リプレイ~人生やりなおせるとしたらもう一度障害児を産む勇気はあるか?

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こちらはアメブロ時代に書いた記事をもとに編集したものです。

実は最近、久しぶりに太郎のことで大きなダメージを受けました😂

太郎の将来にかかわることで、私は自分の考えがいかに甘かったかということを思い知らされ、打ちひしがれています。

太郎のためにと、自分の事は二の次に、たくさんのことを犠牲にして頑張ってきたつもりです。

なのに…。

現実は厳しいですね。

詳しい内容についてはしばらく時間が経ってから記事にする予定ですが。

数年先の未来を考えて、少しは私自身も夢を持って生きていこうと思っていた矢先にです。

私は一生、自分が死ぬまで、太郎の世話をするだけの人生を生きていかなければならないんですかね…。

 

常に逃げ出したいと思っていた閉塞感に満ちた日々

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高校生になった今はずいぶん楽になりましたが、重度知的障害あり自閉症の長男・太郎は幼少期、大変手のかかる子供でした。

何が大変だったかというと、それは太郎が多動児かつ他害児だったからに他なりません。

私の心に棲みつく悪魔

あの頃は辛い毎日から逃げ出したい、そればかり考えていました。

夜眠るときにこのまま目が覚めなければいいのに、と強く願っていました。

けれども、非情にも朝はやってきて、目が覚めるたびに絶望を感じてしましたよね。

両親は遠方、夫は朝7時前には家をでて帰宅は毎日午前様。

ワンオペ育児ではおひとり様時間を満喫するような余裕もなく、また、当時は今のようにスマホもなかったので、家の中でできる気晴らしといえば、録画したドラマを見ることと漫画や小説を読むことでした。

つらい現実世界から目を背けたかったのだと思います。

もともと私は小さい頃から推理小説やSF、ファンタジーが好きな夢見がち女の子でした。

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉

4人のきょうだいがある日大きな衣装だんすに入ると、雪のふりつもる別世界へとつづいていました。このナルニア国で、子どもたちは正義のライオンとともに悪い魔女の軍と戦います。

 

ナルニア国シリーズは映画化されてすっかり有名になってしまいましたが、「ライオンと魔女」は小学生の頃に私が大好きだった本です。

嫌なことやつらいことがあると、自分の部屋のクローゼットをそっと開いて、その奥がどこか別の世界につながっていないか確かめていました。

他にも、朝、目が覚めると、別人になっていないかな?と、起きたらすぐに鏡をのぞいたりもしていました。

こんなことを書くと危ない子だと思われそうですが😂

でも、半分本気でしたね。

そんな私が、大人になってから読んだSF小説のなかでお気に入りの作品がこれです。

リプレイ (新潮文庫)

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また――。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。

 

いわゆるタイムリープもの(タイムリープ=自分の意識だけが過去や未来の体に乗り移る現象)ですね。

主人公の男性・ジェフは1回目の人生では43歳で病死します。確か心筋梗塞とか、そういった類の病気だったのですが、急に苦しくなって意識が薄れていくあいだに「自分はこのまま死ぬのか」なんて思っていたら…目が覚めたらなんとそこは23年前の大学の学生寮のベッドの上。鏡を見ると体は18歳、でも意識は43歳のまま。

