、太郎の発達状況を分野別に把握し、それを理解したうえで支援をしていただく=療育を受ける、ということを目的としていたんですね。
そのため
当たり前なんですが、前述した知能検査のように、「前日に眠らせない」「当日朝食抜き」のようなことをして、
普段の子供の様子とは違った状態で検査を受けさせることは全くもって無意味
となるわけです。
できるだけ普段と同じ状態で受けさせるべきものなんですね。
発達検査は試験ではないんですから。
でも、親御さんの中には発達検査を何かの試験と捉えているのかどうかは知らんけど(゚з゚)
検査前に発達検査の内容に類似した作業を子供に練習させたりする方がいます😅
いい点を取るために直前に練習させることは、悪くはないと思いますよ。
その努力を検査の後も継続してやれるのであれば。
継続してやれるのであれば、それは日常的な家庭療育ということですから、むしろいい事なのかもしれません。
ただ、その努力が検査の直前だけの行為ならば、それでは普段の様子とは違った結果が出てしまうこととなり、その後の支援計画の元となるデータとしては使えないものになるわけです。
発達検査の目的を考えれば、検査当日はできるだけ普段通りの様子で受けることが望ましいのですが、発達障害の子供は初めての場所が苦手だったり、狭い場所が苦手だったり、指示に従えなかったりしますよね。
そのため、逆に普段はできていることが検査ではできない、ということもあるかと思います。
そういう親御さんが「うちの子は家ではできるんです」と言っていますが、その「検査の場で指示に従えない」ということそのものが発達に難ありと判断される材料にもなるということです。
もちろん内気な性格の子供が、人見知りのためにうまく検査を受けられない、というケースもあるかと思います。
そのため、本当は発達障害ではない子が、発達の遅れを指摘される場合もあるでしょう。幼児期であれば。
ただ、それでなんらかの療育を受けることになった場合、
療育は定型発達の子供にも有効
つまり、療育は害があるものではないということが言いたいです。
定型発達の子にとってもプラスになることであり、その後問題なければ自ずから療育も卒業となるでしょう。
だから必要以上に結果が悪く出ることを恐れなくていいのではと思います。
検査の結果を見て不満に思うこともあるかと思いますが、子供の苦手な部分を把握でき、それに対してどのように接していけばいいか、その参考となるのが発達検査なのでは?と。
うちは発達検査は年に1回受けて、結果を学校の先生や放課後デイに提出しています。
支援の際に参考にしていただくためです。
発達検査は誰もが簡単に受けられるものではないので、せっかくのチャンスですから、活かしていければと思っています。
ちなみに、以前、定型発達の子でも希望すれば発達検査をやってくれるところも見つけましたよ。
ただし定型発達だから自費での検査です。
自費だと検査1回で数万円しますけどね😅
それだけ発達検査には血税が投じられているってことです。
公費で検査を受けられることに感謝したいと思います。
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こんにちは
手帳を印籠のように使う?手帳ってそんなに凄いものなのか?
精神科にお手伝いに行っていたとき、患者さんが手帳もっているけど使わないと、言っていた。
高校生だったけど、どうして?と深く聞かなかった。
検査はありのままの姿を診てもらったほうが絶対いいよ、小細工なんかせず。
成長していく子供のために。
話は変わるけど、今日の朝のNHKで障害者の生理についてやっていて、未だ私の時代と変わらない悩みがあるんだぁと、戸惑いが。。。
話がそれてすみません。
使わない人もいるんですね。
うちは印籠のようには使っていませんが、でもやっぱり助かります。
手帳はわかりやすい証明書のようなものでもあるので。
NHKで障害者の生理についてやっていたんですね。
観られなくて残念(>_<)