ドラマ「僕の大好きな妻!」より発達障害者との共存・家族の心得について考えてみた
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フジテレビの土ドラで発達障害をテーマにしたドラマ「僕の大好きな妻!」が始まりましたね。
といっても、もう今週末で第3話目となりますが😅
自閉症について描かれたドラマや映画はこれまでもいくつか観てきましたが、知的障害を伴わない発達障害者の生きづらさにスポットをあてた作品はあるようでなかったような気がします。
今回はドラマの感想というよりは、発達障害者と一緒に暮らしていく家族の心得的なものについて考えてみたいと思います。
原作漫画「僕の妻は発達障害」を読んでみたら

https://www.tokai-tv.com/bokutsuma/より転載
新婚ホヤホヤの知花(百田夏菜子)と悟(落合モトキ)。知花は派遣のアパレル販売員。悟は漫画家アシスタント。裕福とは言えないが、お互いを思い合い、毎日を笑顔で過ごしていた。
そんなある日、悟はちょっとした違和感を覚えるようになる。出かける約束をしたのに覚えていない?なぜか洗面所のタオルから卵を発見?会話をしててもすぐに話題が飛んでしまう?とは言え、悟にとっては気にならないレベル…だったのに、知花が仕事をクビになったことで事態は大きく変わってしまう。「私、発達障害かもしれない」
検査の結果、特性があると分かった知花は、主治医になった宮野森楓(中田喜子)の元へ発達障害について知りたい!と邁進する。一方、動揺する悟は師匠のベテラン漫画家・野村萬坊(小倉久寛)や先輩の佐竹(徳重聡)に相談しながら知花を支えようとするが、知花はそんなこと望んでいないことも分かったりして……。
ある日突然、大好きな人に「障害」があると分かったら?個性的な登場人物たちが織り成す、「しあわせの形」を探すすべての人に送る珠玉のラブストーリー。いよいよ開幕!
このドラマは「僕の妻は発達障害」という漫画が原作なんですよね。
私も名前くらいは知っていましたが読んだことはありませんでした。
がっ!以前、こちらの漫画がAmazonで無料で提供されているのを見つけて、「ファイナンシャルプランナーの試験が終わったら読もう」と思ってダウンロードしたことを思い出しまして😅
さきほどチェックしてみたら何故か全4巻中の第2巻だけがダウンロードされてありました😂
えっ、1巻が見たいんだけど😂
…と思ってAmazonをチェックしてみたら、6月22日までは期間限定で1巻が無料で読めることを発見。
さっそく読んできました😝
まず、「ながら見」していたドラマでは細かい部分を見落としていたと感じましたね。
もしかしたらドラマではここまで深堀りされていなかったのかもしれませんが😅
まだ頭の中をうまく整理できていないので思ったことをポツポツと書いていきますが…
この世の中の仕組み的に、知的に遅れがなければ、そのまま障害を指摘されることもなく大人になってしまうんだなあ、と。
本人さえも自分が発達障害であることに気づかずに、生きづらさを抱えて大人になっている人が、この世の中にどれほどいるんだろうと思いました。
この漫画の主人公の知花も、自分が発達障害だとは思わずに大人になった人のうちの一人です。
ただ、子供の頃から「なぜか人を怒らせてしまう」「行く先々で嫌われる」「すぐに仕事をクビになる」と自覚していて、だけど自分の何が人をそうさせてしまうのか、何が悪いのか、いや、人を怒らせてしまった事にすら気が付かない、そんな自分をもどかしく思いつつもどうすることもできないと感じています。
そんな知花があるとき大人の発達障害に関する記事を読み、もしかして自分も発達障害なのかもしれないと疑うようになります。
病院で発達検査を受け、医師から発達障害の診断をくだされた知花はこう話しています。
なんだかほっとしたの。
私は人より怠け者なのかな?って思ってた。
自分ってなんなんだろうって思ってた。
これまで人と同じようにできない自分を「私みたいな出来損ない」と卑下していた知花は、その原因が発達障害にあったことを知り、心底ほっとしたんだろうと思います。
太郎の1歳半検診の際に「この子は自閉症かもしれない」と言われた際に、同じように原因がわかってほっとしたことを思い出しましたね。
自分が発達障害だとわかり、障害と向き合って生きていくことを決意した知花ですが、頑張っていることが裏目に出て、失敗しては落ち込むことの連続です。
発達障害は本人の頑張りだけでなんとかできるものではないのでしょう。
障害を理解し、フォローしてくれる人が身近にたった1人だけでもいれば、ずいぶん生きやすくなるんじゃないかと思います。
知花の夫・悟や、太郎にとっての私は、「発達障害者の通訳」的役割を担っているんじゃないかな。
漫画の中で知花は医師に自分のことについてこんな風に話しています。
私にできることって何でしょう?