つまり魂(意識)だけが23年前にタイムスリップして、18歳の自分に乗り移ったような感じです😂

老化が始まり衰えていた体を嘆いていたジェフは、みずみずしくエネルギーに満ち溢れている18歳の体を手に入れたことを嬉しく思います。

これ禿げあがるほど気持ちわかる😂

私も18歳、いや、25歳くらいでいいから、その頃の体に戻れるものなら戻りたいもの🤣

で、小説の中のジェフはというと、23年前の記憶は曖昧ながらも18歳の自分になりすまし、学校に通う日々を送ります。

最初は戸惑いつつも、次第にジェフはある事に気がつくのです。

そう、かの名作「バックトゥザフューチャー」でも出てきましたよね。

タイムスリップ・タイムリープした人は未来を知っているということ。

ジェフは自分がこれから起こる未来について、多少なりとも大きな事件や試合の結果などを覚えていることに気がつきます。

そして、それを利用して金儲けしようと企むわけです。

あー、私もタイムリープして楽して稼ぎたい😂

もし私だったら…なんて妄想を楽しみつつ、小説を読み進めます。

ジェフは金儲けだけでなく、前世で後悔していることを二度と繰り返さないよう、まったく違う人生を歩みはじめます。

しかしながらジェフは結局2回目の人生でも40代で病死してしまうですよね…。

ただしその後ふたたびタイムリープ、その人生でもまた病死し、さらにタイムリープ…と何度も転生を繰り返していきます😂

転生を繰り返すたびに、ジェフはまったく違う人生を選択するところが見どころですね。

ちなみにこの小説が面白いと思う点は、登場する人物や映画、スポーツの名勝負など、実在する物事が描かれていることです。

例えば、ジェフの1回目の人生では、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「スターウォーズ」が出てくるんですよね😊

ところが3回目にリプレイ(転生)した世界では「スターウォーズ」は存在せず、まったく別の人物(監督)が明らかに「スターウォーズ」を丸パクりしたと思われる映画「星の海」という映画を作っていることに気がつきます。

それを見たジェフは思うんです。「この監督もきっとリプレイ(タイムリープ)をしているに違いない」と。

 

この小説に出てくるリプレイヤー(過去に戻って人生を何度もやりなおす人々)たちは、ありとあらゆることを試そうとするんですよね。

最初は自分がお金持ちになり、富と名声を得ようと、ギャンブルや株の売買をおこなう。

自分自身のことを試すだけ試した後は、世界の歴史を変えようと試みる。

たとえば、ケネディ大統領の暗殺を阻止しようとしたり。

世間を騒がした事故や事件を阻止しようとしたり。

でも結局、歴史を大きく変えることはできないんですけどね😅

こういう、人生をやりなおす的話が大好きな私ですが、もし、本当に自分が人生やりなおせるとしたら…。

って考えちゃうんですよね。

私にとって閉塞感に満ちた障害児育児の中で、現実から離れられるひとときだったんですよね。

 

もう一度この苦しい人生を選択する勇気が私にはあるのか?

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もし人生やりなおせるとしたら、あなたは今と同じ道を選びますか?

 

そういえば会社の同期との飲み会やママ友との集まりなどで、人生やりなおせるとしたら今の夫と結婚する?っていう話題、結構でがちではあるんですよね🤣

で、面白いなと思うのが、みんな一様に

夫とは絶対結婚したくないけど、そうすると子供が生まれてこないから我慢して結婚する。

って言うんですよ。

もう、みんながみんな口をそろえて言うから笑っちゃうんですよね😂

旦那デスノート系の嫁が多い席だったからかな🤣

私は…私はどうでしょう。

もしやりなおすなら、また、障害児の親をもう一度やる勇気があるのかどうか。

真剣に考えたこと、何度もありますね。

毎日死にたいと思っていた太郎の幼児期は、絶対夫とは結婚しないって思ってました😂

そのくらい辛かったんですよ。

もうとにかく「逃げ出したい」の一心。

二度と子供たちに会えなくなるなんて考える余裕すらなかった。

 

じゃあ、今は?

今はどうでしょうね。

でも過去に戻ってやり直してみたいという気持ちは大きいです😝

 

子供の頃まで戻ってタイムリープして、「貧乏で独裁者(父です😂)の家に生まれたから何やっても同じ」なんて諦めずに、死ぬ気で勉強して、小学校の頃に憧れていた大学に合格できるようにがんばりたい。

食べても太らない体質だと勘違いしてドカ食いしていた行動を改める。

「私なんて」と、挑戦すらしなかったあんなことやらこんなことも全部やってみる!