何をしても迷惑になる気がします。
実際、勤めてもすぐに会社をクビになってしまい、自己肯定感は下がるところまで下がっていたのだと思います。
専業主婦となった知花は「せめて家事だけでも」と張り切りますが、発達障害の特性から上手に家事をこなすことができません。
見かねた夫の悟が家事を手伝おうとするのですが、知花は「やめてー!!!」と叫び、泣きながら言いました。
仕事ができなくて
家事もできなかったら
私なんの価値もない。
このシーンを読んだときに、私は太郎を想って胸が痛くなりました😭
太郎が家のお手伝いをしてくれようとしたときに、太郎がやるより私が自分でやった方が早いからと、「あっちで遊んでていいよ」なんて追い払ってしまったことは一度や二度ではありません。
障害のせいでうまくできないんだけなんだから、向いていないことを無理してやらなくていいんだよ。
一見、太郎のことを思って言っているようでいて、実は私は自分が可愛いだけ。
太郎に手取り足取り教えるのが面倒だから、太郎の事をわかった風に装って、面倒を避けているだけ。
それでいいのかな。
太郎だって誰かの役に立ちたい、家族の中で役割を担いたい、褒めてもらいたい。
そんなふうに感じているんじゃないのかな。
お手伝いは将来自立するときのためにやらせておくべき、なんて言われてきたけど、そんなの実際家を出る直前に教えればいいじゃない?
だって小さい頃に教えるのは、大きくなってから教えるよりも何十倍も大変だもの。
そう割り切って考えていたけど、お手伝いをさせる事は実は別の目的があったことに今更ながら気が付きました。
太郎に「自分はなんの価値もない人間だ」と思わせるようなことは、断じてやってはいけないんだと。
発達障害だとわかっていても腹はたつもの
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ところで、そもそもこういった記事を書こうと思ったのは、ドラマの中のとあるシーンがきっかけだったんです。
そのシーンというのはこれ☟
贈られたばかりの結婚指輪をなくしてしまった知花(百田夏菜子)。発達障害の特性のせいだと気にしないつもりの悟(落合モトキ)だったが、気持ちはモヤモヤ。知花も悟の本心を気にしてモヤモヤモヤ…。
「発達障害の妻を支えて幸せな家庭を築いていこう」と決意を新たにした悟が、その想いを込めて知花に結婚指輪をプレゼントしたところ、泡を吹きつつ(笑)涙を流しながら感激する知花だったんですが…。
その直後に入ったトイレで外した指輪を入れたバッグを忘れてきてしまうんですよね😂
知花が出先で物を置き忘れることは日常茶飯事だし、それは発達障害の特性だとわかってはいるものの、贈ったばかりの結婚指輪を秒で失くされた事のショックから立ち直れない悟。
このシーンを見たときに
気持ちわかるぅ😂
と思いましたよね。
うちの場合は失くすのではなく壊す方ですが🤣
発達障害の特性だってわかっちゃいるけど、自分のなかの理性というか常識というか、なんとなく許せないと思ってしまう自分がいて。
だから悟の気持ちはよくわかるんだけど、だからといって許せないってプンスカ怒っていても自分が辛いだけなんですよ。
だって「気を付けてね」って言ったって、それ発達障害の特性ですから。
気合いで解決する問題じゃないんですから。
だから私はこのシーンを見て思ったんですよ。
あーあー。
そんな高いものあげるから腹が立つんだよ
って。
失くされても腹が立たないような安いものにしときなよ
って。
実際、うちはそうしてるんです。
太郎の持ち物はすぐ壊れたり破れたりするので、新品の値段が高いものは購入しないようにしています。
もちろん、安物でも壊されたら悲しくなりますけど、iPhoneを破壊されたときに発狂せずに済んだのは5000円でゲットした中古品だったから、ということもあると思うんですよね😅
洋服だってなんだって、「安かろう悪かろう」とは限らないんですよ。
安いものでも素敵なものはたくさんあります。
どうせ壊すから、と適当に選んでいるわけではありません。そこは愛情をもって選び抜いているつもりです😊
でも万が一(というか高確率で😂)壊されたときに、太郎に対して怒りで震えることがないように。
そう考えて「腹が立たないお値段」のものを選び、なおかつ簡単に壊されないようにするための工夫を考えたりしています。
発達障害の特性を変えることは難しいんだから、自分の考え方を変えた方がいいんだと気が付いたんですよね、ある時。
太郎のスタイルを変えずに、太郎も私も悲しい気持ちにならないようにするにはどうすればいいか。
そういう視点で物事を考えるようになりました。