そして憧れていた職業に就いて、社会人になったらマイクロソフトとアップルと任天堂の株を買うんだ🤣

あっ、でもこの人生設計だと夫と出会うチャンスが無くなるかも😅

 

どうするかなー ←真剣に悩むバカ🤣

 

さっ、馬鹿な妄想していないで太郎のお迎えの準備しよ😅😅

 

 

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リプレイ~人生やりなおせるとしたらもう一度障害児を産む勇気はあるか?” に対して8件のコメントがあります。

  1. にゃんこ より:

    前にも書いたかもしれませんが、人生やり直すとしたら…。
    私もやり直せるのかな?
    実は次男の知的障害は私由来の遺伝です。
    副甲状腺の代謝異常という病気で、これは母系遺伝。
    それの症状の一つに知的障害があります。
    だから、私が私のままならば、子供が生まれたらかなり高い確率で男の子に遺伝し発症するか、女の子なら100%?キャリアにしてしまう。
    これが検査でわかった時、母はうつ病で入院中、母の兄弟で話のできる人はいませんでした。
    遠く離れた地元の祖母の家系を辿る事もできず、誰に不満をぶちまける事もできず。
    主人が私を責める事もせずに黙って次男の知的を受容してくれた事に感謝するしかなかった。
    そうだ。
    母の一番下の妹である叔母からあなたの子供なんだから、あなたが死ぬまで面倒を見る責任があると言われ、それなら殺す権利をくれと言ったっけなぁ。
    殺す勇気はまだない私がいます。

    そもそも、妊娠初期に出血が続いた時、叔母にはおろすように言われたのでした。
    その時、安易に、お腹に宿った命を粗末に出来ないと思って(本当は手術が怖かっただけ)一生懸命に安静にしていました。
    その時、運命は定まったのでしょうね。
    次に生まれ変われるとしたら、何のキャリアにもならずに生まれてきます。
    私は色盲(色弱)もキャリアで、そのせいで最初の職場では複数の方からのプロポーズや交際の申し込みを断りました。
    ド理系の重電メーカーの設計部でしたから。
    後、職場の先輩に紹介して貰った医大生。
    超絶頭の良い彼らの申し込みは尻込みするしかなかった。
    (私の同期女性の殆どが社内結婚する職場でした。私たちはお嫁さん候補としての入社です。時代ですよね。)
    私の子供は理系では色盲がネックですからね。
    実際は長男が色弱、次男はそちらは陰性ですが、知的障害と代謝異常が出ました。

    さなさん、こんな私でも楽しく生きてます。
    辛い事には蓋をして封印。
    ぐぐっと開くことがあるだろうけど、その時までに準備を整えて。
    私はしたい事をして、子供はできるだけそばにおかない未来を想像、グループホーム入所も諦めてはいません。
    今はね、年甲斐もなく少女漫画の沼にはまり込んでいます。
    俺様男子にドキドキしたり。
    今の高校生は、不純異性交遊アリのお付き合いなんですよ、もう〜お泊まりの描写にドキドキの56歳(自称25歳)です。
    フフ。
    昨日からは「&」の男性に恋をしている最中笑笑

    今日は11時まで残業したからご褒美もらえるかな。
    明日は旦那におねだりして、おかざき真里の「&」と「サプリ」を古本屋に探しに行く予定です。
    明日は台風に備えて早めに仕事開始です。
    でも、漫画のために頑張る。
    そのうち、25歳改め、18歳のにゃんこ爆誕の予感笑笑
    もう一度「彼」に会ってから寝る事にします笑笑
    おやすみなさい。

    1. 稲倉サナ より:

      人に歴史あり、ですね。
      にゃんこさんもいろいろと苦労されてきていますよね( ;∀;)
      障害者と共存だとかインクルーシブだとか、耳障りのいい事ばかりを並べたところで、実社会では結局のところ世の中迷惑をかける系(他害とかですね)の障害者はお断りなんですよね。
      行動障害のある障害者は受け入れ先もなくて、親が死ぬまで面倒を見なきゃいけない。
      そりゃそうですよね。考えればわかります。
      そうしたタイプの障害者は、国や世間の人々の考える「障害者」からは除外されているんでしょう。
      少女漫画沼ですか(笑)
      私も最近、隙間時間にアプリ系の漫画にハマっています(^^)
      俺様男子いいですよね~(笑)
      (実際にいたら面倒くさそうですが!爆)
      18歳のにゃんこ爆誕( *´艸`)
      いいですねえ。私も少女漫画沼にハマっちゃおうかなー。
      来月末までは勉強が忙しいのでアプリ漫画程度の短い作品しか読めませんが(と言いながら昨日は「犯沢さん」最新刊を読んだ)
      試験が終わったら私も夢中になれる何かを探したいです!

  2. はちのすけ より:

    こんばんは。

    人生やり直せるとしたら…とはまた異なるのですが、以前ヤフーニュースの記事だったか、自閉症などの発達障害のお子さんの親御さんへのインタビュー記事で、「もしも願いが叶うなら…子供が安心して暮らせる社会を作ってくださいとお願いします」というようなことをおっしゃっていて、なんだかモヤモヤしてしまったんですよね。
    いや、素晴らしい考えだと思うんですよ。
    思うんですけど、私はやっぱり、息子の障害を治してくださいとお願いする、弱い母親です(_ _;)

    最近、インクルーシブ教育とか、理想論はお腹いっぱいというか…。
    すみません、サナさんを元気づけるどころか、愚痴になっちゃいました(ノД`)

    1. 稲倉サナ より:

      私もです!願いが叶うなら「息子の障害を治してください」と全力でお願いすると思います。
      今でも「自閉症を治す薬」の治験があったら申し込んでもいいとすら思ってしまう弱い母です( ;∀;)
      安心して暮らせる社会だとかインクルーシブ教育だとか、言うのは簡単だけどどれも実現はほぼ不可能だと思います。
      だって結局はすべて「人」次第なんですから。
      大声だして暴れて噛みつく人間を「障害児だから全然OK!ウエルカム!」だと心の底から思ってくれる人なんていないでしょうよ。
      安心して暮らせる世の中って、そういう子を手放しで受け入れてくれる覚悟があるのか?と問いたい。
      インクルーシブ教育がどうのと言っている人は、まずは自分の会社のオフィスにうちの太郎を常駐させてみて、それからよーく考えてみろと言いたい。
      想像力が足りない人ばっかだな、と思います。
      すみません、また愚痴の上塗りになってしまいました(ノД`)・゜・。

  3. えびコロッケ より:

    サナさん、ファイト!! えびコロッケもお仲間です。頭の中は妄想でぱつんぱつんです。妄想力がなければ、逃げ出したい日常で日々ぶっ倒れています。

    人生やり直しできたら。なんという甘い誘惑。
    即答します。『違う人生選択します。』

    え? 子供が生まれてこないからみんな我慢するんだって? NON,NON。だって一度の射◯で排出される精◯の数は一億〜三、四億個。やり直し人生で、旦那と結婚したとしても同じ子供が産まれてくる確率はほぼゼロ。なので皆さん安心して違う方と恋におちましょう。
    そしてえびコロッケは服も靴もいらない。お金貯めまくって、リンゴマーク企業の株を買うところまでを、瞬時に妄想しました。

    と、いうおバカな妄想でサナさん、元気にな〜れ☆

    1. 稲倉サナ より:

      ありがとうございます。・゚・(ノД`)・゚・。
      まったく、妄想力がなければ心が壊れてしまいそうな毎日です( ;∀;)
      障害児育児の世界は努力と結果が比例しないなあ…と虚しくなることばかりです。
      やりなおし人生、私もきっと「違う人生選択します」だと思います。
      そしてやっぱり林檎のマークの株を買えるだけ買いたいですよね(笑)
      元気でました(*’▽’)
      ありがとうございます(^^)/

  4. こー より:

    こんにちは
    私も「ライオンと魔女」を読んで胸をワクワクしてました、映画も何度も繰返し観てました。
    「リプレイ」は、似た感じの映画をこれまた何度も観てます。
    現実に起こらない世界。

    サナさん頑張りすぎないで、思った様に事が運ばなくても前に進んでいます。

    1. 稲倉サナ より:

      ありがとうございます。・゚・(ノД`)・゚・。
      小さい頃からSFが大好きで、今でも目が覚めたら全部夢だった!みたいなオチだったりしないかな~なんて妄想しながら生きてます(笑)
      こんなに頑張っているのに現実は厳しいな…と悲しくなりますが、それでも何もしなければもっと状況は悪くなるだろうし…。
      今回のことは本当にショックで、太郎の将来が不安でしかありませんが、福祉の恩恵に授かれなかったパターンを想定して、今できる限りの策を考えておこうと思います。

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