ドラマでは悟が、次は指輪を失くさないようにと、指輪に紐を通して首にぶらさげてあげていました。
そういうことですよね😊
こちら☟は発達障害の妹を持つきょうだい児の女の子が書いた作文なんですが、障害のある家族への接し方のヒントがたくさん描かれていると感じました。
とても素敵な作文です。読んだことのない方はぜひ目を通してみてください。
私もこういう母親になれたらいいなと思いました。
「私だから出来る事 私しか伝えられない事 妹と私の共存四年目」山田結心さん 第55回NHK障害福祉賞・優秀 – 記事 | NHK ハートネット
本人が自覚し「何とかしたい」という意思をもつことも大切
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一方で、そばにいる家族が、支援者だけが努力をしていても空振りするだけなんだとも思うんです。
以前書いたこちら☟の記事の中で、「夫はグレーゾーン」という漫画についてちらっと触れていますが。
この漫画に出てくる主人公の旦那さんは発達障害の診断がおりているわけではなく、「グレーゾーン」という設定ではあるんですが😅
自分の障害(グレーですが😅)を否定し、向き合うことを避けているため、周り(会社の上司や同僚、奥さん)が障害の特性にあった提案をしようとしても怒って拒否してしまうんですよね。
こうなってくるともう、どうしようもないというか。
いい大人ですからね、本人が。
無理矢理療育的なことをやらせる年齢はとうに過ぎているわけですよ。
「僕の妻は発達障害」の方は、主人公の知花が障害を受け入れ、障害に向き合っているからこそ、家族(悟)のサポートも受け入れられるんですよね。
いくら周りがなんとかしたいと考えていても、本人こそが「どうにかしたい」と思わないことには始まらない。
でも、これまで普通に生きてきた人が発達障害を受け入れることはそう容易いことではないでしょうし、大人の発達障害はいろんな意味で難しい問題なのだと思いました。
「僕の妻は発達障害」は発達障害当事者の考え方や感じ方を知ることができ、込み入った内容の言葉を発することができない太郎を育てている私にとって、とても参考になった漫画だと思いました。
Amazonでは6月22日23:59までは期間限定で1巻が無料で読めるようです😊
無料で読む方法は以前書いたこちらの記事☟と要領が同じですので、参考までに。
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アメブロでは、ゆるりんです。主人公の百田さんが明るくてご主人役の俳優さん今まで知らなかったのですが、演技が上手ですね。かなり前、ともさかりえさんが主役で知的障害がない自閉症のドラマがありました。しっかり見ていなくて内容もあまり覚えていないけど主人公が暗かった気がします。百田さんの明るさがいいドラマだと思います。漫画家の小倉さんが皆も知花もいる前でいきなり発達障害を言いだすのはひどいなと思いました。1話2話は深刻な話ではなかったけど、予告で3話は母親との関係みたいでちょっと辛い内容かもしれないですね。会話ができる発達障害の人はここが辛いと説明できるけど知的障害があると自分で言えないから何もわかっていないと思われてしまうけど、理解しているけど言えない説明できない時もあるだろうなと思って子どもを見ています。
百田さんがとても明るく可愛らしいので救われていますね。
旦那様役の落合モトキさんはいろんなドラマでちょこちょこ見かけるものの、これまで代表作的なものはなかったような気がします。
ともさかりえさんのドラマは調べてみました。「君が教えてくれたこと」ですよね?私はあまり覚えていないので観ていなかったのかもしれません(;’∀’)
会話のできる発達障害の人の話を聞いていると、根本は同じなんだな、と感じます。
まさに太郎の思いを会話ができる人が代弁してくれているような気がしました。
第3話も楽しみです。あまり深刻な展開にならないといいな…と思いつつ。
(漫画は2巻までしか読んでいないので私も展開がわかりません(;’∀’))
こんにちは
障害て難しい。
一人一人違うし、軽度~重度。
言われなければ分からない。
自然にフラットな心で付き合っていきたいですね。
漫画の中では悟が知花のことを「発達障害だから可哀そうな存在」だと、上から目線で見ていた自分を反省していたんですよ。
これにはハッとしましたね。
発達障害である前に知花は知花なんだと。
私も発達障害の太郎ではなく、私の息子の太郎として、フラットな視点で見守ってあげたいと思いました。
…って、それが簡単にできないからつらいんですが( ̄▽ ̄)